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あべこべ世界で~プロ棋士として生きる~  作者: 田中悠平
第2章 あべこべ世界で~奨励会と高校生活~
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運命の1日

「本日は全国的に雨になるでしょう」


テレビに映るお天気お兄さんが天気を伝える。

この世界では天気予報は高視聴率らしい。

朝から爽やかな男を見ると仕事がはかどるそうだ。

俺も前の世界ではお天気お姉さん好きだったな、バカな事を考えながら朝食を取る。

いつもと変わらない朝。

しっかりと眠れたのか、頭も冴えている。


いつもうるさいぐらいの妹も母さんも気を使っているのか、それとも本人達も緊張しているのか静かだ。


「じゃあ行ってきます」

「行ってらっしゃい」


今にも雨が降りだしそうな空の下、1人将棋会館に向かう。

いつも周りの女の人の視線やひそひそ話が気になるが今日は気にならない。

もしかしたらこの世界に来て初めて、あべこべの世界に来たという事を忘れている。


師匠である祖母の桐島銀子は一貫して何も言って来ない。

指導方法は色々あるがここまで無干渉なのも珍しい。


ただ昨日電話が掛かってきた、珍しい。

一言だけ言ってすぐさま電話は切れた。


「勝ちなさい。敗けて得る物もあると言うが、だけどね、勝たなきゃ得られない物もある。こっち側(プロ)に来なさい」


人生でトータルで見れば敗けて得る物もあるが、勝負の世界、勝って得る物の方が圧倒的に多いと思う。


雨が降りだす前に将棋会館に到着した。


「おはようございます」

「おはよう」


いつも緊張感に包まれているが、今日は特別だ。


いつも話し掛けてくれる、姉弟子のひふみさんも金城さんも、緊張しているのだろう今日は自分の世界に入っているようだ。


「あゆむお兄様、一緒に昇段しましょうね」


両手を胸の前でふんす!と気合いを入れている。

この子はいつも通りだ。

まだ挫折をしたことがないので緊張していないと思っていたが、

胸の前の腕が震えている。

ああ、そうか緊張しない訳ないよな。

この子もプロを目指しているんだ、半年間頑張って来たんだ。


「うん、頑張ろう」


三段リーグ17回戦が始まる。


桐島あゆむ三段 対 出川茜三段

星野キララ三段 対 金城やまと三段

秋田一二美三段 対 天王寺ひとみ三段






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