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あべこべ世界で~プロ棋士として生きる~  作者: 田中悠平
第1章 あべこべ世界で~アマチュア棋士~
13/61

タイトル戦を前に孫が前哨戦

前夜祭、実は一般のファンも参加出来る。


ばあちゃんこと師匠の桐島銀子竜玉は前夜祭で桐島歩を御披露目した。その結果が大盛り上がりだ。

パシパシっとカメラの音が鳴り響く。


「ヤバい!今日からあゆむキュンのファン決定」

「もうファンサイトとかあるのかな?」

「将棋やってて良かった~」

「明日から頑張れる」

「神様ありがとう」

「このシリーズ桐島竜玉応援しよう。あっくんの喜ぶ顔みたい」

「でも悔しがってる顔や泣き顔も見たい」

「それな!」


この世界では将棋ファンはほぼ女性のみだ。


「ありゃ?ちょっと予想以上だったかの……タイトル戦をあっくんの話題で喰われてしもうた」

「もー、銀ちゃん!」


そうしていると


「あっくん様の対局姿が見たい」

「私も~」

「私も~」

「私も~」


会場にあっくんコールが鳴り響く。


「う~ん、本格的にまずい事になったの~」


係員が必死に止めているが止まりそうにない。


「あっくんや、一局お願い出来るかのぅ?」

「はい。指します」

「対局相手はの~……てんちゃんの孫でどうじゃ?タイトル戦の前座として弟子の対局ってのは?」

「はっはっは。良いね、流石銀ちゃん」

「おば……天王寺先生!」

「天王寺めぐみ先生、是非お願いします」

「……本気なの?」

「はい」

「あっきゅ……あゆむ君、天王寺めぐみ四段はプロデビュー29連勝中の怪物よ!」

「ふぁっ?デビュー29連勝……宜しくお願いします」

「……わかったわ」


天王寺めぐみ四段は少し不機嫌そうだがプロとして仕事をする。

この世界ではまだ男が四段以上つまりプロになった者は居ない。

男は女よ弱いとされているのだ。


将棋盤が持ち込まれ用意される。


「じゃあ私が駒を振ろうかね」

【『駒を振る』とは先手後手を決める行為、ちなみにハンデ戦は駒を振らずに駒を減らした方、つまり格上が先手】


「えっ?平手ですか?」

「そうじゃよ、大丈夫、あっくんは結構強いさ」

「そうですか……」


今度はあからさまに不機嫌な顔をする。プライドを傷つけられた様だ。


「銀ちゃん流石に平手は無いんじゃない?」

「てんちゃん、今から面白いものが見れるよ」

「面白い物?」


そう言うと銀子竜王は駒を振る。


「と、が三枚ですのであっくんが先手でお願いします」

「宜しくお願いします」

「宜しくお願いします」


対局が始まった。

ありがとうございます。

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