帝国スパイ 発見
私は、帝国に狙われているらしい。
ビリー以下、数人を街に潜らせスパイの情報を探る。
ケイトは、私と王女の護衛。ただし、くっつくなよ。スパイを誘導しなきゃならないんだから。自由に遊びたいじゃないか!私はプリちゃんを手放さないから大丈夫だよ。ケイトもそこは信頼している様だ。
あっ宿屋から男が飛び出して来た!
ビリー達がスパイを見つけたんだね。慌てて逃げている。
そのスパイは慌てて花壇につまずき、花壇をめちゃくちゃにした。
「許せない。絶対許さない。私の大切な花壇をめちゃくちゃにしやがって」
私は、スパイの元へダッシュして足を引っ掛け転がす。
鞘のある状態でスパイの頭を殴り、喉元を足で踏み潰した。
「だれか!水を桶ごと持って来て!」
花壇を世話している少女が泣いてる。
「ごめんね。悪い奴に謝らせるからね」
私は、スパイに水をかけて少女の前に連れて来る。
「この少女が丹精込めて育てた花になんて事をしたんだ。謝れ!」
「お嬢ちゃん。ごめん。俺が悪かった!」
少女は口をキュって結んでいる。
「私とおば…お姉ちゃんのお花なんだよ。元に戻してよ」
スパイは花壇を直し始めた。
子供達が集まって来て泣いてる少女を慰めている。
「僕達だって、お姉ちゃんにお願いされて花を育ててるんだぞ!僕達はこの花を守るんだ」
「ごめんね。直したから許して!お願いだから。もう二度とお花を踏んだりしないよ!約束するよ!ごめん」
「うん。この花はガーベラって言うんだよ。とっても可愛いお花なんだよ。踏んだりしちゃダメなんだよ。」
「わかったよ。おじさんが悪かった。ごめん」
少女に笑顔が戻ったところでスパイはビリーに連れて行かれた。騎士団長のオヤジに説教されてくれ。
「おい!あれって女神じゃないか?」
「まさか、子供達と遊んでいた娘が女神の訳ないだろう」
「いや、あの強さ。それにあの鼻。間違いない女神だ」
「女神自身が毎朝、花壇に水をやって花を育ててたのか?」
「花を育ててたのは、子供らしいがな」
子供の母親が私の元に飛んで来た。ちょい待ち!ここじゃ目立つから。貴女の家に行っていいかしら?
「おばちゃん。ウチに遊びに来るの?」
「うん。お姉ちゃんと一緒にお手手繋いで!」
私は折れた花を摘んで少女にあげた。
少女と一緒にお散歩さ。
「女神って結構、暇なんだな…」
「あのですね。そんなに恐縮しないでください。私はこの子が花を育ててくれた事に感謝しているんです」
「そうだよ。お母さん。私とお姉ちゃんは友達なの!」
「良い子だね。お花育ててくれてありがとうね」
「お姉ちゃん。強いんだから、悪い人、やっつけたんだよ」
「これからもお花、大切にしてね」
「うん。りょうかい。お姉ちゃんも悪い人、やっつけてね」
「お母さん。この子はとっても良い子に育っています。私はお母さんにも感謝していますよ」
「じゃあね。お姉ちゃん。また遊ぼうね!」
私の花壇の話は瞬く間に広まってしまった。
「おい!花壇を壊したら、ただじゃ済まないぞ」
「怖いな。それって。」
「あの娘。道路も清掃してたよな。って事は一緒に掃除してたの王女じゃないか?」
「まさか?一国の王女が他の国の道路を清掃するのか?」
「ここの治安の良さはズバ抜けているぞ!悪い事出来ないかもな」
「俺たちも、女神や王女を見習った方がいい。俺たちの街だろ!」
この事が原因で至るところにガーベラが街の人の手によって植えられた。将来この街の隅々までガーベラが自生していくのかな。
私は、正体がバレても街に繰り出していた。街の人は見て見ぬ振りをしてくれる。有り難い。でも、暇人だと思われるのは癪だな。帝国が攻めてくれば、働けるのに!
騎士団長のオヤジに会いに行った。
オヤジはそのままスパイを返したって事だ。
マジで良いの?宰相や軍師に怒られたりしないの?
「お前に隠す事があるとは思えないが?おまえ如きが重要人物って笑えるよな」
「確かにその通りだけど、なんか納得出来ない気もする」
「帝国は、女神は花を育てているだけだけど、滅法強いって報告になるのかな。それ聞いた帝国は、どうだろう。やる気なくしちゃうかも」
平和だなぁ。私も領内も!




