【1】あべこべの世界へ
好みが分かれると思いますあべこべ作品です。
「参りました」
この一言で俺の人生が終わってしまった。
大袈裟ではなく、これまでの26年間の全てを失ったと言っても過言ではない。
将棋連盟所属、桐島 歩三段、これが俺だ。
プロ棋士になるためには大きな壁がある。
四段の壁だ。プロ棋士とは四段以上であり、四段に上がれるのは年間4人だけなのだ。しかも年齢制限があり26歳で強制的に退会させられるのだ。
将棋に人生を賭けて大学にも行っていない。
これからの事はまだ何も考えられない。
「お疲れ様、お前は頑張ったよ」
師匠の労いの言葉も全く耳に届かない。ふらふらと将棋会館をあとにする。
自然と足が駅に向かう。その道中
キキッー!トラックが突っ込んで来た、こちらが信号無視をした様だ。
「ああ、俺は死ぬんだな。どうせならラノベ見たいに転生してくれないかな。勇者俺なんてな……」
その瞬間に意識が途絶える。
目を覚ますとそこは自分の部屋のベッドの中だった……
「夢だったのか?」
眼鏡をかけてスマホを探す。表示された日付を見ると……
『9月10日6:35』
どういう事だ……?俺は昨日どうなったんだ?
トラックに轢かれて無いよな……
轢かれてたら死んでるか、良くて病院のベッドの上だもんな。
あんまり良く覚えてないけど無事に家に帰って寝たんだろうな。
「トイレにいきたくなったな……昨日1日何も食べて無いのに出るもんは出るんだな」
トイレに行き用を足していると違和感が……
終わって手を洗ってる途中鏡を見ると……誰だ?
いや、俺じゃん!中学の時の!
「はっ!? どうなってるんだ!」
いや、冷静に考えてあり得ない。何で中学の時の俺何だよ……
もしかして転生?
いやいやいや……もう一度寝よう。
考える事を止めてもう一度眠りについた。
あべこべ作品が好きで自分でも書いてみようと思います。
あべこべ作品2作品目です。
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