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妻も、不動産屋にカモられそうになった ~ 世渡り術(3)

作者: ぽごちん

 『ギャンブル仲間』と、

金曜日の午後一時に新宿で会い、

「不動産屋にカモられたので、

弁護士を紹介して欲しい」

と、

頼まれました。


 弁護士に会う前段階の話をした後、

思い出したのですよ。


 ローン手数料を請求された話を。


 2011年の秋に、

妻が、

「中古のマンションが買いたい」

と、

言い出しました。

『ギャンブル仲間』が不動産投資をしている事に、

刺激を受けて。


 中古のマンションのメリットですが、

1 価格が安い。

2 立地が良い。

3 違法改造が可能。


 3の違法改造ですが、

私も詳しくは知らないのですが、

要は、

テレビコマーシャルの様なキッチンは、

撮影用なら問題が無いのですが、

住宅用だとoutらしいです。

消防法にひっかかるのだとか?

新築の場合は、

役人が審査に来るので、

違法が発覚しますが、

中古の場合は、

審査に来ないので。


 結局、

十月十七日に契約し、

十一月四日に支払う事になりました。


 そこで、

不動産屋の請求書を見ると、

【ローン手数料十万円】の謎? の文字が。

不動産屋が顧客に請求可能な金額は、

上限が、

法律で決まっているんですけどね。


 それに、

不動産屋に紹介されたリフォーム会社の見積りが、

高くて。


 そこで、

先ず、

私の一戸建てを建ててくれた

建築業者の専務を、

呼び付けました。


 不動産屋に紹介されたリフォーム会社の見積りは、

マンションの内部を、

細かい所まで十枚以上も写真に撮り、

その写真をアルバムにして、

それを根拠に、

この部分は~万円

とか、

非常に精巧な物でした。


 それを専務に渡して、

「妻が中古のマンションを買って、

リフォームするんですけど、

私が説得しますから、

妻がリフォーム会社を替えたくなるような見積りを」

と、

言ったんですよ。

あくまでも、

仕事は自力で奪って

という形式で。


 その時に、

【ローン手数料十万円】の事も聞いてみたのですよ。


 専務は、

「県庁に行ったら」


 そこで、

十月二十五日に県庁へ行きました。


 県庁の担当者に、

相談に乗ってもらっていると、

別の職員がやって来て、

契約書を見ながら、

「やっぱりな!」


 妻は、

『一緒に』という不動産屋に申し込んで、

羽鳥製作所からマンションを買う契約をしたのですよ。

その『一緒に』から、

【ローン手数料十万円】を請求されて、

県庁の担当者に相談していたのですが。


 その担当外の職員の話に拠ると。


 売手側、

つまり、

羽鳥製作所側の不動産屋の『波』が、

三日前に、

県に登録したのだそうです。

その『波』は、

以前にも不動産屋を営業していたのですが、

不動産屋の保険料が未払いとなり、

資格が停止されていたのです。

そして、

三日前に、

その保険料を納め、

再登録されたらしいのです。


 要は、

契約した十月十七日には、

『波』は無資格だった

と。


 その日の県庁での話し合いは、

県が、

不動産屋『一緒に』を処罰してくれる事で、

決着しました。


 でも、

お約束の展開が。


 次の日、

県庁で相談に乗ってくれた担当者が、

わざわざ、

私の一戸建てまで、

訪ねて来ました。


 県庁では、

話せない用件の様です。

『闇の力』が、

働いたんでしょうね?


 その県の担当者の話は。


 『一緒に』を罰してしまうと、

『波』が無資格だったために、

もし、

何か有った場合に、

保険が下りない可能性が。

それよりも、

『一緒に』が【ローン手数料十万円】を引き下げるので、

このまま続行したほうが。


 その県庁の担当者は、

不動産屋『一緒に』の完全な代理人の様です。


 私もね。

気付いていたんですよ。

こちら側が詰んでいる事に。

羽鳥製作所には落ち度が無いので、

契約を破棄すると、

手付金の五十万円を取り戻すのが、

ほぼ不可能になってしまいます。


 私は、

社会正義よりも、

実利を選択しました。


 でも、

悪あがきを。


 とりあえず、

法務局へ行って調べてみると、

羽鳥製作所は登記されていました。

これで、

不動産取引が行える事は確定です。

そして、

所在地へ行ってみると。


 実名を晒している事から、

もう御判りだと思いますが、

羽鳥製作所は、

実在していませんでした。

所在地には、

アパートが建っていました。


 まっ!

世の中、こんなもんか!

油断も隙も有りゃしない!


 もし、

こんなんじゃなければ、

県庁の担当者も、

わざわざ、やって来たりは、

しないよな?


 まあ、

何か有ったら、

保険が下りるので、

十一月四日に、

支払いました。


 その時は、

『一緒に』も『波』も、

何事も無かった様に、

業務をこなしていましたね。

しかも、

羽鳥製作所と『波』は、

昔からの付き合いの様です。


 ところで、

『波』が無資格

というのは、

作り話だったのでしょうか?

保険料未払い

とか、

つじつまが合い過ぎている様な気が?

 


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― 新着の感想 ―
[良い点] 油断できない世の中やな〜 ほんと困りもんやで。 自己防衛は頑張らなきゃ。
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