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96.世界の欠陥

爆睡をかましておはようございます。

どうやら昨日はビーネスとセラエムでめちゃくちゃ話していたらしく呼ばれることはなかった。

部屋のベッドがまじで寝心地が良かったのも爆睡の原因だな。


「リコリス、起きろー」

「…まだ寝る…」


そんないつもやってるやり取りをしているとドアが開く。


「起きたかい?」

「あぁ…まぁリコリスは半分寝てるが」

「ふむ…では起きるならこれをあげよう」

「…なにそれ」

「飴ちゃんだよ」


ゆっくりと起き上がりセラエムの手から飴を貰うリコリス。

そのまま椅子に座り飴を舐め始めた。


「では本題と行こうか」


そういえば目的はリコリスをセラエムのいるとこまで護衛することだったな。

これで依頼達成か。

…いや、その前に確認するべきことがあるな。


「この子をどうするつもりなんだ?」

「どうするもこうするも…研究に手伝ってもらうだけさ」


連れてきちゃダメだったかもしれない。

剣に手をかけ、いつでも抜けるようにする。


「勘違いさせたならすまない。まずは説明を始めようか」


そういうとセラエムはホワイトボードを持ってきて説明を始める。


「まず、私の今やっている研究は花からの解放、というものだ」


花からの解放…。

花って命の花か?

それから解放って…。


「花から解放されたとして、何になるんだ?」

「花は呪縛だよ」


命の花。

それは全ての人にある心臓と同じくらい大切な器官。

だからこそ、その呪縛を知っている。


「…花を無くした子供とかか?」

「それも呪縛のひとつさ」


ゼファーノスのスラムにいた子供たち。

彼らは花を無くした孤児だった。

花がなければ、彼らは孤児院に保護されていたのに。


「そして、いちばんの欠点は邪人化だね」

「邪人化?」

「簡単に言えば魔物に変貌することを邪人化と私は呼んでいるのだよ」


もしかしてあいつらのことを言ってるのか。

あのデーモンみたいなやつらのことを。


邪人化。

全ての種族が持つ花を持ち主が食べた際に起こる事象。

花の持ち主の魔力がそれらを全て囲い、体に吸収されることで体の構造が魔物に近しいものになるらしい。


「なんでそんなこと知ってるんだ?」

「実験したからさ。死刑囚たちを使ってね」


花を食べたら邪人になる。

何千年と生きてきたセラエムはそれを知っており、それらを実験していたらしい。

ちなみにこの世界では花を食べることは禁忌との事。


よく考えたら花ってやばいな。

自分の命の癖に色々ヤバいし。


「で、なんでそれにリコリスが必要なんだ?」

「彼女は魔王ラジアータの一族でねぇ。ラジアータ一族は魔物を操る固有魔法を使うんだ。それは邪人にも適応されるらしい。まだ実験したことがない事だったから実験をしたかったのだよ」


リコリス・ラジアータ。

この時代に生まれた魔王。

魔王は全ての魔族と魔物の中からランダムに生まれる存在らしい。

だから魔族の大陸、ランスデニックではなくあの大陸で生まれてしまったらしい。


「とはいえ、彼女はまだ幼すぎて実験をできる段階にはいないのだがね」

「まぁたしかに10歳くらいだもんな」

「何を言っているんだい?魔族は成長が遅いから、彼女はおそらく22歳くらいだよ?」


まじ?

ということで鑑定させてもらう事に。


リコリス・ラジアータ(22) 種族:魔族

HP:93 MP:0 攻撃力:83 防御力:71 素早さ:97


まじで22歳じゃん。

それに、MP0なのか。

なんか色々驚きだな。


「ということで、彼女はこちらで大きくなるまで保護、その後研究に手伝ってもらうつもりさ」


ちらっとリコリスの方を見るが、特に異論は無いらしい。

てか今まで俺魔王と旅してたのか。


「出来れば、君にも研究に手伝って欲しいんだがね」

「俺?なんでだ?」

「転生者だろう?君は。花を見せてくれればすぐに分かる」


ということで花を見せる。

赤い花、この世界で最も大事な花だ。


「やはりね。君は彼の魂の転生体でもあるようだ。彼には振られてしまったからねぇ」


セラエムの言う彼とはガベラという人間らしい。

どこかで聞いたことあるな。

…あの人か!


「ガベラってあの昔居た英雄か?」

「英雄かどうかは難しいが、一時期英雄ガベラと称されていたねぇ」


その魂の転生体ってなんで俺こんな弱いの?

神様は何を考えてるの?


「君は夢を見たりしないかい?誰かの体験のような夢を」

「あぁ…あるな」

「それは君の元の魂が共鳴した結果見えるものなのだよ」


共鳴とかどうとかはイマイチ分からないが、まぁ魂が同じだということらしい。

こちらに転生する際に混ざったのだろう。


なんか色々情報が貰えたから一旦整理しよう。


1、リコリスについて。

リコリスは普通の魔族ではなく魔王である。

だから魔物に命令ができたりした。


2、邪人について。

花を食べるとその人は魔物と同じ構造の邪人というものになる。

だから花を食べることは禁忌とされている。


3、この前の夢について。

同じ魂の転生体は夢が共鳴して見えることがあるらしい。

そして、俺は英雄ガベラの転生体であり、おそらくイリスのお父さんのタフトって人の転生体でもある。


ざっとまとめたらこんな感じか。


「君の花は不完全なんだ。この世界に無理やりねじ込むために作ったからだろうね」


どうやらまだまだ情報があるらしい。

情報過多で脳が爆発しそうだ。


「この世界には欠陥が多いからねぇ。花以外もそうさ。例えば水属性の氷。これは氷単体の属性ではなく水属性に付随されるものになってる。これもおかしいとは思わないかい?」


確かにそれは俺も思った。

だから最初にフロストが3属性持ちだと勘違いしたんだし。


「神は暇なんだ。だから無駄なことをして、要らないものを作る。私はそんな神に惑わされる世界は嫌なんだよ」

「それで、俺とリコリスに協力して欲しいと…すまん、俺は約束があるんだ」


イリスと約束したから、俺は戻らないとだしな。


「そうかい、なら彼女も連れていくかい?彼女が成長した時、君と一緒にこちらに来てくれればいいさ」

「リコリスを?」

「魔族というのが心配なら新しいマントを渡そう」


要するに子供の面倒を見たくないということらしい。

リコリスはかなり俺に懐いてるのもあるからそれも踏まえてっぽいが。


というか、俺の花を研究に使いたいらしい。

未完成の花、それは彼女にとってものすごく魅力的なのだとか。

少し考えさせてもらうことにした。

あまりにも情報が多すぎてほとんど頭に入ってこない。

明日、ゆっくり考えて結論を出そう。

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