王子と帰郷
「なあ。女神に男が出来たってほんとかな?」
「帝国の王子様らしいぞ!」
「騙されたいるんじゃないか?」
「どっちが?」
「女神が騙されているんだよ。男の免疫なさそうだしな。帝国王子に自らスパイされてるとか?」
「女神なんかスパイしても仕方ないだろ!」
「なあ。普通に結婚話って線はない?」
「ないない」
「父上。ただ今、戻りました!」
「セレナ。愛しい娘よ。元気そうだ。良かった。嬉しいぞ」
「少し事情が複雑なのですが、友人を連れて参りました」
「私は帝国の第三王子キムベルト。キムとお呼び下さい。娘さんに求婚をしています。」
「ほお。セレナを嫁にと。幸せに出来るのか?」
「精一杯遂げます。セレナ嬢は、真っ直ぐで聡明な人。誓って、お嬢様を幸せにします」
「貴殿の信じる神に誓えるか?」
「誓います。必ずや娘さんを幸せにしましょう」
「私の望みはセレナが無事に元気でいてくれる事。よろしく頼む。娘を幸せにしてくれ」
「父上。急な事で申し訳ありません。私も自身のことなのに戸惑っています」
「この青年の言葉にウソはない。信じる事だ。相手を信じろ。自分を信じろ。さすれば、剣が導いてくれる筈だ」
「はい。父上。ありがとうございます」
「君の父上は、言葉少なだが御立派な方だ。芯が通っている。君が素直に育った訳だ」
「素直なんて、とんでもないです」
「そうだ。この娘は決して素直ではないぞ」
「芯が通っていて正義を曲げないのは父親譲りなんですね」
「楽しか考えないぞ!我や人に丸投げだ」
「キム王子。ちょっと失礼します」
「ぺっ」
「汚いな。何をするか!」
「プリちゃん。本当の事なんだけどさ。なんかムカつくのよ。で、あの王子って大丈夫。私騙されてない?父上が剣が導いくって言っちゃったけど」
「我のカンでは、ウソじゃないと思う。奇特な男だ」
「ぺっ」
「女神。何をしている?剣と話でもしているの?」
「まさか?剣が喋る筈などないわ」
私は王子の誠意に惹かれていた。もしかしたら、私の乙女心止まらないかも。やっと私に春が来たのかな?
「キム王子。私は本当に普通の女です。女神でもなければ、領主って柄でもない。たまたま、癒しの能力を持ってて、成り行きで隊長になっただけです。」
「それは以前も言った様に君個人とは関係ない事だ。私は貴女の性格に惚れている」
「私の性格って言われても、ただ好きな事してるワガママな子です。聡明なんて程遠い。難しい事考えずに良心に従って思いのまま生きているだけですよ!」
「貴女は、そのままでいい。その純粋さをずっと大事にして欲しい。自由に伸び伸びして良いんだよ」
「鼻ぺちゃ、胸ペチャなのに?胸はこれから成長するんだけど」
「構わない。チャーミングだよ。僕には君が誰よりも可愛く見えているんだ。ウソじゃないよ」
「嬉しいです。ありがとう」
私達はラブラブだよ。へへへへん。
女神の街に戻った。ん?誰か寄って来た。
「王子!大至急御国にお戻り下さい。王よりの御達しです。」
君もスパイか?ザルだな。王女の検問は!
花壇を荒らさなければ良いけど。お金もたくさん落としていって欲しいけどね。
あーあ。王子が行っちゃったよー。帰って来るかな。手紙くらい欲しいからね!




