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あべこべ世界で~プロ棋士として生きる~  作者: 田中悠平
第2章 あべこべ世界で~奨励会と高校生活~
31/61

上位混戦

誕生日を迎え16歳になった数日後。

三段リーグ第9、10戦が行われる為に将棋会館に訪れた桐島歩。

「あゆむお兄様、調子良さそうですね。一緒に昇段しましょうね」


お兄様と慕ってくれている星野キララ12歳だ。


三段リーグ対局表を確認する。


金城やまと 29歳 8勝

秋田一二美 19歳 8勝

天王寺ひとみ16歳 8勝

ミア ワトソン16歳 8勝

武者野ひかる16歳 7勝1敗

星野キララ 12歳 7勝1敗

桐島 歩 16歳 7勝1敗



上位7名が勝ち星の1差で競いあっている。


「今年は凄い事になってますね」

「黄金世代ですかね」

「安定感抜群の秋田君に、あの天王寺家のひとみ君、元チェスの世界王者ミア君、天才キララ君、アイドル武者野君、そして男性棋士桐島歩君」

「金城君はもうこれが最後ですからね」


奨励会は26歳で退会だが、勝ち越しを続けると29歳まで延長出来る。前の世界の桐島歩は勝ち越しが出来ず退会。


「立場的にこんな事言っちゃ不味いけど、金城君には頑張って欲しいですね」

「ええ、金城君は間違いなくトッププロレベルですからね」

「どうして、抜けれないのか本当にわからないです」

「去年も天王寺めぐみや秋田君等強豪に全て勝ったのに……三段リーグの魔物から抜け出せずにいる」

「そういう意味では折り返しの中日、今日がターニングポイントになりそうですね」

「ええ、何の因果か、上位人通しの対局だからね」


~控え室~


「あゆむ君、今日はミアさんとですね。外国人初のプロ棋士と男性初のプロ棋士誕生どちらも話題ですね」

「あゆむお兄様が勝つに決まってます」

「キララちゃんは?」

「私ですか~、私は天王寺家の暴れ馬です」

「ははは。暴れ馬って」

「ひふみさんは?」

「私は金城さんです」

「無敗対決ですね。頑張って下さい」

「ありがとう。あゆむ君もキララちゃんもね」

「行きましょう」

「おー!なのです」

「何それ?」


第9局が開始する。


「宜しくお願いします」

「オネガイシマス」


戦形は角換わり、相手は桂馬を早く跳ねて来る。4五桂早仕掛けだ。攻撃力抜群で対応が難しい。

あゆむが前にいた世界でプロが対局中にコンピューターによるカンニングを疑われた戦法だ。


「大丈夫、充分対策を知っている」


(ツヨイ、セメがキレル)


猛攻を受けきる。


「マケマシタ」

「ありがとうございました」


あゆむが隣の対局を見ると、


「ありません」

「ありがとうございました」


金城三段と秋田一二美三段の対局は金城三段に軍配が上がった。


「ありません」

「ありがとうございました」


その奥で、星野キララ三段が天王寺ひとみ三段に勝った様だ。


午後の対局は上位人全て勝利し、さらに混戦になった。


金城やまと  10勝

秋田一二美  9勝1敗

天王寺ひとみ 9勝1敗

ミアワトソン 9勝1敗

星野キララ 9勝1敗

桐島 歩 9勝1敗

武者野ひかる 8勝2敗





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