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戦士達の物語  作者: サフ
第一章 戦いの始まり
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第一話 宇宙超警察

 ここはタマシイ星。地球から遠く離れた星。宇宙人やその他生き物の魂が集まる場所である。灰色の岩の大地に無数のクレーター。昼が訪れることはなく、雲もないため空には永遠に星空が広がっている。

 不思議にもここに住んでいる者たちがいるらしい。なんでも、半霊体だとか言って、実体があって動けるが、タマシイ星からは出られないのだという。


「用意、スタート!」

一人の宇宙人が言うと、そこにいた一体の超獣と一機のメカが戦い出した。

「うおお!」


ヴォンヴォン!


超獣が肩を高速でぶつけようと攻撃する。

しかし、メカはそれを避けた。

「“ジェットパンチ”!」

メカの腕の後ろからジェットが噴き出し、勢いをつけてメカが超獣を殴る。


ドンッドンッズサァー!


超獣は跳ねながら遠くに吹き飛ばされた。

「やったなー!」

しかし、負けじとメカにぶつかっていく。


ガキン!ドン!ヴォンヴォン!


〜〜〜〜〜〜


激闘の末、超獣は降参し、メカの方が勝った。

「ロボットの勝ち!8連勝!」

宇宙人がそうジャッジすると、

「よっしゃー!また勝った〜!」

とメカが喜んだ。そのメカはロボットというらしい。

「強いな〜。ロボットにゃ勝てないよ〜。」


「今度は俺がロボットと戦う番だ!」

審判をしていた宇宙人がそう意気込むと、それに対してロボットは、

「お前はバイクにもなかなか勝てねーんだから俺には勝てねーよ。」

と言った。どうやら、ロボットというメカがこの3人の中では1番強いらしい。

「いやいや、今度こそは。次はバイク、お前が審判してくれ。」

「おっけー。準備はいい?」

バイクという超獣がそう聞くと、

「もちろん。」

と2人は声をそろえて言った。

「用意スタート!」

バイクが掛け声を出すと、またもや戦いが始まる。

この戦いは訓練というよりは、娯楽の一種らしい。

まあ、タマシイ星は何もない場所らしいから、退屈するのも当然だ。

オレも戦うのが好きなので、気持ちは分かる。

そして、またもや激しい戦闘が繰り広げられる。


ガキン!ガキン!


宇宙人は尻尾を剣のようにして、ロボットは手首の辺りから体内に仕込んでいた剣を出して戦った。しかし結局は…。

「ロボットの勝ち!」

ロボットが勝った。

「また負けちまった〜。」

宇宙人は悔しそうだ。

ロボットは

「はっはっは!やっぱ俺が1番つえーな!」

と高笑いする。そして宇宙人は

「ふぅ、疲れたから一旦これで終わりにしよう」

と言い、他の二人も同意した。


〜〜〜〜〜〜


「ンゴーーーーー。」

3人で寝ていると、バイクが大きないびきを立てた。それに対してロボットが、

「うるへー。」

と言いながら近くにいたバイクを寝ながら蹴る。そうしたらバイクが起きてしまった。バイクは機嫌を悪くし、寝ぼけながらもロボットに攻撃する。


ガン!


「ぐへえ!」

ロボットが怯んだ。そして

「何すんだぁ!」

とロボットは寝ぼけながら立ち上がり、お返しに殴る。

「お前こそ何すんだぁ!」

そして結局喧嘩になってしまった。

はちゃめちゃである。

睡眠の時にはこれがほぼ毎回起こるらしい。

そして、ロボットとバイクが騒いだため起きた宇宙人が

「いい加減静かにしろ!寝られないぞ!」

と注意すると、喧嘩をしていたバイクが

「ロボットが悪いんだ!そんなことを言うなら、ソード、君も敵だ!」

と、宇宙人ソードも戦いに巻き込まれた。しばらくして、さすがに戦い疲れたのか、ロボットとバイクは再び眠りにつく。それにほっとして、宇宙人ソードも眠る。さっき言ったように、これは毎日のようにあるため、ソードにはいい迷惑である。


 そしてそれから数日後、ロボット達は同じような日々を過ごしていたが、3人の住処の近くにワープゲートがいきなり現れた。

「ライト星に来てくれロボット。君の力が必要なんだ。」

とゲートの中から何者かの声が聞こえた。ライト星というのはタマシイ星から少し離れたところにある星で、「宇宙超警察」の本拠地となっている…らしい。

「よく分かんないけど、ここから出られるチャンスなんじゃない?」

バイクがそう言った。ソードは

「ここに繋げられるってことは宇宙超警察のヤツか?アイツらは何をしてくるか分からないぞ。」

と、ワープゲートに入ることには後ろ向きだ。

「大丈夫だ。オレの強さは知ってるだろ?俺のことを良いように利用しようとした奴ならぶっ飛ばしてここに戻ってくるから安心しろ!」

これを聞きソードも、

「まあ、それもそうか。何よりここから出られるんだからな。」

と、ロボットがライト星に行くのに賛成した。そしてロボットは、ワクワクした様子で

「またな、行ってくる!」

と、ワープゲートへ飛び込んでいく。



すると、一瞬で別の空間に飛ばされた。


ドサッ


「痛てて。客人には優しくしろよ〜。」

ロボットがそう言うと、横に立っていた一人の男が 

「失礼だぞ!立場を弁えろ!」

とロボットに注意した。ロボットは言葉を返そうとしたが、それを口にする前に、

「まあ、良いじゃないか。私のことも良く知らない様子だし。」

とリーダーらしき男が止めに入る。

その時、ロボットの体が震えた。自分より遥かに強い、想像も出来ない強さに体が反応したのだ。

「分かりました。」

ロボットに注意した男は下がる。

「では早速、本題に移ろうか。」

リーダーらしき男がそう言った。

大きな部屋の奥に、巨体のリーダーらしき男が座っていて、ロボットの左右には2人の屈強な宇宙人が立っている。

ロボットが

「もしかして、あんたがフィストか?宇宙超警察の。」

と聞いた。それに対しリーダーらしき男は

「そうだ、話が早いな。私達は“宇宙超警察”の『戦士』、 そして私は“拳”の戦士フィストだ。『戦士』達及びライト星のトップを務めさせてもらっている。それじゃあ、本題に入ろうか。」

と説明する。「戦士」とは、宇宙の平和を守るために選抜された超エリートの治安部隊「宇宙超警察」の戦闘員のことを指し、一人一人の「戦士」には「“火炎”の戦士」などの称号が与えられている。ロボットは

「ああ。」

と答えた。それに反応し、横にいた女が

「ちょっとあんた!『ああ』って、失礼過ぎるでしょ!この方がどれほどの存在か分かってないの⁉︎」

とロボットに怒鳴った。しかしロボットは生まれてこの方、敬語というものを使ったことがない。なので、この人偉そうだなー、と思っても、敬語を話せないのである。そもそも、ロボットはフィストに敬語を使おうとする気持ちなどなかったが。

「良いじゃないか。私が私に対して敬語を使わない戦士達を許しているのは知っているだろう。」

またもやフィストが止めに入った。

「すみません…。ついカッとなってしまって…。」

怒鳴った女がそう謝る。

「よし、それじゃあ本題に移る。君には長期間『戦士』として任務をして欲しい。」

フィストがそう話した。

「どんな任務だ?」

ロボットが聞く。フィストは

「色々なものだ。他の戦士達と同じように、他の星に出向いてもらう。命の危険もあるが、その分給料は弾む。任務についての詳しいことは後々説明しよう。」

と返事をした。

「分かった。戦士になるために必要なことはなんかあるのか?」

とロボットがまたタメ口で聞くと、先程ロボットに怒鳴った戦士が手を握り絞めて怒りをこらえていた。

「力を少し分けるから、これを受け取ってもらえばいい。」


フィストは光輝く玉を手から出し、玉はロボットの前に来た。

「それを受け取れば、『戦士』として、宇宙超警察に入ることになる。やってくれるか?」

「いいぜ。戦うのは好きだしな。」

ロボットは手を伸ばし、光の玉に触る。そうすると、光の玉はロボットの体に取り込まれていった。

「感謝する。活躍が楽しみだ。じゃあ、ロボットの案内役を、フレア、君にやってもらえるかい?」

フィストが、先程ロボットに怒鳴った戦士にそう言う。しかし、その戦士は

「いやですよ!いくらフィスト様の頼みでも、フィスト様とタメ口で接するような奴の案内役はしたくありません!」

とはっきりと拒否した。すると

「やはり嫌か…。なら、グリームに頼むとしよう。」

と、フィストはワープゲートをロボットの足元に作り出す。

「じゃあ、それでグリームの所に行けるはずだから。」

フィストがそう言うと、ロボットは

「あ、ちょ、待った!」

と止めたが、

「まだ聞きたいことが〜〜!話を聞けよ〜〜!落ちる〜〜!」

と、そのままワープ空間に落っこちていった。




ドサッ


「痛てっ!またかよ〜。」

ロボットは、フィストがいた建物から宇宙超警察の本部前の大通りに放り出された。黄色の地面に光り輝く木々。そして立ち並ぶ大きな建物。大通りは賑わっていた。ロボットの目の前には1人のライト星人が立っている。

「よう、俺は“光”の戦士グリームだ。何か言おうとしたがフィスト様にワープさせられたってとこか。あの人、自分に都合の悪い時は無視する癖があるからな。」

とグリームというライト星人がロボットに話しかけた。

「まだ話したいことがあったんだけどな〜。今から会いにいくか〜。フィストがどこにいるか知ってるか?クリーム。」

「グ、リ、イ、ム、だ!フィスト様には会えない!あそこの中央棟にいるが。あと、フィスト様の事を呼び捨てにするな!」

グリームは少しイラついている。ロボットはそれを聞いて、

「よし、場所教えてくれてありがとう!じゃああそこに行ってくる!」

と、中央棟に向かって走った。グリームは驚いた様子で

「ちょ、待て!フィスト様には会えないって言っただろ!話を聞けよ!」

と止める。

「どうして会えないんだ?」

ロボットはグリームの所に戻りながら聞いた。

「フィスト様は宇宙超警察のトップだから、あそこの右棟と左棟に住んでる『超優秀戦士』以外は基本許可なしに会えないんだよ!」

グリームは2つの大きな建物を指して言った。

「え〜。そうなのか〜。」

残念そうだ。

「さっさと仕事を済ませたいから、早速『宇宙超警察』のことを説明するぞ。」

「分かった。タマシイ星に早く帰りたいから、早く終わらせてくれよ。」

ロボットはそう頼む。

「は?タマシイ星には戻れないぞ?宇宙超警察を辞めて半霊体に戻るか超優秀戦士になるか以外は。」

「え。タマシイ星には帰れないのか⁉︎」

「そう言っただろ。戦士を辞めて半霊体に戻るか、超優秀戦士になるか以外はな。超優秀戦士ほどの強靭な精神の持ち主じゃないと、あそこで安全に任務ができないんだよ。」

「まじか。」

ロボットは落ち込んだ。そして、

「せっかくタマシイ星から出られたのにまた戻るのはやだしなあ。その超優秀戦士ってのは何なんだ?どうやったらなれるんだ?」

とグリームに聞く。

「超優秀戦士ってのは、20名ほどに与えられている、戦士の中でも特に強い者にフィスト様から与えられる称号のことだよ。そして自慢じゃあるが、俺も超優秀戦士の一人だ。」

「それはすごいな。どうやったらその称号をもらえるんだ?」

ロボットはそう聞いた。

「超優秀戦士になるには、きちんと任務をこなして実績を作ることだな。まあ、基本道は長い。でも、お前は今の時点で『優秀戦士』だそうだから、普通よりは時間はかからないかもな。」

グリームがそう説明する。

「そうかぁー。」

「あと、右棟にはライトンという戦士がいて、俺の父上なんだ。宇宙超警察のナンバー2だから、会う時は失礼のないようにな。お前の態度を見てると心配なんだ。」

「ん?ライトン?なんか聞き覚えがあるな。」

「ちゃんと答えろ。」

グリームはなんか怒っている。

「分かった分かった、気をつけるって。」

「ならよし。ここは並の兵士じゃ相手にならない怪物ぞろい。お前は自分が井の中の蛙だったと肝に銘じておくんだな。…俺でさえそうだった。」

グリームは少しうつむいた。

「はあ。」

ロボットは間に受けていない。

「さて、そろそろお前が住む所、優秀戦士棟に行くか。」

「おう!」

グリーム達2人は歩いていく。


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