1話 ハトコ ねっとつうはん
わたしはいま、ロンドをおどる。
くるくる、くるくる。
わたしはハトコ。あだなはポッポ。
でもそれは幼稚園までの。
いまは「HUB」。
ハブられてハブなら、まだわかるのに。
よりによって、パソコンルームの
ケーブルが山ほど刺さった、あの無機質な箱。
刺さっていないHUBが、わたしらしい。
わかりにくいよね。
センスないね。
くるくるまわる。
ロンドをおどる。
このまえ、ともだちだと思っていたトン子が言った。
「あなというあなに、ケーブル差してあげよっか」って
わかりにくいよね。
センスないね。
くるくるくるくる。
くるくるくるくる。
――ベシャリ。
アスファルト。
タイヤの下。
くしゃくしゃの、自転車。
おかあさん、おこるだろうな。
気がつくと、野原のまんなかに立っていた。
ソワソワソワ、と風が吹く。
アナタハシニマシタ。
頭のなかで声がする。
シンデ イセカイニ テンイ シマシタ。
オメデトウゴザイマス。
ソワソワソワ、と風が吹く。
センスないね、とわたしが言うと、
ネットツウハン ガ ツカエルヨ。
きいたことあるある。
みたことあるある。
ネットで買ったものを、異世界で売る。
がっぽ、がっぽ。
うはうはだ。
わたしはせっけんをたくさん買った。
うはうはだ。
ピロン。
メール。
置き配完了。
うちの玄関に、せっけんの山。
ソワソワソワ、と風が吹く。
異世界に届かなきゃ、意味ないじゃん。
わたしは怒って、スマホを投げた。
ソワソワソワ。
ひとりで、泣いた。




