表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あべこべ世界で~プロ棋士として生きる~  作者: 田中悠平
第3章 あべこべ世界で~プロ棋士編~
44/61

先生と呼ばれる様になる。

『桐島歩四段』『桐島歩先生』何度聞いても良い響きだ。

家でこっそりサインの練習もした。


「書道習おうかな~、名刺も作らなきゃな~」


浮かれて鼻歌を歌っている。


「お兄ちゃんって結構歌下手だよね」

「そう?私には天使の歌声に聞こえるけど」


母と妹もいつも通りだ。


「ねぇ、お兄ちゃん!それでプロ初戦の日程は決まったの?」

「決まったよ。12月24日だよ」

「「ええー!!」」

「どうしたの?」

「どうしたの?じゃないよ。クリスマスじゃん!イブじゃん!」

「別に彼女居ないし、関係無いよ。それより香は彼氏とか居ないの?」

「えへへー、お兄ちゃん彼女居ないんだ~。お母さんやったね」


母は無言で天に拳を突き上げている。

何やってるんだ、この人は……


「お兄ちゃんの初戦(はじめて)奪うピー(放送禁止用語)って誰~?」

「竜玉戦6組で加藤貴子9段だよ」

「竜玉っておばあちゃんが持ってるタイトルだよね?」

「そうだよ」

「じゃあ、もし勝ち進んだらおばあちゃんと戦うの?」

「そうなるね、そのときはどっちを応援す『お兄ちゃん!『あっくん』る?」


「おばあちゃん聞いたら泣かない?」

「あのおばあちゃんなら大丈夫」

「でもお年玉貰えないね」

「うがー!」


頭を抱えて机に突っ伏している。

今年はプロになったしお年玉あげるか。


「ああ、お兄ちゃんのプロマイド買えないよー」


やはりあげなくていいや。


「あっくん、加藤貴子9段って確かかなりご高齢よね?」

「うん。将棋界最高齢で確か72歳だったかな」

「ならいっか!」

「何が?」

「だってクリスマスイブにあっくんと1日中過ごせるなんて、世界一の幸せ者じゃない。若い女だったらって考えただけで」


何だかオーラの様な物が見えた気がする。


「25日はみんなでゆっくり過ごそうよ」

「「あ・た・り・ま・え・だよ(じゃん!)」」


プロになっても相変わらずの桐島家でした。




~天王寺めぐみ視点~


あゆむ君デビュー戦決まったんだ。え~と12月24日……イブじゃん!

いやいや、落ち着け、24日に対局って事は他の女とデートの線が消えただけでも良いよね……

25日は用事あるのかな?

前の日の対局の検討しようって誘ってみようかな。

いやいや露骨過ぎるだろ……

おうふ。


プロ棋士編も宜しくお願いします。

皆様のちょっとした時間潰しぐらいにでもなれれば幸いです。

のんびりがんばります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ