プロローグ Ⅰ
20XX 年 8 月 某所。
毎日、眩しい日差しと暑さが続く。
「美樹、こんな暑い日によくそんな格好で居られるな」
「何度言えば分かるの! 学校では名前で呼ばないでちょうだい、榊原先生」
「はい、はい。分かりましたよ、尾崎先生‥‥‥ったく」
「何か言いましたか?」
「いいえ、何も‥‥‥」
自己紹介が遅れたな、俺の名前は榊原 海。
公立高校の教師で化学を教えてる。そして、さっきから俺の隣でトゲトゲしい物言いしている奴が 尾崎 美樹。
同じ教師で国語を担当している。元々、近所に住んでいた幼馴染みって所、偶然にも同じ学校で同じ教師という立場。
昔は可愛いかったけど今じゃ‥‥‥
「榊原先生、何ボーとしているのですか? 早く書類作成しないと成瀬先生に嫌味言われますよ」
「成瀬‥‥‥俺、アイツ苦手なんだよなぁ。学年主任だからって威張りやがって」
コンコン!
「「 !? 」」
「あ! 尾崎先生、ちょっとお願いがあるのですが来て頂けますか?」
「成瀬先生、お願い事って何ですか?」
美樹は席を外し、そのまま成瀬先生と一緒に職員室を後にした。
「あーあ、成瀬のヤロウ、鼻の下を伸ばしやがって‥‥‥美樹も気付けよな、俺が言っても聞きやしない」