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王女の来訪

宰相は、頭を抱えていた。

休戦協定で、多額の賠償金が手に入った事は良かったのだが、誠意として人質を預かってしまった。


人質とは、王女である。外交官には王女と言えど差別はしないことと王女の使うお金は全て負担してもらう事で話はついた。


この王女、まさにワガママを絵に描いたような娘だ。

「まったく、手に負えない娘ばかり増えるな。我が国の問題児の娘もガゼフを通して金をせびりに来たしな。まあ、賠償金は女神が稼いだ様なものだが」

「なら、その問題児同士を一緒にさせては、手に負えない物同士、厄介払い出来るというもの」

「素晴らしいアイディアだ。至急、王女を女神の街に案内しろ!」



私は国境の護りを騎士団長に任せて、女神の街にいた。

ピーターが約束通り、花壇を作ってくれたのでガーベラの種を蒔きに来たんだ。

小川から水を運んで花壇に水をやる。

「おばちゃん!なにしてるの?」

「お姉ちゃんはね。ここでお花を育ててるんだよ。花壇にイタズラしちゃ嫌よ」

「うん。僕が花壇を守ってあげる。僕は大人になったら女神の騎士になるんだよ!」

「よーし。頑張るんだね。それには女の子をお姉ちゃんって呼ぶ様にしないとね」

「わかったよ。お姉ちゃん」


ん?豪華な馬車が入って来た。なんだろう?聞いてないけど。

「王女。ここが女神の街にございます」

「まあ、清潔感があって、なかなか良いわ。ただ、田舎ね。」


(王女だって?なんでそんな人が来るの?観光?そんな場所ないよね。作らなきゃ)


「王女。まずは領主の女神にご挨拶を!これからお世話になるんですから。領主の館に向かいましょう」


私は、ピーターの元に走った。

(王女が私のお世話になるって?なにそれ!)

(それより領主の館ってどこ?私が領主なのに自分の家知らないってどうしよう?)

「え?ご自身の家を知らないんですか?どんだけ、抜けているんですか?あー、敵国の王女が来る事は知ってましたよ。女神はいつも戦場にいるから街の事、なにも知らないんですね」


とにかく、ピーターと一緒に領主の館なる所へ急いだ。

(げっ。もう王女ったら着いてるよ。私でさえ知らない領主の館を敵国の王女が知っているとは、何故だ!)

「領主が不在でどこにいるかもわからないとは、何事だ!」


「あの〜。私が領主です」

「えええええ」

何故か、館の使いが驚く。当然だよね。初対面だし。

「おいおい。本当か?館の者は知らん様だぞ」

ピーターが名乗り出てご挨拶をし、とりあえず間を持たせる。


「領主様!今までどこに行ってたんですか!私達は大変苦労しておりましたのに」

「すみません。申し訳ないです」

平謝りするしかない。「忘れてました」って言えない。


「いきなり王女を迎えるって言われても困るんです。それに借金ばかり作っておいででどうするんですか!」

「すみません」

「なあ、この領主大丈夫か?借金で夜逃げでもしたのか?」

(王女、変な誤解しないでください!)


「妾も貴国に人質の身でな。そなたの宰相に言われ、急遽ココに来た次第じゃ」

「人質?事情はわかりかねますが、私は戦場に身を置く身。なにも出来ないとお考えください」

「何を言う。さっき、街で子供と遊んでたではないか!」

「ちっ」(見てやがった。何気に目ざとい王女だな)

「領主。遊んでいたのですか?こちらが大変な時に」

「すみません」


「面白いの!領主。いや、女神。妾はお前と同行することにするぞ!」

「イヤです。出来れば、人質なんて返したい気分です」

「私も祖国への義理があれば、そうはいかないのだ」

「私は礼儀も知らないし、戦場を駆け回るだけです。苦労しかないですよ。王女様にはとても無理です。1日で逃げだしたくなっても良いのであれば、どうぞご自由に。私は決して王女扱いしません」

「望むところだ!」


宰相め!面倒だから、押し付けてきたなぁ!どう仕返ししてくれよう!



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