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お疲れ
それから、数日後。
嫌で嫌で仕方ないマラソン大会が来た。本当にマラソンを作った人を呪い殺してしまいたい。
物騒なことを考えつつも、半分以上歩いて足を棒にしてゴールした。友達と駄弁りながらね。午後は授業もなく、家に帰ってゴロゴロする予定。
教室に戻ろうと、教室に続く廊下を歩いてたら、私よりも先にゴールした彼がフラフラと歩いてきた。
「お疲れ様」
なんとなく、声をかけてみた。この間とは違い、普通の声で。
「お疲れ様です」
ちょっと小さめの声が返ってきた。久しぶりに聞いたな。
「大丈夫??」
と、フラフラしてることを心配したら黙ってしまった。不審に思っていると、モゴモゴと何かを言っている。なんだろう?
「…………お疲れ様でした」
それだけ返ってきて、彼は帰ってしまった。あれ??言葉のキャッチボールが出来てない気がするのは私だけ??