94.科学の国、カカロジ
ネックレスが本物だということがわかったのはいいが、ひとつ疑問が残る。
あんだけの魔力誰が込めてたんだ?ということだ。
リコリスに聞いたところイリスが毎晩込めてくれていたらしい。
そのため良質な魔力がめちゃくちゃ入っていた。
そのおかげで助かったし、会った時感謝しないとだな。
「雪なくなってきたな」
「そうですね。今の時期は雪が結構多い時期なんですが、ここら辺まで来るとカカロジの領土なので」
「もう国境越えてたのか?」
「そうですよ。門とかはフィジストリー以外には特にないですし」
フィジストリーはこの国で最も大きい都市らしい。
そこにセラエムだったりといるとの事。
「そろそろ街に寄りますか。ベッドで寝たいですし」
「近くに街があるのか?」
「温泉のある街があるのでそこに行きましょう」
温泉ってあんまりいい思い出がないんだよな。
あのカエルみたいなやつのせいで。
…名前は忘れたけど。
ということで街に来たんだが…。
「すごいな、これって街灯か?」
「そうですよ。魔力で光る灯りで夜光るんです」
すごいな、こんなのもあるのか。
というかほかの街と比べて家とかもかなり立派だな。
ということで旅館に来た。
ここはフローディア経由で来る人が沢山いるため結構賑わっているように見える。
「大人2人、子供1人お願いします。寝室は分かれてる方がいいですよね?」
「そうだな。俺とビーネスは分かれてた方がいいだろ」
「ということで布団は部屋を分けれるとこでお願いします」
そんな感じで部屋を予約できた。
ビーネスはこの後食糧の買い出しに行くということで俺は魔物の素材を売りに行く。
リコリスはこっちについて来るらしい。
ギルドに行けば何やら騒がしい様子。
「何かあったのか?」
そこら辺の話しかけやすそうな冒険者に聞けば、どうやらフローディア方面から魔物が大量にこちらへと来ているらしい。
フローディアにいた時も思ったが、やっぱり何かが起きているんだろうな。
「セラエムさんは?」
「救援要請はしたが…」
どうやらこっちには来てくれないようだ。
Sランク冒険者の戦いが見れるかと思ったけど、そんなのを考えてる余裕さえもないようだ。
まぁ俺が行ったところでなんにも変わらないだろう。
ということで素材を売って帰ってきました。
リコリスもいるから行きます!とは言えないんだよ…。
「…大丈夫だよ」
不安が顔に出ていたのかリコリスに励まされる。
申し訳なさすぎる。
一瞬でもリコリスの固有スキルなら…と考えてしまったし。
そんなことを考えていると飛行機が飛ぶような音が聞こえてくる。
空を見あげれば一筋の線ができており、その先頭になにかが飛んでいる。
数分後、大地が揺れる。
地震か?と思ったが、どうやらそうではないらしい。
合流したビーネスに聞けば、これはセラエムの遠隔魔法とのこと。
魔法使いの2つ名を持つセラエム。
世界に数人しかいないSランク冒険者。
その全貌が見えてきた。
「…ミサイルか」
「ミサイル?」
「あー…俺のいた世界で遠隔で使える爆弾のことをミサイルって呼んでたんだ。それを使ってるのかなって」
「なるほど?」
この街…国の発展具合を見るに、多分そういうことだろう。
…なんで魔法使いって呼ばれてるんだ?
まぁ会ってみればわかることか。
ということで旅館へ戻ってきた。
魔物の大群は一匹残らず殲滅されたらしい。
というか、Sランク冒険者ってもしかして全員この規模なの?
俺も転生前に天才だったら無双してたのかな…。
そんな妄想は置いといて眠りに入る。
ちなみに部屋を分けたのだがリコリスはこっちの布団に潜り込んでいる。
どうやらビーネスは冷たいらしい。
そんなこんなでおはようございます。
布団を全部奪われたユージです。
フローディアを抜けたとはいえまぁ寒いは寒い。
そのせいで俺の布団全部奪われた。
まじで寒くて泣きそう。
ちなみに温泉は最高だった。
けど、火山の温泉には勝てなかったな。
また行ってみたい気持ち半分、紅竜いるし魔物怖いし行きたくない半分。
まぁベルノに会いに行きつつ、ハーデンの墓参りで行くのはありかもだな。
…元気にしてるかな。
そんなことを考えながら用意していると、どうやら用意ができたということで出発することに。
「よく眠れました?」
「…誰かさんのせいでめちゃくちゃ寒かったよ…」
「…てへ」
こいつ…どこでそんな言葉を覚えたんだ。
まぁよしとしよう。
温泉がなかったらゲンコツしてたわ。
ということでここからフィジストリーに向かうということでしばらくは馬車にゆらされることになる。
ちなみにこの国はまじで整備されていて魔物がほぼいなさそう。
てか石畳の道ってすごいな。
馬車がめちゃくちゃ揺れるかなって思ったけど魔道具が埋め込まれていて揺れが一切ないようになっているらしい。
てかどこからそんな魔力出てきてるんだよ。
「魔物は出ないと思うので寝てても大丈夫ですよ?」
「そうなのか?」
「魔物がいる地区とかはあるんですけど、基本的に道にはいませんね」
魔物がいる地区…すごいな。
多分あれか、魔物の素材を取るために残してるってことか。
そこまで行くと家畜みたいな雰囲気が出てるな。
そんなことを考えながらぼーっと
外を眺める。
マジでこうなると暇なんだよな。
「なぁ、この道とかこの灯りって魔力で動いてるんだよな」
「そうですよ」
「めちゃくちゃ魔力必要そうだけど、何で供給してるんだ?」
「さぁ…一説によればセラエムさんの魔力ですべてを補ってるとか」
その場合化け物とか次元を超えてくるんだけど。
「それだとどれくらいMP持ってることになるんだ?」
「鑑定阻害持ちらしくて誰も知らないんですよね。仮にさっきのが本当なら1億とかあるんじゃないですかね」
同じ人間だと思いたくないな。
そんな感じで話しつつ進んで行く。
何日かの野営を挟んで門のようなものが見えてきた。
どうやらあそこがフィジストリーらしい。
「通行証の提示をお願いします」
「これです」
「…はい、確認終わりました。護衛の方は冒険者カードの提示をお願いします」
「どうぞ」
「…確認できました。そちらの方もお願いします」
そちらの方…リコリスのことか。
え、冒険者カードとか持ってないだろ。
どうすんの?
そんなことを考えていると門番の人たちが何やら話している。
なんかこの展開前にもあったな。
「申し訳ございませんでした。ユージ様とリコリス様ですね。お通りください」
これまたあれか?
Sランク権限みたいなものか。
ということで何とかは入れた。
明日はセラエムのとこ行くということで今日はゆっくりするか。




