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あべこべ世界で~プロ棋士として生きる~  作者: 田中悠平
第2章 あべこべ世界で~奨励会と高校生活~
28/61

ロリっ娘棋士との対局

一人の女の子がリュックを背負い将棋会館の前に立っている。

どう見ても小学生だ。


三段リーグ第5回戦が行われる為に将棋会館にやって来た桐島歩が声をかける。


「暑くなってきたね~、君一人?お母さんと来たのかな?」


女の子はプイッと音が聞こえてきそうな仕草で桐島歩を置いて将棋会館の中に入って行く。


対局表を見て自分の対局席に向かうと……さっきの女の子?


「あゆむ君今日の相手、星野キララ三段なんだ。昇段最有力の超新鋭だから頑張ってね」


姉弟子の秋田一二美さんが声をかけてくれる。


「凄い若く無いですか?まだ小学生ぐらいに見えるんですけど?」

「ええ、まだ小学6年生らしいわ。これまでの最年少で四段になったのは14歳だから……恐ろしいわね」


小学生で三段?あり得ない。天才過ぎるだろう……


対局開始時間になり対局が始まる。


序盤指し手が早い。


戦形は居飛車対中飛車。向こうの世界ではゴキゲン中飛車と呼ばれていた戦法だ。


実はこちらの世界でも中飛車は流行している。中飛車が猛威をふるい、その対策の特効薬として天王寺めぐみ七段が編み出した『めぐみワクチン』が中飛車対策の主流になっている。


『めぐみワクチン』に対する対策も出て来ている。

将棋の戦法とは、新しい戦法に対して対策し、対策、対策の繰り返しでなっている。ミイラ取りがミイラになるという事は多々ある。


ただ桐島歩はめぐみワクチンは使用していない。

採用する戦法は『超速』と呼ばれる戦法だ、こちらの世界ではまだ生み出されて居ないあゆむだけのアドバンテージだ。


『超速二枚銀』で中央を制圧し、徐々にリードを奪って行く。


これまで経験した事の戦いだが、天才児は虎視眈々とチャンスを待つ。


~三時間後~


「ありません」

「ありがとうございました」


101手で桐島歩が勝利をした。


「あゆむお兄様、ここ何ですけど、こっちの手とどちらが良かったか?」

(あゆむお兄様……?)

「あゆむお兄様?聞いてますか?」

「え?あああ、そうだね。ここは手を戻した方が良かったかもね」

「ありがとうございました。午後の対局も頑張りましょうね。あゆむお兄様!」

「そうだね。星野さんも頑張っ『キララです』

「キララちゃんも頑張ってね」

「頑張ります」


無事に?午後の対局も勝利出来た。


通算5勝1敗






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