【7】女流棋士達からの視点
「ねぇayumuって知っている?」
「最近ネットでよく現れる謎の棋士だよね」
「誰なんだろう?棋力を見る限り絶対にプロだよね」
「間違い無いよ」
ここは若手棋士が集まる研究会だ。
プロと奨励会の有段者が中心だ。
「なになに?何の話し?」
「最近ネットに出てくるayumuって棋士の話し~」
「私も知ってる!強いよね」
「え~私知らないんだけど」
「え~、村松先生知らないですか?」
「私最近ネット将棋しないからな~」
「この時間帯だったらログインしてるんじゃない?」
「そうかも」
将棋倶楽部25のサイトにログインされる。
「え~と……ayumuっと……おっ、居る居る♪」
「村松先生、ガチコンと一発かまして下さいよー」
「OK♪頑張って見るよ」
マッチングが成功する。
初手7六歩~横歩模様だ。
「へぇ~、横歩取ってくるんだ。本格派の居飛車党なんだ」
「村松先生相手にどれくらい指せるのかな?」
「結構良い勝負になるんじゃない?」
「いやいや、村松先生プロの六段だよ」
「トップ棋士しか勝てないよ」
数分が流れる。
「負けました……」
「えっ?村松先生が負けた」
「嘘でしょ?」
「クリミスとかでしょ?」
「……強いわ、普通に負けたわ」
「ayumuって何者なの?」
この日ayumuはプロ棋士達から一目置かれる存在となった。




