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地獄の訓練 再び

またもや、呼び出しだ。今度は軍師様からだ。しかも、ケイトも一緒。ケイトは着いて来る必要ないのに!毎回、心臓に悪い。きっと怒られる。


「中隊長、貴様、搦め手から敵の軍が押し寄せて来る事がわかっていたな!」

「すみません」

反射的に謝ってしまったじゃないか!


「貴様が、搦め手に居なかったら我が軍は全滅していた。礼を言う。しかし、あの作戦の弱点をよくも見破ったものだ。貴様に興味があってな。聞けば、その前の手柄もその方が起因してると聞く。疑問に思ってな」


「前回は、部下に恵まれた事と運が良かった為です。今回は皆で話し合ったまで。私が女性である事で敵が油断したところに付け入る作戦が嵌っただけです。私個人の力ではありません」


「では、はっきり言おう。搦め手から敵軍が来る事など、初めて戦に来たものではわかるはずない事だ。私は何かあると踏んでいる。無理に聞くまいが覚えておけ。これからもおまえの隊には重要任務がいくぞ」

(イヤですってすごく言いたい)


今回も勲功を挙げ三階級特進だ。今度は仲間内から白い目で見られちゃうかも。イジメられたくないから。


それより、部隊のみんなに会いたい。お礼を言わなくちゃ。

あっ。いた。騎士の方々。私の様な若輩者の言う通りにしていただきありがとうございます。騎士の皆さんは揃って出世したので、感無量ってとこらしい。


一般兵達は?外にいるらしい。

そうだよね。500人近くいたら、全員揃ってたらとんでもないよね。

とんでもない事になっていた。500人近い宴会をやっている。

私はコソコソ近づいた。なにを話しているのかなと。

「敵さん。うちの女神を鼻ぺちゃの魔女だってよ。そりゃ 怒るわな」

(ねえ。今、私もムカついたわ!許せない)

私はその兵卒の首を腕で締めて落とした。みんな驚いてる


他の場所行ってみるか、鼻ぺちゃとか言ってたら落としてやるわ。

「敵の大将がさ…」あっ。また言ってる!

「ぺちゃパイの魔女って言ってたっけ?」

「おい!君たち。なんの事かな?」


「えっ隊長は凄いって話です。決して胸の大きさではないです。」「鎧もよくお似合いで素晴らしいって」

「おい!君たち墓穴を掘ったぞ!」

私はまた近くの兵卒の首を締めた。

「ぺちゃパイとは誰も言ってないよね。絶対言ってないよね!そんな話したら呪うよ!これから成長するんだから!」


私は応援してくれた人にありがとうって言いに来たのに、兵卒の首を締めて回る羽目になった。

次の日から、我が中隊では「ぺちゃとか鼻に関する事は禁句になったらしい」女神の呪いを恐れての事らしい。


ケイトが私に話かける。

「あの軍師の話だと、我が隊の責任は重く、死地を任されるな」

「うん。出来れば、一般兵達は多く生き残って欲しいけど」

「俺に考えがある。俺も自分の兵に死んで欲しくないんだ」

脳筋のケイトの考えって、どうせひとりで敵将に突っ込むとかでしょ。どうぞ止めないよ!

「任せるよ。一人でも多くの兵に生き残ってもらいたいし」


ケイトめ、全員を集めて何をやらせるつもりだ。

「貴様ら!よく聞け!女神のお達しだ!」

今日より10日間、地獄の訓練を行う。脱落者には女神の加護はないと思え!この訓練は熾烈だ。覚悟せよ!」


(それはダメだよ。脳筋ケイト。半分の兵士がいなくなっちゃうじゃないか!)


「なお、この訓練には女神も参加する。一人でも多く、救うために鍛えたいとの事だ。貴様ども、男の意地を見せろ!女神に負けたら、男の恥だと思え!」

「おおおおおおおお」


(おい!脳筋野郎!聞いてないぞ!絶対嫌だよ。あれは本当に地獄なんだ!私には手を抜いてくれるよね)


地獄の訓練が開始された。3日目たっても30人しか減っていない。私が脱落しそう。脱落していい?隊長だけど!

5日目で50人減った。おかしいぞ。こっちの方がきついのに。私だって、気を失って二度も水をかけられたんだぞ!

一番キツイ7日目だぞ!トータル100人しか減っていないじゃないか?これって騎士の訓練よりもキツイんだぞ!


ここまで来ると隊長とかって肩書きはどうでも良い。自分を鍛えて兵士を生かす?勝手に死ねば!ただ、あのケイトだけは許せない!「ケイト殺す」って呪いの言葉を吐き続けるだけだ。

とうとう10日の朝、あの山に登れだとぉ?無理だろ。えっ?人間と同じ重量のものを背負ってだと。殺す気か?


もう後にはひけない。私は、得意の演説をする。

「みんな、聞いてくれ!」

「この訓練が、終わったら、憎っくき鬼神をみんなで殴ろうじゃないか?」

「おおお」元気ないね。やっぱり。

「なんとしてもやり遂げて、鬼神をボロボロに殴り倒すんだ!やるぞ!」

「おお。」大丈夫かな?元気出して!


私はその鬼神を背負って山に登る。

「この山の頂上は、広い台地になってる。何百人も休めるぞ!」「なぜ、知ってる」

「俺は何度も駆け足で荷を背負って往復してる。今回の訓練は全て俺の基礎訓練だ。大したことない」

「貴様。人間じゃないな。バケモノと人間を一緒にするな」

「大丈夫だ。このくらいでは、人は死なない」

私の頭に水をかけやがった。この鬼神は許せない!


「ケイト死ね。鬼神殺す」私は呪詛をつぶやく。

「もうすぐだ。これで地獄の訓練が終わる」


頂上に次々と兵士が辿り着く。立っているものは誰もいない。

ケイトが訓練終了を告げた。

「貴様ら、よく頑張った。この経験を戦場で活かせ!」

「以上で訓練を終わっ…ブッ」


私は話の途中で不意をついて、ケイトの顔面を思い切り殴った。

「みんな聞いて欲しい。恨みを張らせ!今だけは鬼神を殴って良い!。近くの騎士も殴って良い。怒りが収まらないなら、誰でもいいから殴れ!スッキリするぞ!」


乱闘が始まった。

数人でケイトに殴りかかる。

「ちょっと待て!」ケイトめ焦っているよ。いい気味だ!

みんな楽しそうに殴り合いしてる?相当溜まってたんだろうね。

「そうだ。そうだ!スッキリするんだ。怪我したものは私が癒す。ケイトをボコボコにしてしまえ!」


次の日、私の中隊はみんな顔が腫れていたが、満足感いっぱいの笑みを浮かべていた。落伍者に可哀想な事したね。怪我で落伍した人もいるのに


ただ、私の隊は絶対ヘコタレない。最強の部隊だ。

みんな自信をもってイイぞ!



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