【2】家族登場
「あっくん、起きて」
寝ている俺を誰かが揺すって起こそうとしている。
誰かじゃなく間違いなく母さんだな。
「わかったよ……誰?」
そこには美人のお姉さんという言葉がピッタリの女性が立っていた。
「え~と……どちら様?」
「えっ!……あっくん?」
二人で固まっていると
「お兄ちゃん。今日は学校行くの~?」
可愛いらしい声が聞こえる。
たたた、と廊下を小走りの音が鳴り可愛い女の子が部屋のドアから顔だけ出す。
「う~ん。やっぱりお兄ちゃんの部屋は良い匂い! どうしたの二人とも固まって?」
すると綺麗なお姉さんがぷるぷる震えて
「香~。あっくんが、あっくんがママの事をどちら様とか言うんだよ~」
泣いてしまった、ママ?誰の?香?お兄ちゃん?誰の?
頭がパニックだ……
「ママ、勝手にお兄ちゃんの部屋に入るからだよー」
「あっくんごめんね。もうしないから許して」
「いや、えっ?はい……」
「ありがとう」
綺麗なお姉さんが抱きついてくる。四捨五入すると魔法使いの童貞にはそのおっぱいは反則だ。
「ママ!」
必死に妹?が引き剥がす。
「ああ~もうちょっと~」
(こちらこそ)
「駄目に決まってるでしょ!」
「もう本気でお兄ちゃんに嫌われちゃうよ」
「それは嫌だ」
二人のやり取りが一通り終わると二人に訪ねる。
「え~と俺は桐島 歩ですよね?二人は俺の家族?」
「もー、お兄ちゃんからかわないでよ」
「あっくんってば~、二回目はもうおもしろくないよ」
「「……嘘だよね……」」
「すみません」
そこから『高速の寄せ』の如く、車に乗せられ病院に直行された。
ブクマ登録と評価して貰えると幸いです。




