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第10話 「守りたい者」

アルス達はエレノアの部屋に向かっていた。


「アルス様?そういえばまた妹さんですね?アルス様の周りにちょっと女の子が増えてませんか?アリア様もとても美人ですし…」


「い、いや。それは俺に言われても困るだろ。

クレアやソフィも国が決めたことに従ってダンスの合同練習しに来ただけだろうし、アリア先生も多分父さんが採用したんだって! それに兄弟も妹の方が嬉しいのは確かだが弟でも良かったんだぜ?」


普通は妹が生まれてくるといっても嫉妬なんかしないだろうが、王族の場合だと話が違ってくる。

王族の場合、より濃い血を残すために近親婚をすることはよくあることなのだ。


まぁ、ミラが嫉妬深いってのもあるが。


「むぅ…分かってはいるんですけど、アルス様の周りに女の子が増えるとモヤモヤするんです!それにアルス様も可愛かったらどんな女の子でもデレデレしてますし!」ツンッ


(そ、それは否定できないな…)


「あー、でもなミラ!キスも結婚したいと思ったのもお前が初めてだぜ?」


「ほんとですか…?私、アルス様の特別ってことですよね?」


(俺はハーレムを作る上で、女たちは平等に愛したいと思っていたんだが…ここは嘘でも特別って言っといた方が良さそうだな…。

実際1番付き合いが長いのはミラだから特別と言えなくもないしな、うん。)


「あ、あぁ。そうだ。お前は俺の特別だ!」


「アルス様の特別…特別…うふふ」


(ふぅ。女の子の扱いってのはまじで難しいぜ。

前世で彼女なんていたことないからそう感じるのは当たり前なんだろうが。

ミラはチョロいからまだ簡単な方だろうしな。

クレアとかどうやったら攻略できるんだ…??

まぁ、その時になって考えるか。

頑張れ、未来の俺)



と話していると母さんの部屋についた。



「私…特別…うふふふ」


「おいミラ。ミラってば!」


「は、はい!ごめんなさいアルス様、何ですか?」


「やっと帰ってきたか。母さんの部屋に着いたから入るぞ」


「あれ?もうついたんですか?いつの間に…?」


「お前がどっかに旅立ってた間だ」


「私旅になんて行ったことありませんよ?」


(最近ヤンデレ属性が際立ってたから忘れてたが、ミラって天然だったな…)


「いや、そういう意味じゃないんだが…はぁ。まぁいい、とにかく入るぞ」


「? はい!」


コンコンッ


「どなた?」


「母さん俺だ。アルスだ」


「アルスちゃん!待ってたわよ。早くエレナにお兄ちゃんの顔を見せてあげて?」


そういや、俺の2人目の妹の名前はエレナだ。


「あぁ!」カチャ


部屋に入るとまず、美貌に全く衰えのない母さんが目に入った。


(そういえば母さんまだ25くらいだもんな。

むしろこれからがもっと女性らしさが増す年齢か。

いつまでもその豊満なおっぱいに甘えさせてもらいたいもんだぜ…)


「ほんと母さんは子供を産んでも綺麗なままだなー」


「もう、母親に向かって綺麗だなんて!恥ずかしいわよアルスちゃん//」


「あ、やべ、声に出てたか!?」


「アルス様…?」ジトッ


「いや、ち、違うんだよミラ。

さすがに実の母親にまでデレデレするわけないだろ?はははは」


「アルスちゃん…私のこと嫌いなの? ぐすっ」


「ち、違うぞ母さん!好きに決まってるだろ!」


「そう…良かったわ。私アルスちゃんに嫌われたら5年くらい寝込んじゃいそうだもの。ふふっ」


俺は涙目の後の儚い笑みを浮かべる母さんに不覚にも一瞬見惚れてしまった。


「アルス様…やっぱりエレノア様にまで!!」


「ち、違う!気のせいだ! だぁぁぁー、もうめんどくせー!!」



「びぇぇぇん」



「あらあら、エレナちゃんが起きちゃったわ。

アルスちゃん?大きい声で叫ぶのはめっ、よ?」


俺は、(誰のせいだよ…)と思いながらも


「ごめんなさーい」


と謝るしかなかった。


しばらくしてエレナが泣き止んだ後…


「母さん、俺にもエレナを抱かせてくれよ」


「いいわよ。優しくね」


「あぁ」


そして俺はそっとエレナを抱いた。


(この子が俺の異母妹じゃない正真正銘本物の妹…)


母さん譲りの緋色の髪に、なぜか父さんの黒目でも母さんの緋色目でもない黄色の目をしている。

顔立ちはもちろん、将来美人確定の可愛らしい顔だ。


「びぇぇぇん」


(って、なんでまた泣き出すんだよ!)


「よーしよし、お兄ちゃんですよー。

いないいなーい、ドッカーン」


俺はつい、いつものセリカをあやす時の癖で初級火属性魔法"ファイア"を使ってしまった。


「び、びえええええええん」


「って、やっちまった!!そりゃ大泣きするよなー!!」


「アルスちゃん!魔法を自慢したいならママにしなさい!エレナちゃんはまだ生まれたばかりなのよ!」


「アルス様…みんながみんなセリカ様のように喜ぶわけないです」


「わ、悪い」


俺は母さんにエレナを渡した。


(さすがに今のは俺が悪すぎた。

赤ちゃんのあやしなんてセリカしかしたことないんだが…

セリカみたいに火の爆発を見て喜ぶ方が特殊だったな。

完全に油断したぜ。

エレナにはお淑やかに王女らしく育ってほしいな、うん)


「そういや母さん。なんでエレナの目って黄色いんだ?父さんの目とも母さんの目とも違う色だろ?」


「あ、それはね、私のお父さん、つまりアルスちゃんのおじいちゃんの目が黄色だったの」


「そういうことか」


母さん方のじいさんは俺が生まれるちょっと前に亡くなったらしい。


そのじいさんは嫁が2人いたらしく、今アルカール公爵家は母さんのお母さん、つまり俺のばあちゃんではない方の嫁との間にできた息子が継いでいるらしい。


実はばあちゃんと会ったことがあるんだが、とても40代半ばくらいとは思えないくらい美しい人だった。


母さんが美人なのは必然だったってわけだ。


そしてその息子の俺がイケメンであるということもな。



「母さん、もう一回ちゃんとエレナと話していいか?」


「いいわよ、今度は魔法を自慢しちゃダメよ?」


「あぁ、分かってる」


俺はもう一度、今度はもっと優しくエレナを抱いた。


エレナは大きなくりくりの目を開けてこちらを不思議そうに見てきた。


「よーしよし、俺がお前のお兄ちゃんだぞー」


「あぶ?」


「お前のお兄ちゃんは世界で最強になる男だからなー、俺の妹になれたことは誇りだぞー?」


「あぶー!」きゃっきゃっ


言葉は伝わってないだろうが、笑ってくれた。


(セリカで慣れたつもりだったがやっぱりかわいすぎるな!!)


その後しばらくニコニコしていたエレナだったが、笑い疲れたのかすぐ寝てしまった。


「笑ってくれて良かったわね、アルスちゃん」


「あぁ。はじめ泣かれた時はもう嫌われたのかと思ったぜ」


「アルスちゃんったら! アルスちゃんといると不思議と心地よく感じるから大丈夫よ、ふふっ」


「ははっ、俺の魅力の前では赤ちゃんも大人も関係ないってことだな!」


「そうね、その通りだと思うわよ?ふふっ」


母さんは俺のナルシストな発言も肯定してくれる優しく母性のある人だ。


ま、こうして俺が4歳の時エレナが生まれた。



それにしても…俺の周りにはだいぶ守りたい人が増えてきたな。

母さん、父さん、セリカ、エレナ、マリアさん、ミラ、クレア、ソフィ、アリア先生。

あとついでにセバスチャンも。


ソフィがダンスを覚えたら魔法の習得を再開するか…

もしものときに自分が弱くて後悔はしたくないしな。

もちろん、エレナとセリカに癒されながらだがな!










そうして、ソフィがダンスを覚え、エレナとセリカに癒されながら魔法を習得する日々を過ごしていると、披露会まであと1週間となった。

もうちょっとペース上げて物語を進めたいです。

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