プロローグ Ⅱ
学年主任の成瀬先生と一緒に出て行った美樹を待つ海。
「何もしないで待ってるとアイツが怒るからさっさと済ませるか‥‥‥」
PCの画面に向き直り書類作成を再開し始めた。
書類作成もほぼ終わりかけた頃、視線の端に普段は点灯されていない電子メール受信のランプが点いていた。
「誰だ?」
電子メールのファイルを開き、そこに書かれていた文に驚く。
“お前の正体を知っている。世間にバラされたく無ければ今夜七時に牧村研究所へ来い、このメールを無視したら、お前の大切な人の命を奪う”
「はっ!馬鹿馬鹿しい、こんなイタズラする奴は誰だ?」
そこへ新なメールが‥‥‥
“謎になっている失踪事件の事もバラされたく無ければ必ず来い”
「‥‥‥」
『何故、この事まで知っている‥‥‥アドレスは‥‥‥そうか、奴か‥‥‥』
「海、何深刻そうな顔しているのよ」
「え?あ、別に‥‥‥」
「そう? それよりも、仕事は終わったの?」
「終わってる。そっちこそ、成瀬の用事は終わったのかよ」
「ええ、終わって無かったら戻らないわよ」
「それもそうか。それよりもさ、美樹今夜ヒマか?」
「何よ、いきなり」
「付き合って欲しい所がある、それこそ大した用事じゃないが一人では入れないんでね。別に疚しいトコじゃない、終わったら夕飯でもご馳走するからさ」
「別にいいわよ」
「サンキュー! じゃあ、六時半にいつもの所で。俺は他にも用事が出来たから一旦帰るな」
「いつもの所ね」
登場人物の紹介しようかと思いましたが、ネタバレしてしまいそうなので止めます。
次から本編が始まります。