Ⅴ
『人体からバンパイア化、その先も目指している』
海が告げた一言。そんな事は普通なら無理、当然の疑問を投げ掛けた。
「人間からバンパイア化‥‥‥更にその先? 普通、バンパイアになるには、元となる吸血鬼に人間が血を吸われたら吸血鬼になるのが普通よね?」
「普通の場合ならな、だけど、この研究施設では吸血鬼に血を吸われなくてもバンパイアが造れる事を研究している所さ」
「そう言えば海、ビジネスと言ったわよね?誰がそんなモノを買うのよ?」
「海外に居る大物さん達だよ、地下ゲーム?とでも言うのか、犯罪を犯した奴らとここで造られたバンパイアを戦わせる、それで勝てば無罪放免で釈放される」
「地下ゲーム?」
「大富豪の連中が考えた遊びだろう、犯罪者が簡単に勝ってしまったらつまらない。なら、人間より強くて死なないヤツを造ればいい。金ならいくらでも有る、それで研究を始めたのがこの施設ってわけだ」
「たかが金持ちの道楽の為に何人もの人が犠牲になっていると言うの?」
「そうさ、誘拐された人達の親族には大金が支払われているという噂さ」
「‥‥‥私も色々と経験してきたが、知らない事がまだまだ沢山あるわね。それにしても、海は色々と詳しいのね」
一瞬、海の表情が変わり空気も冷たくなったが、すぐに消えた。
「俺とヤツ‥‥‥牧村は大学時代の同じサークルの仲間さ、卒業してからは別々の道を歩みだしてたのだが、ヤツは自分の夢を求めて研究ばかりしている日々が続いた。そんなヤツの仕事ぶりを見てたら俺も何か手伝えないかと思って度々この研究所に来ていたのさ」
「そう‥‥‥」
「だけど、そんな時間は長く続かなかった‥‥‥」
やたらと説明が多いです。
もう少し説明的な内容が続きますが、出来るだけ減らす様にはします。