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王女が誘拐された。

帝国軍は、私達が共同戦線を張る可能性を考えて容易に攻めて来ない。


私の元へは噂を聞いた兵士希望者が殺到している。

団長が地獄の訓練をして兵を精査しているらしいが、現在のところ、団長の兵を除いて1000人は軽く超えている。

そんなに穴を掘りたいのかな?良い事ないぞ!後悔しても知らないからね。


王女は結構忙しいらしい。砦で出入国の審査に掛り切りだ。王女こそ、部下に任せた方が上手くいくのに!どんだけ、仕事が気に入ってるんだろう。王族だけあって責任感は人一倍強いのか?

兵士達に王女の笛の音が大人気だからって調子に乗ってるんじゃあるまいな!少しくらい綺麗だからって調子に乗せる訳にはいかないんだからね。


本国、周辺諸国は帝国との大戦の準備を着々と進めているらしい。私は特にはない。私が動くと帝国が警戒しちゃうしね。私の軍勢は小規模の方がいいし。大隊の指揮もオヤジに丸投げしたいよね。


帝国が動き出すのは秋かな?収穫を迎え兵糧が出来たら攻め込んで来るかもしれない。それまでに女神ブランドの農産物を沢山売って儲けなきゃ。農家も潤う。商人も儲かる。みんながウィンウィンってなるよね。



夏が過ぎて、あの美味しい梨が運ばれて来た。

王女は大層気に入った様子。父上に届けたいって?どうぞ、どうぞ。王女はもう人質の価値無いから。勝手に里帰りでもなんでもどうぞ!道中気をつけてね。迎えに来た兵士さん達よろしくね。ウチの兵士達が残念がるけど直ぐに戻って来るから、安心してね。


私は失敗した。


大失敗だった。王女は帰って来なかった。

まさか、帝国が王女をさらってしまうとは!

こんな事なら我が部隊の精鋭を護衛にすべきだった。他の国の事だったので私の兵士が行くのは道理がない事は重々承知していてもだ。


帝国は、本気らしい。


ただ、失敗したのは私と私の兵士達を本気にさせた事だ。王女に何かあった場合には地の果てまで追い詰めるぞ!覚悟しろ。ケイトも燃えているぞ!



「みんな、良く聞いて!」

「帝国は王女を攫った。この暴挙、人間として許せるものではない!私達は王女奪還の為に、帝国へ向かう!」

「おおおおお!」

「今回も希望者を募り、先鋒部隊が私と供に先立つぞ!急ぎ、準備せよ!」

「おおおおおおお」



「姫ちゃん。待ってて。また、姫ちゃんの笛の音聞きたいんだよ。一緒に街をお掃除しようよ。私の領民はいい人だから、きっと姫ちゃんを褒めてくれるよ!」



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