ガラスの牙
掲載日:2026/10/07
「誰かと繋がることの怖さと寂しさの狭間で、傷つきながらも生きる一人の少年の物語。都会の片隅で静かに紡がれる、遠吠えのような心の叫びをお届けします。」
『まるで狼』
月を仰いで叫ぶ声は
夜の裂け目に消えていく
群れをはぐれた孤児のように
僕は都会の街灯の下で佇む
誰もが僕を遠ざける
鋭い爪があるわけでもなく
牙さえ持たない臆病な胸を
抱えて歩いているだけなのに
触れ合えば傷つけてしまうと
優しさを恐れて背を向けたら
いつの間にか影だけが伸びて
誰も来ない荒野になっていた
冷たい風が頬を撫でる
流す涙を隠すように
今夜も僕は遠吠えをあげる
誰にも届かない愛の歌を
本当はただ寂しかっただけ
温もりにすがりたかっただけ
けれど影を纏った僕は
今夜も独りで、まるで狼
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
誰かと繋がりたいのに、傷つくのが怖くて自ら距離を置いてしまう——そんな都会の片隅で感じる孤独や葛藤を詩に込めました。
群れになじめず立ち尽くしたことのある誰かの心に、静かに届いていれば幸いです。




