騎士団長 登場!
私は、兵達に強制労働させられていた。
勝手にひとりで、出て行った罰だという事で、落とし穴を掘らされている。この作業、すごいキツイ。脳筋のケイトが訓練に使う筈だ。
ケイトめ、私もろとも敵を斬ろうとしたな!って聞いたら、「その通りだ」と白状しやがった。
「俺の剣を見切っているお前なら、当然避けるだろう」
「見切ってないから。本当にやめて。死んじゃうからやめて!貴方は人間じゃないの!
バケモノなの!」
「あれを避けた女神もバケモノだよな」
「あの時の祈りのポーズ。アレって女神の祈りじゃ無くて、魔女の呪いに見えたぞ!」
ムカついた私はスコップに土を乗せ、思いっきり土を投げつけた。
「ペッ。ペッ。女神。今度は穴掘りですか?凡そ、領主様でも女神様でもないお姿ですね」
げっ!村長に土がモロにかかってしまった。
「領主様。お慶びくだされ。今年は豊作ですぞ!兵士様を養っても余りある豊作です。それと、林檎、栗、柿などの秋の味覚も持って参りました」
「村長。食べきれる分だけ、小分けして持って来てくださいね。村人の分も貯めておいてね」
「何をおっしゃる。こうして兵士の皆様が命がけで私達を護ってくださる。感謝です。女神へのお供えこそ、私達の幸せと皆、頑張っているんですよ」
「林檎。美味え!」
「私も林檎食べたい!甘い甘い栗も食べたい!」
農家の人達も感無量だね。残さず食べちゃうよ。
落とし穴も完成して、私の強制労働が終わった。
「女神。大変です」
「今度は何よ!私、眠たいんだから」
「味方の援軍が来ました」
(それは大変だわ。ちゃんと兵糧持って来たでしょうね)
「おい。女神どうやら援軍の総大将は、俺たち騎士のトップ騎士団長のガゼフらしいぞ!」
「げっ。偉い人来ちゃった。また、地獄の訓練とかやらされるの?嫌だよ。アレ」
あっ!忘れてた。そこは、私が掘った落とし穴があるんだ。相当深いし広いよ。大勢で乗ると落ちる。
「ダメぇ。来ちゃダメぇ」
(騎士団長、穴に落ちちゃったよ。怒られるかな。地獄の訓練始まるかな。謝って許してもらおう」
「女神よ!俺も数々の歓迎を受けたが、ここまでの歓迎は初めてだな!落とし穴に俺を落とすとはな」
「すみません!ケイトが穴を掘らせたんです」
「穴を掘ったのは女神本人だ」
「ほお。女神も穴を掘るのか?訓練は足りているのか?」
「はい。私自身も兵士同様、厳しい訓練をしています」
(だから、地獄の訓練は要らないよ)
「わはは。しかし、良くあれだけ掘ったものだ。良くできてる。」
「ありがとうございます。あそこは油が流し込める様になっています。穴に落ちた敵を燃やしてしまおうと」
「お前、女神だろ。残酷だな!俺でも引くぞ!」
「それで、団長自ら赴いて頂くとは何か特別な御用向きが?」
(その御用って訓練とかじゃないよね)
「いや、俺も戦いたくなってな。たまには、人の戦い振りも見ておけ」
「はい。ぜひとも、勉強させてください」




