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第2話「妹!?」

3話の両親の説明、4話の魔法の説明を少し変更しました。

「父さんが俺を呼んでいる?」


「はい、大事な話があるらしいです」


「そうか…父さんがわざわざ呼び出すなんて珍しいな。よっほど大事な話ってことか? まぁ、行ってみるしかないな。 それよりミラ!今日も可愛いな!結婚したいくらいだぜ」


「またアルス様はそうやって!アルス様に言われると女の子は勘違いしてしまいますし、王子様であるアルス様と私なんて釣り合いませんよ…」


「ミラだってクエリオン侯爵の令嬢だろ?」


「でも私の家系は所詮王族専用メイドの家系ですし…お仕えさせて頂いてる主人と結婚なんて恐れ多いです…。あ、でも私、アルス様のことは大好きですよ!あ、側室にさせていただくだけで私幸せです!」


「そ、そうか。いや、そうだな。お前は俺の嫁(側室)決定だ!」


「はい!嬉しいですアルス様!」


ミラは半分は冗談だろうが、俺はもちろん10割本気で言っている。


まぁまだ俺が3歳、ミラが9歳だから仕方ないが。


「まぁとりあえず、父さんの部屋に行ってくるよ」


「はい!行ってらっしゃいませアルス様」






俺はさすがに恥ずかしかったので3歳手前くらいのときに乳児の口調はやめた。

ミラに甘えるのはやめていないが。



それにしても、王族の教育を受けているせいかは分からないが、前世と比べて少し口調がやわらかくなっている気がするな、俺。

本当に少しだが。


ていうか3歳であの会話って…ませてるな、俺。


でももう3歳か…早いもんだな。


だがもちろん、3歳になるまでに魔法はもっと習得した。


中級火属性魔法"ファライア"

中級水属性魔法"アクアキャノン"

中級風属性魔法"ヘルウィンド"

初級土属性魔法"ランド"

上級雷属性魔法"ボルトドライブ"

上級光属性魔法"サン"


この6つだ。


なぜか、闇属性だけはどうしても習得できなかったが、一般人の習得できる属性の数の平均は2、3個らしいから十分天才の部類に入っている。



そういえば母さんに初めて魔法を教えてもらった日に起こったあのバカみたいな輝き、あの日以来起こってないな。


初級光属性魔法の"ライト"であの輝き…。

"サン"であの現象が起こったらどうなるんだ…?


まさに太陽のように世界を照らしそうだな!


ちなみにこのアースタシアにも太陽はある。

月もなぜか赤色だがあるし、ほんと地球に似てるな。






と、考え事をしながら歩いていると、父上の部屋の前についた。


(よし。大事な話らしいし気合い入れるか!)


コンコンッ


「誰だ?」


「父さん、俺です。アルスです」


「おぉ、アルスか。待っていたぞ。入れ」


「失礼します」


そこにはイスに座って紅茶を飲んでいるリラックスムードの父さんがいた。


(なんだ…思ったより気合入れなくてよかったか?)


「よく来てくれたな、アルス」


「大事な用があるって聞いて気合入れて入ってきたんだが、必要なかったか?」


「相変わらずお前の素の口調は偉そうだな。まぁいい、今日はプライベートな内容だ」


「プライベート?」


「そうだ。アルスお前、マリアを覚えているか?」


「あぁ、2歳の誕生日のときに来てくれたあのおっとり系美人の父さんの側室だよな」


マリアさんは青色の髪に碧眼のおっとり系美人さんだ。ボンキュッボンだ。

ちなみに母さんもボンキュッボンだ。

赤ちゃんの頃はあの柔らかい胸に癒されたな…。


まぁそれは置いといて、マリアさんか。

2歳の誕生日以来会ってないが…。


「あぁ、実はな、俺とマリアの子が産まれた。女の子だ」


「あぁ、子が産まれた…って、子供!? おやji…じゃなくて、父さんマリアさんのこと愛してないって言ってたじゃねぇか!!」


「バカかお前。マリアは二大公爵家の1人、レマール公爵の令嬢なんだぞ。ないがしろにはできまいし、なにより跡継ぎを産まねばならん。それに大切にしているとは言っただろう」


「あ、あぁ。そうか。そうだよな。なるほど」


二代公爵家と言っているがもう1人は母さんの家のアルカール公爵だ。

二代公爵家の令嬢を独り占めなんて…やるじゃねぇか親父。

ちなみに王位継承権は嫡男の俺にあり、ほぼ決定しているそうだ。


「ていうか、なんでそんな大事なこと黙ってたんだよ?」


このヴァーミリオン城は広すぎて内部の様子が把握しにくいから、連絡は大事にしろ。と父上はよく言ってるが…。


「内緒の方がびっくりするだろう?お前の妹のようなものだ! それでどうだ、びっくりしたか?はははは」


「なんてチャーミングな国王だよ!もっと威厳を持て!」


まぁ、いざ玉座に座ると威厳はすごいのだが。


「それで、その俺の妹さんはなんていう名前なんだ?」


「あぁ、セリカと名付けたんだが。どうだ?」


「いいんじゃないか。可愛いと思うぞ」


「そうか、そうか。じゃあセリカに挨拶しにいくぞ」


「分かったよ。 ったく、ほんと急だな」


「国王は忙しいからな」


「はいはい、覚えとくよ」











それにしても、ミラはこのことを知ってたんだろうか…いや、父さんのことだし知らせてなかったっぽいな。

ミラも知ってたら俺に教えてしまうと思うしな。



と、考え事をしながらセリカのいる部屋まで歩いていると、父さんが、


「あー、その、だな。エレノアの機嫌が少し悪いから気をつけるんだぞ、アルス」


「母さんもセリカの部屋にいるのか?」


「あぁ、エレノアとマリアは幼馴染でいつもは仲がいいんだが、さすがに少し妬けてるのかもしれん。って3歳のお前に言ってもあまりわからないか」


「いや、まぁ、少しは分かるよ」


「相変わらずませてるな、アルス。ははは」



まぁ、中身は高校2年生の16歳だしな…。



と、父さんと話しているとセリカの部屋についた。


コンコンッ


「エレノア、マリア、入るぞ」


カチャッ


「アルスちゃーん、待ってたわよ!」ギュッ


俺は部屋に入っていきなり柔らかいものに包まれた。


「相変わらず柔らかくていい匂いがするなぁ、母さんは。それに落ち着くし」


「あら、アルスちゃん。ママはどんなときでもアルスちゃんを抱きしめてあげますよ」ギューッ


「かあさーん」ギュッ


「オホンっ。そろそろアルスにセリカを見せてやりたいんだが?」


「ふんっ。結婚するときに私を1番大事にするって言ったくせに!マリアだから許すけど、他の女と子供作ったら許さないんだから!」


「まぁまぁ、エレノア。わたしがエクスさんのことが好きで2番目でもいいですからどうしても結婚したいわ!って親に無理言ったのですから、許してあげてくださいな」


マリアさんを側室に迎えたのってそういうことだったのか…。


「ほんとエクスのことが好きねマリアは。まぁ、マリアもこう言ってるし許してあげます!」


「エレノア、心配しなくても俺が1番愛してるのはお前だよ」ギュッ


「あなた…私もよ!」ギュッ



普通の3歳児ならこの光景を見て、

「僕のお父さんとお母さんとっても仲がいいんだぁ!」と、なると思うが、俺の場合は砂糖を吐きそうな光景だ。

まぁ仲がいいのは悪いことじゃないが。


「マリア、もちろんお前も大切だぞ!」


「はい、嬉しいですわ。エクスさん」


俺はこのクソ親父を超える男になってみせるぜ。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「さて、そういえばアルスとマリアは会うのは1年ぶりか?」


「そうですわね。アルスくん、お久しぶりね」


「えぇ、お久しぶりです。マリアさん」


「相変わらずしっかりしてるわね。3歳とは思えないわ」


「日々の教育の賜物です!」


「あらあら、そうなの。ふふふ」


まぁ正直、敬語は疲れるんだが、王族に生まれた以上敬語は身につけないといけないだろう。


ていうか、早く俺の妹を見てみたいんだが…。


「父さん、そこのゆりかごで寝ているのが?」


「そうだ。お前の妹、セリカだ」


俺はベッドのそばに置いてあるゆりかごで、すぅーすぅー眠っている赤ちゃんに近づいた。


「この子が俺の妹…」


そこには、天使がいた。


俺と同じ父親譲りの金髪と、母親のマリアさん譲りの綺麗な碧眼で、将来絶対美人になりそうな、可愛らしい顔をしている。


俺は小さな命をそっと抱きしめた。

すると、目の前の天使はくりくりの目をパチリと開けた。


(しまった…起こしてしまったか。まぁいい、ここでお兄ちゃんアピールしておくか! 泣かないといいんだが…)


「おぉ、よしよし、俺がお兄ちゃんですよー」


すると、目の前の天使は、


「ばぶぶぶぶ!」


と、コロコロと愛らしい顔で笑った。


(可愛すぎるだろぉぉぉ)


「なにがあっても絶対にお兄ちゃんが守ってやるからなー!」


「あい!」ニコニコ


(俺の天使を傷つけようとするやつは…たとえ神であろうと許さないぜ!!)







こうして俺が3歳のとき、天使(妹)が生まれたのであった。

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