王女と領内
王女の邸宅の予算が降りたらしい。
「王女。もしかしてあなた、本国で迷惑がられて人質に出されたんじゃないの?もう、ここに住んでもらって帰って来ないでって国の意思とか?」
「そ、そ、そんな事ないわよ!絶対に」
(図星なのか?悪いこと言っちゃったかな)
「私には、他国との婚姻が義務付けられているわ。私のフィアンセはすごく嫌味な奴で逃げ出したかったのよ。それで人質になりたいって申し出たの!」
「えー。私も一応貴族の出身でフィアンセがいたのよ。その男が蛇みたいな男でフィアンセから逃げるために騎士になったのよ!わかるわ。その気持ち」
「「同士!!」」
変なトコで通じ合ってしまった。
街も道路工事の予算が降り、活気付いてきた。住み込む為に家を探す人も多くいる。お金が集まるところに人が集まるんだね。なるほどね。
私と王女は、毎朝、花壇に水やりに出かけ、そのあと、道路を綺麗にして帰る。
「ねえ、これってさ領主がする事?誰かにやれせれば良いんじゃないの?」
「ねえ、見て見て。芽が出てきた。私は楽しんでるのこんな楽しい事、人にやらせたくない。自分の街を綺麗にするって当たり前の事だと思うけど?」
「わあ。植物の芽って可愛いんだね。女神には良い事教えてもらったわ!私も一緒にやっていいの?」
「友達でしょ!同士でもあるし」
「ねえ。お嬢ちゃん達」
「はい?」
「いつも、毎朝、精が出るね。このジュース飲んで頑張って!偉いわね。貴女達って」
近所のおばさんが、褒めてくれた。嬉しい。王女はうるうるしてる。王女って世間知らずだなぁ。
「私ね。この街来て、とっても幸せ」
「そりゃ 、女神に護られた街ですから」
「貴女が女神じゃなきゃもっと良いのに。私みたいな美貌を兼ね備えてないと女神ってダメじゃないの?」
(余計なお世話だよ!本当に!)
宰相は、また頭を抱えていた。
王女の付き添いから、感謝の手紙が届いたからだ。
「なぜ、女神は王女に道路清掃などさせている。人質の扱いについて文句言われるだろう」
「自発的に清掃をやっているって感謝されてるんですよ。あのワガママ王女をどう騙したんでしょうか?」
「相手は洗脳とか拷問で人格を変えたって思わなきゃ良いが?それに王女の邸宅まで建設が予定されてるらしい。問題はないようだが、我が国が全く負担しないというのも問題になる」
「あの女神。私に恨みでもあるのか?」
「それはあるでしょう。だって、たくさん借金させてるじゃないですか。多額の賠償金だって女神の手柄みたいなものでしょう?」
「他の領主が、女神の街に続く道を自分の領土と結びたがっている。折半でも良いとの事だ。国が栄えるのは良いが女神だけ得をするのが気にくわない。あの娘、小賢しくて気に食わぬのだ」
「どうやら、宰相も女神にご注進ですね」
やった。やった。人が集まって来たぞ!宿屋は満杯だ。まだまだ、宿屋が出来るね。ピーターの街の計画では、土地はまだまだ提供出来るし、宿屋の場所も確保されてる。
さらに嬉しいニュースだ。王女の邸宅に宰相が援助してくれるらしい。なら、王女の家、ド派手に作って観光名所にしちゃおう!王女なら許してくれるはず。お城とか建ったら面白いのにな。
実は宰相に内緒で料理人呼んじゃったんだよね。あと、ついでに大工さん達も。王女の針子さんもその内来るかも。敵さんの文化や技術が流れて来ちゃうけど、流さなきゃ良いよね。
だって私の領土って国境に面してるから、貿易出来ちゃうんだよ。王女を通じて珍しい果物とかの苗も手に入れたいな。王女がいれば、貿易なんて余裕だよね。
密輸じゃないよ。王女が許可しているんだからね。
でもね。敵国と仲良くなっちゃうと戦争出来ないんだよね。




