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勇者さまと駆けっこ 其の二


 仕返しをしたくとも、相手を確認するヒマもないほどの


 一瞬の出来事だ。


 遠いところに飛ばされた。仲間を失ったガキの大将は、


 尚且つ一人で飛び回る。


 朝から晩までお構いなしだー。




「……だけど、なんだか寂しいど」っと。




 そこへ族を蹴散らしたらしき者が現れ、突然、おいらに


 こう言った。




「仲間を見失って、初めて人の苦労が分かったか?


 下っ端の気分はどうだ?」




 なっ、なんだ!? この図体のデカいのは……。



 

「ふん! 子分たちなら街中にまだまだいるさね。それ


 に、なんでおめぇがそんなコトを……。


 まさか? おめぇが可愛い子分を遠いお山へ飛んで行


 けーなどと、やらかした張本人なんじゃねぇだろな?」



 

「……ふっ。さあね、何か確たる証拠でもあるのかい?

 

 族の大将さんよ!」





 ムッキャー! 神経逆撫でする挑発的なキザ台詞!


 こ、コイツだ! まちがいねぇ!


 おいらは長年、街中を縄張りにしてきたが、こんな野


 郎を見た事も聞いた事もねぇ。


 それに怪物のごとき、この図体だ……。



 家の屋根を見上げるような長身で、おまけに筋肉


 隆々の鋼の肉体を持つ巨漢だ。


 子分どもだって烏合の衆ではない事ぐらい、街の者な


 ら知らぬ者はいない。



 だが、街に残ってる仲間を総ざらいして束になっても


 負かす事は容易ではないぞっと。




「おめぇは一体何者だ!? へたれ町長にでも雇われ


 ておいらにお灸をすえにやって来たのか? あ?」



 おいらが訊ねてみると、図体のデカいソイツはこう


 答えた。




「ふっ。さあね、何か後ろめたい事でもあるのかい?


 族の大将さんよ!」


 

読んで下さってありがとう。

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