最終決戦 直前!
敵国が決戦を挑んで来た。我が軍は当然迎え撃つらしい。戦火を長引かせても両軍ともにメリットはない。
作戦会議が開かれた。
敵は負ければ後がない。敵は背水の陣で臨んでくるに違いない。一方で我が軍は連勝続きで浮かれ気分だ。簡単に勝てるものと思っている。
(私はね、何度も危険な目にあってるんだよ。いつ負けてもおかしくない状況だったんだよ)
軍師はわかっているようだ。我が軍に「負けフラグ」が立っている状況であることを予期している。
軍師は私のことを単なる幸運の女神とは考えてないらしいしね。この前、呼び出された時はヒヤヒヤしたよ。
軍師はこの戦いにおいて、前線を広く横に広げて臨むつもりだ。ちょうど、鶴が翼を広げたような布陣だ。
この布陣は、突撃に滅法弱い。
一箇所でも崩れれば、敵が雪崩れ込み、本隊突撃や背後からの攻撃も可能になる。
特に中央部が崩された場合、目も当てられない。
(嫌な予感しかしない)
やっぱり来た!私の隊が中央部だ。
私は敵に相当恨まれているらしい。敵の目標で、さらに賞金首の私を目掛けて敵が押し寄せてくるだろう。
敵が雪崩れ混むところを囲んで叩くという作戦らしい。
それは、私が倒されたら終わりだよ。作戦として成り立ってないよ。私って弱いんだから!
「一騎打ちの申し出は全て補佐にやらせろ。貴殿が出る必要はない。そこは女の利点だ。さらに、敵を集めるために、女神の旗印を用意した。戦場で活かせ」
その旗って要は囮になれって事よね。私が地獄の訓練で苦しんでる時に何をしてくれちゃったのかしら。これがイジメだよね。出る杭は打たれるって事?
「もう、やるっきゃない。作戦を覆せる訳がない。
やれば、出来る!自信は持てないけど」
みんな、私の演説を聞いて!
私は隊を前に歩み、「女神の旗」を掲げる!
兵達からどよめきが起こる。
「全員、よく聞け!」
「どうやら、私は敵にとって最高の的になった!」
「みんな、女神を守れるか!」
「当然です。」「当たり前だ!」
「よし!我が隊は光栄にも軍の中心を担う!期待は大きい。これ程の栄誉はあるまい!全員でこの旗印を守るんだ!」
「おおおおおおおお」
「まだある!よく聞け!」
「私はこの旗印を敵本陣に立てたい!お前たちと一緒なら出来ると信じている。私の期待を裏切るな!女神の天罰は恐ろしいぞ!」
「おおおおおおおお」
「やってやる!」「みんな、やるぞ!」
「おおおおお!」
言ってしまった。だって悔しいじゃないか。軍師の言いなりなんて!軍師を見返してやりたい!
ケイトが珍しく感激している。
「素晴らしい演説だったぞ!俺が女神を守る。その旗を敵本陣に持ってってやる。勇気をくれた事に感謝だ」
(感謝はいいけど、決闘は嫌だよ)
軍師め、見てろよ!その鼻へし折ってやる!
私はただの鼻ぺちゃじゃない事を教えなくちゃね!




