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74.ゆったり釣り

朝日が昇るとこを見たあとはのんびりと海を眺めている。

海って広いよな。

水平線を見るとこの世界も丸いんだなーって思う。


…これってあれだっけ、高いところから見下ろしてるから、端の方が下に見えるんだっけ?

難しいことはよくわからん。

もしかしたらこの世界は平面なのかもしれない。

まぁ、どっちでもいいが。


「暇なのか?」

「あー、暇っちゃ暇だな。とは言っても海の上だとやることないだろ?話す人もいないし」


実際リコリスと喋ることはほとんどないし、誰かと話したいとかもあんまりない。

まぁそうなると必然的に暇になるわな。


「お前の子も暇そうにしてるぞ」

「リコリスは俺の子供じゃないけどな…」


そういいながら見ると服の端を解いている。


「うおぉい!ちょっと待ったぁ!」

「…暇」


暇だからと言って俺の服を分解しようとしないでくれ。

服に興味はあんまり無いとはいえ、ボロボロの服を着て歩きたいとも思わないんだ。

あと普通に予備を持っていない。


「うーむ、とは言ってもなぁ…釣りとかできるなら話は変わるが…」

「釣りならできるぞ?」


そういいながらアメリアが歩いてくる。

釣りできるのか?


「アメリアさん、操縦はいいんですか?」

「波も落ち着いているし、新入りもいるからな。そっちに経験を積ませねぇとなんだよ」


なるほど、まぁたしかにアメリアがずっと船長できる訳じゃないだろうしな。


「で、釣りやるのか?」

「じゃあやらせてもらいます」


ということで釣りへ。

釣竿を貸してくれるらしく、3本の釣竿と餌を貰ってきた。

餌はウネウネしたミミズのようなやつだ。

気持ち悪い…。


「…これ、どうするの?」

「あー俺がつけるからちょっと待ってくれな」

「ユージ、俺のも頼む」

「ゼノンは自分でやれよ…」

「釣りなんてしたことが無いから、やり方が分からないんだ」


なんか俺保護者みたいになってないか?

てかゼノンは俺より年上だろ。

釣りくらいしたことあってくれよ。


こうやって餌つけたり、他の人の面倒見てたりすると子供の時、親父に釣りに連れてってもらったのを思い出すな。

あの時の親父はこんな気持ちだったのか。


「はい2人とも。できたからやっていいぞ」

「どうやるんだ?」

「あー、ちょっと待ってろよ…」


俺の分も餌つけて一緒にやった方が良さそうだな。

ということで餌をつけ、準備完了。


「手前に落とすと船に引っかかっちゃうから奥の方に投げるんだ。こんな感じで」


そういいながら釣り糸を遠くに飛ばす。

我ながら上手くいった気がする。

キルバスに教わったのが活きてる…のかな。


それを見て2人も遠くに投げ始める。

リコリスはそこまで飛んでいなかったが、思ったより奥の方に飛んでいた。

筋がいいな、多分。


ゼノンの方は意味がわからんかった。

糸飛ばしすぎてどこに落ちたかもわからん。

どんなパワーしてんねんこいつ。


「で、どうするんだ?」

「魚が食いつくと糸を引っ張るから、ちょうどいいタイミングで引っ張るんだ。早すぎると針が食い込まないし、遅すぎると餌だけ食われちゃうからタイミングが重要だな」


ということで餌に魚が食いつくまで待機。

この時間が暇って言う人もいるけど、俺も暇だと思う。

つまり暇。


「…なんかきた」


え、まだ1分くらいしか経ってないぞ?


リコリスの方に行くとかなりしっかりしたアタリ。

そこそこの大きさの魚が期待できそうだ。


「ウォーターブローで捕まえるから、糸を引いて船の下まで引っ張ってくれ。急がないで大丈夫だからな」

「…わかった」


ゆっくりと引っ張っていくリコリス。

ほかの冒険者も暇なのか見に来ている人がかなりいる。


「がんばれ嬢ちゃん!」

「急ぐなよ!」


気さくな人が多いな。

というか、あまり目立ちたくはないのだが…。


そんなことを思っていると魚の影が見えてくる。

ギリギリまで引っ張ってもらう。


「ウォーターブロー!」


海の水を使い水の手を作る。

それを魚に向けて伸ばし、掴んで船に向かって放り投げる。

しかし、調整をミスってかなり高めに投げてしまった。


「ちょ!誰か取って!」

「任せろ」


ゼノンがそういうと同時にめちゃくちゃ高くジャンプする。

魚を片手で掴んで船に着地。

船の上では拍手が起きた。


いやスゴすぎるだろ。

どんな脚力してんだよ。

ジャンプして取りに行くとか化け物かよ。


「賑やかだと思ってきてみれば、早速連れてるじゃねぇか。誰が釣ったんだ?」

「…私」

「すげぇじゃねぇか。このまま晩飯分釣ってくれ」


冗談げに笑うアメリアとは対照的にリコリスはかなりやる気だ。

ふっ、甘いぞリコリスよ。

釣りとは本来滅多に釣れない静かなものなのだよ。


「こっちも何か引っ張ってるぞ」


ゼノンがそういいながら糸を引いている。

え、お前もアタリが来たの?

早くない?


「ユージ、手伝ってくれ」

「俺はお父さんかっての…ほら、船の近くまで引っ張ったらウォーターブローで打ち上げるから、それ取ってくれよ」

「わかった」


そういうとゼノンは糸を引いていく。

魚影がかなり近づいてきたところで再び魔法を放つ。


「ウォーターブロー!」


また魚を船に向かって投げる。

今回はかなり調整が上手くいった。

ゼノンが魚を取り、これで2匹目。

あと釣れてないのは俺だけだな。


「…ユージ、きた」

「え、またか?ちょっと待っててくれ…」

「…引っ張る」


ということでリコリスは2匹目を釣り上げた。

運がいいな。

てかこんな短時間でポンポン釣れるものなのか?


「ユージ、こっちも来た。手伝ってくれ」

「え、まじか。今行く」


ゼノンもこれで2匹目。

ここら辺が釣りやすいっぽいな。


…俺の釣竿にはアタリのアの字もないんだが?

どうなってんだおい。


1度餌を確認するが食われてすらいない。

俺の運が悪いだけか?


「…ユージ」

「またか?わかった、今行く」


リコリスは3匹目を釣り上げた。


「ユージ、手伝ってくれ」

「また?早くない?」


ゼノンは3匹目を釣り上げた。


そして日が沈む頃、2人は大量の魚を釣り上げていた。

というか俺の魔力が空っぽなんだが。

今日だけでウォーターブローめちゃくちゃ上達した気がする。


ちなみに俺の成果は0匹!

…この世界は間違っている。


「めちゃくちゃ釣れたじゃねぇか」

「これ、晩御飯に使ってくれ」

「…うん、使って」

「じゃあ遠慮なくいただくぜ。野郎ども!感謝言えよ!」


ということで晩御飯は2人が釣った魚を食べる。

自分で釣った魚って美味しいよな。

…俺は釣ってないけどな!!!

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