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浮気性

作者:桜宮 雨

 カフェで珈琲を片手に勉強していた時に、偶然すぐ隣に派手なカップルが座った。

 私は勉強中のため、かなり地味な格好をしている。トレーナーにジーンズ、スニーカー。黒縁のメガネに、ただ1つに括っただけの髪。

 そんな私とは対照的に、カップルの彼女の方はとても派手な格好をしていた。有体に言えば、ケバイ。香水のキツイ匂いが珈琲の香りをかき消して、少し眉を顰めた。

 まあでも、そんなことはどうでも良い。よくある話だ。

 私が気になったのは、五月蠅さの方。
 彼氏の方はまだマシなのだが、彼女の方はキンキン声で、まくし立てるように話すものだから、とにかくやかましい。
 笑い声さえ金切り声のようで、全く勉強に集中できなかった。おまけに、話している内容も、下らないことこの上ない。

 周りの客達も迷惑そうな顔をしており、しばらくして我慢の限界に達した私は、勉強の手を止めて話しかけた。

 「すみません、もう少し声のボリュームを下げてくれませんか?」

 なるべく、小声で丁寧に言ったつもり。彼氏の方はそれを察したのか「すみません。」と小さく頭を下げてきた。

 でも、肝心の彼女の方は不服そうだった。


 しばらくして、彼氏の方が先に店を出ると、彼女の方がこちらを睨んでくる。

 でも、そのけばけばしい化粧に囲まれた瞳は、私の格好を見るなり、優越に歪んだ。どうやら、私の地味さを馬鹿にしているらしい。

 本当に、くだらない。

 相手にしないで勉強を続けていると、その彼女の前に、さっきとは違う男が座った。

 ホストみたいな外見だが、どこか優男的な雰囲気もある、イケメンの青年。

 どうやらその青年とも付き合っているらしく、彼女はまた金切り声のような笑い声を上げながら青年に擦り寄る。

 一瞬、彼女はこちらを見て、どこか勝ち誇ったように笑う。

 全くもって下らない。バカ女が隣に座ってしまったのが、今日の運の尽きかもしれない。
 だいたい、そのケバイ化粧と二股の、どこに優越感を感じられる要素があると言うのだろうか。


 まあでも、その彼女の下らない自尊心に免じて、その青年が昨晩ベッドの上で、私に「愛してる。」と囁いていたことは、黙っておいてあげようと思う。


浮気性
(お互い様、という言葉をご存知?)

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