街の発展に寄与
農家の方は順調だけど、街の発展はね。だって私、素人だし特別なこと出来ないし、見守るだけなんだよね。
一応、カズトを連れて商人の所へ。
商人は早くも、新商品を売り出していた。
商品は「鉢植えの花」だった。
「あの。これ菊ですよね。菊だったらどこにでもあるけど、女神は詐欺かって言われない?」
「この花は特別な品種です。ガーベラと言われています。花言葉は「希望」「前進」。女神様にぴったりです」
カズトが賛同する。
「なるほど、この花を女神のイメージとして、購入者にイメージを植え付けるんですね。菊の花の方が親しみがあって良いですね」
「そうです。一度親しみが沸けば、次からの商品が売りやすくなります。」
「でも、どうやって人や物、商人を集めるの?」
「これほど、美味しい商売を見逃す商人はいません。今も注文が殺到しています。この街に商人がこぞって集まるでしょう」
「真似してガーベラを売る人出て来るんじゃないの?」
「イメージを植え付ける目的ですから、この国中、ガーベラで溢れても良いと考えています。なお好都合です。ちなみに私が売る本物は、女神の刻印が入っています。」
私とカズト君は私がモチーフになっている刻印を見た。
「これ私?ちょっとだけ実物より可愛いね」
「そうだね。随分美化している。これこそ、詐欺って言われそうだよ!」
(カズト君。君も乙女心、わからない人なのか!)
「やっぱり後は道路整備だね。交通網引かなくちゃだね」
「その通りです。この街に物の出入りが多くなるからには、道路が必要です」
「カズト君。王都に行くよ!宰相と交渉だよ!」
宰相は私に会うなり、顔を引きつらせていた。ヤバイよ。怒られる時はいつもこうだ。
「女神!ちゃんとお金を返すつもりはあるのだろうな!色々聞いておるぞ。」
「今しばらくお待ちください。必ずや。必ず」(多分ね)
「それで、今回は何の様だ。まさか資金を無心に来たとかではあるまいな!」
「そのまさかなのです」
「却下だ。帰れ!」
「私は今、敵国から自国を守る為、その前線基地となる都市を作ろうとしています。そこに食料や物資を集め、いざという時に備えるのです。」
「それは、理にかなっているがお前の領土だけ特別扱い出来ぬ」
「お国の為にございます。今回は他の領地に関わること。その為に参ったのでございます。」
「ほほう。聞こう!」
「結論から言うと、私の領地と王都を結ぶ道路整備を願いに来ました。出来れば、兵がすぐに集まれる様に他領地との道路整備を進めたいのですが」
「小賢しい。自分の領地の商業都市とする為に道路が欲しいのであろう。案としては、検討できる。ただし、お前の領土が栄えるんだから、お前が資金を出せば良い」
(この宰相って世知辛い人だ。負けてたまるか)
「いえいえ、お国の仕事かと思われます。私も少しだけ、資金を提供しますので何卒お願いします」
「じゃあ、折半って事で」
「いやいや、1割程度しか、私如きではとてもとても」
「4割出せ。女神商品で儲けるのだろう」
「1割五分。道路周辺の盗賊狩りもしますので」
「3割だ。盗賊を狩る盗賊だろう。お前らは」
「2割。女神軍が一日も早く戦場に馳せ参じます」
「2割五分。もう譲れない。お前の借金に足しておくから必ず返せ!」
(ふう。こんなもんかなと)
「それはそうとこの鉢植えだが…」
「すみません」
「随分と美化されているな。お前が市民の前に現れたら市民が残念な気持ちになるぞ。金返せって言われても泣きつくなよ!」
(この宰相と仲良くなれる気がしないよ。もう!)
これで冬の間も仕事が出来たよ。領民のみんな、がっぽり稼いでね。春は春で苺とか売りたいな。何より私が美味しい苺を食べたいから。
領主って苦労が多いけど良いもんだね。




