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お嬢さまと従者ミネリダ

従者ミネリダ、市民商店街へ征く2

「従者ミネリダ、市民商店街へ征く1」の続きです。


 荷物運びを優先するといってきかないので、少年が仕事が終わってから案内してもらう約束を交わした。

 少年の腰巾着のようにくっついて歩くミネリダ。ふと、少年の名前を聞いていなかったことを思い出した。


「カイ、君ですか?」

「君とかいらねーから」

「……ああ、大人びたい年頃ですもんね~わかりますっ!」

「はぁ、アンタ面倒臭せえなあ」

「アンタじゃなくてミネリダです! ほら! ミ、ネ、リ、ダ!」

「……わあったよ、ミネリダ」

「それでいいのです」


 カイ、という名前だそうだ。あまり人の名前を覚えることを得意としていないミネリダは、ぶつぶつと連呼して覚えようとしている。


「カイカイカイうるせえよ……二文字なんだから鶏でも忘れねーぜこれぐらい」

「ああもう! 邪魔したから忘れちゃったじゃないですか!」

「いや、意味わかんない」


 身のない話を続けていると、どうやらカイの荷物の届け先に着いたようで、カイは一つの商店へと入っていった。ミネリダは商店の軒先で待ちぼうけ。

 ミネリダのあくびが7回目を発射したところでカイは商店から出てきた。


「お前暇なのか?」

「ミネリダです! それに暇じゃないです! これでも従者なんです! 忙しいんです!」

「お、おう、わかったわかったから落ち着けよ……」

「こ、こほんっ! そ、それで連れて行ってくれるのですよね、クマチャン屋へ私を」

「ああ構わねえぜ。ま、俺もお人好しだからな。お前運いいよ」

「だからミネリダですってば!」




 カイに連れて行ってもらった先には古びた商店がぽつんと建っていた。


「ず、ずいぶんと寂れてますね」

「まあ初めてこの店見る奴はみんなそう言うぜ。さ、これで俺はもういいだろ? アンタとずっとくっついてるほど暇じゃないでね俺は」

「だからミネリ……はぁ、もういいですよアンタで。その代わり、私がクマチャン買うまで付き合いないさいよ、カイは男でしょう?」

「なにが『その代わり』なんだよ……しかも男関係ねぇだろ」

「はいはいへりくつは大人になってから~、ささ、行きましょう」


 ミネリダに背中を押されてカイもクマチャン屋へと入っていった。




つ、つづく!


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