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あべこべ世界で~プロ棋士として生きる~  作者: 田中悠平
第1章 あべこべ世界で~アマチュア棋士~
20/61

アマチュア玉将戦

『第33回全国アマチュア玉将戦』

全国の地区予選を勝ち抜いた代表と招待選手による32名の闘いだ。

4人ずつの8ブロックに分かれて上位2名の16人が決勝トーナメントに進む。

初日に予選が行われ、二日目に決勝トーナメントが行われ、準決勝と決勝はテレビ放送される。優勝者と準優勝者はプロの棋戦である銀海杯に出場出来るおまけもついてくる。


最大の目標はこの大会で優勝して三段リーグに編入する事だ。


出演者は女性31人に対して男はあゆむ一人だから当然こうなる。


「ねぇ、ねぇ、男の子がいるよ」

「ホントだ!可愛いね」

「何でこんな所にいるのかな?」

「えっ知らないの?あの御方はあっくん様よ。

「あっくん様?」

「あの桐島竜玉の孫で非公式ながらあの公式戦32連勝を達成した天王寺めぐみ五段を倒した桐島歩様よ」


ざわざわと会場がざわめく。

ちなみに会場は東京ホテルマリーンで行われている。

予選のブロック分けの抽選が行われる。

くじ引きの結果Cブロックに入る。



「えっ?あの男の子がayumuなの?」

「そうみたいね」

「アカウント名は男の子だったけど本当に男だったんだ」

「強いから女と思ってた」

「本当に自分で指してたのかな?代指しとかじゃないよね?」


やはり男の棋士は希少なので注目の的になり、少々落ち着かない。勿論知り合いも居ないので気まずくしていると


「おおー、めっちゃ久しぶりやんあっくん」


振り返ると松村林檎七段が右手を上げて近寄ってくる。


「どうも、お久しぶりです」

「うちの事覚えとってくれたんや~めっちゃ嬉しいわ。で、調子どうなん?優勝出来そう?」

「調子は良いですよ。それよりどうしてここにいるのですか?」

「ああ、そりゃー、あっくんに会いに来たんやん」

「えっ?」

「冗談やん、突っ込んでーや」

「ははは……」

「審判の一人として今日は来たんや」

「そうなんですね」

「あっ、もうすぐ始まりそうやな、じゃ、頑張ってな」

「ありがとうございます」


嵐の様に去って行った……



「ああ、どうしよう、私男の子と指すの初めてなんだけど」

「平常心よ、平常心」

「可愛いからってわざと負けちゃ駄目だよ」

「当たり前じゃない」

「さっき言ってた事本当なのかな?」

「天王寺めぐみ五段に勝ったって話?」

「うん」

「わからないけど、ayumuならあり得るかもね」


「時間になりましたので対局者は席にお付き下さい」


予選が開始される。



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