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あべこべ世界で~プロ棋士として生きる~  作者: 田中悠平
第3章 あべこべ世界で~プロ棋士編~
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地味だが強い棋士

田中尚美六段、この名前を聞いてどんな棋士か答えられる人は余程の将棋通だろう。

今年で32歳、プロ入り10年目の中堅棋士だ。

順位戦法はB2組、竜玉戦は4組。

タイトル戦には縁がなく、残念ながら華のある棋士では無い。


そんな彼女が桐島歩のJapan放送局杯の準々決勝の相手だ。



「日曜日の一時いかがお過ごしですか?」


司会の挨拶から、全国の将棋ファンが楽しみにするJapan放送局杯がスタートする。


今回も注目度の高さから生放送だ。


「本日の対局は田中尚美六段と桐島歩四段の対局をお送りします。解説は黒木若菜八段です。宜しくお願いします」

「お願いいたします」

「黒木八段は田中六段と同じ加藤貴子門下ですよね?」

「そうですね。私が姉弟子になります」


加藤貴子九段、あゆむがプロの初戦で対局した重鎮だ。


「田中六段はどんな方ですか?」

「もう真面目で、趣味も将棋と答える様な将棋の虫ですね」

「今日は頑張って欲しいですね」

「相手が今一番勢いのある桐島四段ですからね。良い対局を期待しています」

「それでは対局のインタビューをお聞きしましょう。まずは先手番となりました桐島歩四段です」



「まずは対局者の印象からお願いします」

「攻守にバランスが良く、隙の無い将棋を指されるイメージです」

「今日はどのように戦いますか?」

「相手にペースを渡さないように、積極的に行ければと思います」

「ありがとうございました」




「桐島四段、積極的にとの事でしたが」

「そうですね、元々攻撃的な棋風だと思いますので、いつも通りと言えばいつも通りですね」

「続きまして後手番となりました田中六段です」





「まずは対局相手の印象からお願いします」

「はい、桐島四段ですが今一番勢いのある棋士だと思います」

「本日の意気込みをお願いします」

「殆どの方は桐島四段を応援していると思いますが、その期待を裏切れたらと思います」

「ありがとうございました」




「田中六段のインタビューでしたが、どうだったでしょうか?」

「いつも通りでしたが、どこか燃えている様でしたね」

「では、読み上げの城野さんお願いします」



「時間になりましたので、先手桐島四段の先手でお願いします」


「宜しくお願いします」

「宜しくお願いします」












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