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あべこべ世界で~プロ棋士として生きる~  作者: 田中悠平
第3章 あべこべ世界で~プロ棋士編~
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B1シード棋士

(どうしてこうなった?)


盤面を見ると僅か数十手で局面は戦いが起こっている。

時間にして僅か15分程だ。


(局面は悪くは……無い。だが指しにくい……)



『藤堂システム』前世には存在しなかった戦法だ。

勿論勉強している、しているが指しにくい。


(桐島君、顔に出しちゃ駄目よ。私達もプロ棋士だもの仕事の殆どは研究と分析よ。あなたが得意な戦法、苦手としている形がそろそろデータが集まって来ているわよ)


桐島歩がプロとして3ヶ月と少しが経とうとしている。

その間10局対局をこなし、プロ入り10連勝を記録して世間の女性ファンを歓喜させている。


しかしそれは、力が落ちてしまったベテランや、同じぐらいの力の若手棋士達との成績だ。

ここまではっきりとした格上と対局するのは公式戦では、はじめてである。


(流石、B1級で予選をシードされた棋士だな……)


現在168名がプロとして登録されている。

そして、その168名が順位戦を1年かけて戦っている。

これは名人戦の予選と思っても良い。

上から

【名人 】⬅白石みずき

【A級10人】⬅桐島銀子、天王寺美佐

【B1級13人】⬅松村林檎

【B2級】

【C1級】⬅天王寺めぐみ

【C2級】⬅桐島歩


こんな感じでピラミッド構想になっている。

サッカーで言う所のJ1,J2の様なものだろうか?


ちなみにプロ入り後は全員C2からスタートするので、どれだけ早くても名人になるまで5年はかかる事になる。


段位は下がる事は無いため、今現在の強さは段位よりも、こちらの所属の級で見れば今どれくらい強いのかわかる様になっている。

このJAPAN杯はB1級以上の棋士はシードされている為、どれくらい、桐島よりも松村の方が格上なのかわかって貰えただろうか?



盤面に話を戻すとやはり、松村の方が良いようだ。

ここで解説の方に画面が切り替わる。


「序盤から激しくなりましたね」

「ええ、予想外でしたね」

「戦形は藤堂システムでしたね」

「ええ、ただの藤堂システムじゃなく、松村さんのオリジナルも混ざってましたね」

「今の局面はどちらが優勢でしょうか?」

「そうですね~……私なら松村さんの方を持ちたいですね」



その頃画面の前では


「あゆむ君頑張って」

「あゆむ様に私の一生の運を」

「あゆむ様が勝てるなら、死んでも良い」

「今からドラゴ○ボール7個集めてきます」



とりあえず全力であゆむを応援している様だった。




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