どうしてこうなった
菊池博士が見上げている菊池博士自身が作りあげた異世界転送装置の被膜の中に、次々と世界各国の重武装した戦闘機や攻撃機が突入して行く。
国連に所属する全ての国々は今、異世界と戦争をしている。
そう地球は現在異世界間戦争の真っ最中なのだ。
事の発端は菊池博士が中学生の時に、恋人の菊美ちゃんと手を繋いで下校している最中に起こった。
突然菊美ちゃんの身体とその周辺が眩い光に包まれ、異世界に引きずり込まれる。
菊美ちゃんが異世界の国に聖女に認定され、異世界に召喚されたのだ。
手を繋いでいた菊池博士も菊美ちゃんと一緒に異世界に引きずり込まれたのだが、異世界側の奴らに「お前いらない」と地球に送り返された。
菊美ちゃんと離れ離れにされる時に菊池博士は菊美ちゃんに、「絶対に助けに来るから待っていて」と約束したのだ。
送り返された菊池博士は異世界転送装置を開発する為に猛勉強を始め、それと共に菊美ちゃんを救出する為に必要な剣道や空手などの武道を習い始める。
菊美ちゃんが異世界に召喚されてから10年後、異世界で必要と思われる装備や食料を背負い白馬に跨がった菊池博士は異世界転送装置を起動させた。
異世界転送装置は正常に作動したのだが、異世界転送装置が作り出した被膜の大きさが想定した物、直径3メートル程より凄まじく大きく直径3万メートルの被膜が出現する。
出現した被膜の異世界側から、偶々その辺りを飛び回っていた異世界側の王族のテイマーが使役するドラゴンが地球に出現。
そのドラゴンに此れも偶々だったのだが、実弾演習の為に実弾演習が出来る海域に向けて飛行中だった、航空自衛隊と米空軍の数機の戦闘攻撃機がかち合い戦闘になった。
だから最初は異世界VS日米の異世界間戦争になったのだが、此のあと異世界側が大きなミスをしたことにより異世界VS国連軍になる。
そのミスとは、異世界側が召喚魔法の逆の追放魔法によって異世界の魔物ゴブリン、オーク、ワイパーン、地龍、巨大な狼などを地球に送り込んできた。
その際異世界側は送り込む場所を間違えて中国、ロシア、インド、イラン、フランスなど日米とは関係の無い国々にそれらの魔物の群れを送り込んだ。
此の事により世界の国々は日米が異世界と戦争状態にある事を知る。
世界の国々は魔物の群れにより大きな被害を受けた国々からの突き上げで、渋々と日米が公開した異世界の情報を見て異世界間戦争に参戦する事を決めた。
公開された情報により異世界が地球と殆ど同じ重力なのに大きさが、地球の200倍あり天然資源も豊富だと知った事によって。
菊池博士は目の前を通り過ぎて行く各国の戦車や装甲車の群れを見ながら、どうしてこうなったのだと頭を抱えていた。
菊美ちゃんを迎えに行く為だけに異世界転送装置を作った筈なのにと。
因みに菊美ちゃんは菊池博士から事情を聞いた自衛隊が、菊美ちゃんの救出の為に派遣した特殊作戦群の隊員に救い出される。
そして菊美ちゃんは自分を助けに来てくれた自衛隊員に一目惚れして、その隊員とラブラブで地球に帰還したのだった。
みこと様作製「菊池祭り」参加賞イラストです。
みこと様作製「菊池祭り」参加賞イラスト、異世界に聖女として召喚されそれなりに大事にされていた菊美ちゃんだと妄想し、みこと様にお願いして貼らさせてもらいました。