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95.引きこもり研究者

この街すごすぎない?

魔法都市って感じかなって思ったけど、どちらかというと機械都市に近い。

てか、そもそも門の時点ででっかい歯車が回ってたりで機械感ヤバかったし。


「すげぇなここ...前の世界と比べても大差ないってか、むしろ違う方面に発展してる分すごい近未来感あるわ」

「はしゃいで変なとこに挟まらないでくださいね」


そんな感じで観光をすることに。

ビーネスは馬車を預けてくるらしい。

この街だと確かに徒歩のほうが便利だしな。


エレベーターみたいなのに乗って色々見て回る。

あの空港にある動く床みたいなのもあるし何ここすごすぎ。


そんなこんなで魔道具を売っているとこまで来た。

俺も便利な魔道具欲しい!


「らっしゃっせー」

「魔道具見せてもらいたくてきたんだが」

「そこらに並んでるよ」


すごい量置いてあるが…高い!

こりゃ手が出せませんわ。


「…見て見て、スライム」

「こら、お店のもので遊ばない」


シャボン玉を作る魔道具もあるな。


「…何それ」

「シャボン玉作るやつ」

「…欲しい。お願い」


どこでそんな頼み方覚えたこいつ。

上目遣いやめろ。


「毎度あり」


はい、買いました。

街中では使わないようにと言われたため公園っぽいところに移る。

表情がわかりづらいがかなりウキウキしているようだ。


「はい、魔力は込めてあるから息吹き入れるだけで大丈夫だぞ」

「…わかった」


そういうとリコリスは息を吹き入れる。

すると魔道具の先端の方からシャボン玉が出てくる。

無数のシャボン玉が宙に舞い、太陽の光がそれに反射してきれいに輝く。

周りにいる子供もそれらを追って遊んだりしている。

楽しそうだな。


シャボン玉1個でめちゃくちゃ楽しんだ後ビーネスと合流する。


「ずいぶんにぎわってましたね」

「シャボン玉がすごかったよ。な、リコリス」

「…うん、すごかった」


かなり遊んで疲れたのだろうか、かなりウトウトしてるな。

ということで宿屋を探すか。


「おい!俺を誰だと思ってるんだ!」


怒鳴り声が聞こえてきたな。

嫌な予感がする。


ということで寄ってみると何やら身なりがいい男性が親子に突っかかっているようだ。


「うわっ、タイミング最悪ですね...」

「あれは?」

「ドマ家のご令息のルーク・ドマって方ですね...横暴な性格で有名ですよ。絡まれないよう早く離れましょう...」


俗にいう嫌な貴族か。

Sランクの冒険者がいるこの街で横暴してるのヤバいな。


貴族の怒鳴り声がどんどん大きくなっていく。

だいぶヒートアップしてるな。


「…ユージ」

「そうだな、行くか」

「え、ちょっ」


怒鳴っている貴族のほうに行く。

子供のほうに振り上げられた拳をつかむ。


「な、なんだお前!」

「誰かは関係ないだろ。というかその辺にしておけよ」

「お前、この俺がルーク・ドマと知ってのその行為か!さっさと離せ!」


そういいながら手を払われた。

力はあんまり強くないけど…後ろの黒服が怖いな。


「ちょっと、何してるんですか…!」

「いや、止めた方がいいだろ。あのまま見てたら子供が殴られてたんだぞ」


とはいえやばいかもな。

俺奴隷にされたりするのかな。

やらかしたか?


「…隣のガキ、お前の奴隷か?いいだろう、そいつをこっちによこしたら許してやる」


何を言ってるんだこいつは。

そもそもリコリスは奴隷じゃない。

鑑定遮断用のマントがボロいからそう見えるかもだが…。


「何言ってんだよお前…」

「そしたら許してやるって言ってんだよ。おいガキ、顔見せてみろよ」


そういいながらフードに手を伸ばそうとする。


まずい、こいつが騒いでたせいで人がかなり集まってる。

こんな中で角がバレたら…。


急いで止めようとするが、黒服に抑えられてしまう。

こうなったら殺してでも止めるしかない。

そう思った時だった。


「何をしてるんだい?」


人混みの中から1人の女性が歩いてくる。

見た感じ普通の人っぽいが…。


「はぁ…今日は失礼なやつが多いな。この俺を知らないとは」

「それはこっちのセリフなんだがねぇ。そんなことより、私は何をしているか聞いたのだが」


かなり高圧的だな。

場を収めるどころか荒らしてない?


「おい、この女も捕らえろ」

「はい、ルーク様」

「たまには顔を出さないといけないってことかねぇ…仕方ない。武力で制圧するとしよう」


そういうと女性はポケットに手を入れる。

…てか着てるのって白衣か?

ということはもしかして…。


「グラビティシステム、起動」


その声とともに体が急激に重くなる。

なるほどね、俺もその術の範囲内ってわけだ。


地面にめり込む程の重さ。

下手したら潰れるんじゃないか?


「さて、誰が誰で何をしていたんだい?」

「…あの人が殴ろうとしてた」

「おや、君は…おぉ!やっと見つけたよ!ラジアータ君、どの人が付き添いの人だい?」

「…その潰れてる人」


リコリスがそう言ってすぐ体の重みが無くなった。

あと少し長かったら全身の骨が折れてた気がする。


「ア゛…カ゛…」

「では自己紹介と行こうか。私はセラエム、魔法使いと皆から呼ばれているSランク冒険者さ」


やっぱこの人がか。

てか貴族の人と黒服の人死にそうだけど大丈夫なのか?


「全く、君たちはなぜすぐに私の元へ来なかったんだい?それに魔力が登録されていない分探すのが非常にめんどくさかったんだよ」

「すみません…あの、その人たち…」

「ん?あぁ、忘れていた。君たちはドマ家のもの達だね。権力は後日剥奪するから、今日はもう帰っていいよ」


そういうと重力が元に戻ったのか急いでその場を去っていった。

あんなに威張ってたのに。

まぁざまあみろって感じではある。


そんなこんなで一件落着。

人が集まりすぎたので場所を移すことに。


「では改めて、私はセラエム。君がラジアータ君とユージ君、そっちがビーネス君で合っているね?」

「えっと、俺とビーネスはあってるけどこっちはリコリスで…」

「うん?リコリス・ラジアータ君だろう?」


え、この子貴族なの?

苗字持ち?


「ひとまずビーネス君と先に話があるから、君たちは私の用意した部屋で待っていてくれたまえ。眠くなったら寝ても構わないよ」


ということで一旦今日は休むことになる。

聞きたいことは色々あるけど、明日聞こう。

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