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66.商人と闇奴隷

チュンチュン

チュンチュン


この小鳥マジでなんなの?

この世界に来てからこいつで起きることが多いけど、そろそろ姿を見てみたい。


ということで朝ごはんを食べ、ゼファーノスを出発することに。


イリスはもう準備終わってるかな。

というか、約束覚えてるかな。

まぁとりあえずスィートピィを目標に出発だ。


宿屋の兄ちゃんに挨拶をして宿を出る。

ギルドに向かい、護衛依頼がないか探してみる。

すると、商人の護衛依頼を見つける。

ゼファーノスから港までの道のり。

しかも、Cランクなら1人でも可能らしい。


依頼を請けて、指定場所まで行く。

そこにはThe・商人といった感じの男性がいた。


「あなたがダンボさんですか?」

「あぁ、そうだ。君が護衛かね?」

「今回護衛依頼を請けさせてもらったユージです。よろしくお願いします」

「よろしく。で、早速なんだが依頼に少し変更がある」


早速変更って幸先不安だな。

行き先変更とかじゃなければまぁいいんだけど。


「といっても大きな変更ではなく、依頼の追加みたいな感じだ。報酬はその分払う」

「えっと…とりあえず聞いてもいいですか?」

「この子の面倒を見てやって欲しい」


そういうと、ダンボは1人の子供を連れてきた。

フードを深く被っているが、パッと見でわかる。

奴隷だろう。


「その子は?」

「ただの子供だ。保護…いや、闇市で買ったと言うべきか」


なんでわざわざ印象の悪い方に言い直したんだろう。

…あぁ、そういう事か。

奴隷について、前にミントから聞いたことがあったな。


奴隷には3種類ある。


1つ目は軽犯罪奴隷。

罪を犯した犯罪者が罪を償うためになるもの。

まぁ懲役みたいなものだ。


2つ目は重犯罪奴隷。

簡単に言えば死刑囚を使うもの。

どうせ殺すなら有効活用してやるって感じだ。


3つ目、闇奴隷。

闇奴隷はさらわれた子供などだ。

可哀想な、なんの罪もない人達。


多分、この子は闇奴隷だ。

ダンボが闇市と言い直したのも、闇奴隷と認識させるためだろう。

何のために?


「君は?」

「…」

「この子はリコリスだ。人見知りだからあまり喋らないかもしれないが…依頼、頼まれてくれるか?」


うーむ、どうしようか。

まぁ俺に不利益があるわけじゃない。

それに、面倒を見るだけでいいのなら楽だし。

ただ、問題があるとするならこの子が闇奴隷ということだ。

闇奴隷の所持がどれくらいの罪に当たるか次第だが…。


ダンボの顔を見るに事情がありそうだ。

俺が依頼を請けて本当に良かったな。

感謝しろよ。


「わかりました」

「…恩に着る。では、出発しよう」


闇奴隷か。

難しいな。

事情があるとはいえどう接するべきか。


「リコリス…であってる?名前」

「…」


馬車に揺られながらリコリスは小さく頷く。

名前はリコリスであっているようだ。


「一応聞いておくんだけど、ダンボ…商人の人に暴力とかはされてない?」


そう聞けばリコリスは小さく頷く。

となるとやっぱりなにか事情があるようだ。

闇市で買ったのではなく、保護したと考えるべきなのだろうか。

闇奴隷自体の存在がよくないものだから、それを保護したならいいものなのではないか?

まぁ、俺が考えている以上に深刻なものなのだろう。


そんなことを考えていると魔力探知が反応する。


「魔物がいるので、道を変えるか先に俺が行って討伐するか、どうしますか?」

「それなら、リコリスを連れて一緒に討伐してきてくれないか?道を変えるとなるとかなり距離が伸びる」

「わかりました。リコリス、行こう」


ダンボはそういうと一時的に馬車を止めた。

一応俺が離れている間に魔物が来ないように魔道具、魔物が嫌いな匂いを放つものを馬車に振りかけている。


ということでリコリスと共に先に行くことに。

この子が何なのか、それは深く聞かない方がいいだろう。

というか、暗黙の了解みたいなところがある感じがする。

ダンボ自体自分が善人だとは思っていないから買ったという表現をしたのだろうし。

まぁ、知るべきと思ったら聞けばいい。


そんなことを考えながら先に向かうと何やら魔物が肉を貪っている。

貪られているのはうさぎ…おそらくジャッカロープだろう。

囲ってる奴らは…。


コボルト

HP: 67 MP:48 攻撃力:111 防御力:73 素早さ:91


強くは無い、むしろ弱い。

ステータスだけ見たらジャッカロープと同じくらい、なんなら素早さが遅い分こいつが単体で勝つことは不可能だろう。


コボルトの数は6、1匹のジャッカロープを貪り食い、食い終わったかと思えばこちらを見てくる。

数多すぎだろ。


「リコリス。連れてきてなんだが、そこで見ててくれ」


個は弱い。

群れで戦うことでその脅威を発揮してるのだろう。

1体ずつ狩る。


「ファイアアロー!」


火の矢を放つ。

しっかり狙って、コボルトに刺さる。

運が良かったようで2体に貫通し、残りの数は4となった。


向かってくる4体。

正面からぶつかれば手が足りなくて攻撃を食らうな。

なら、防御を前提にしなければいい。

ゴブリン4体を斬った時みたいにすればいい。


剣を構え、弧を描くように振る。

こちらに突撃してきたコボルトはそれを避けることができず、真っ二つに斬り裂かれた。


あの時は適当に剣を振り回してたけど、ちゃんと考えて剣を振れてる。

とは言ってもコボルトだし、ゴブリンと大差ないからあんまり成長は感じないが。


魔石だけ回収し、死骸を処理する。

斬った後思ったけど、上下に分裂ってやっぱグロいよな。


リコリスの方を見ると死骸を凝視している。

どういう感情なんだこの子は。

しばらくすると馬車がこちらにやってくる。


「すみません、まだ処理が終わってなくて」

「ならここら辺で今日は休むとするか。俺はそっちの用意をしているから、それが終わったら手伝ってくれ」


ということで今日はこの辺りで野営をすることに。

ダンボは商人だが、料理もできるとの事でそっちもやってくれるとの事。

リコリスの方は特にやることがないのか死骸の処理を眺めている。


「…見てて面白いか?」

「…あんまり」


喋ったぁ!

…喋れるのか。

いやまぁ喋れないなんて一言も言ってないしな。

てか面白くないんかい。

面白くないだろうけども。


ということで死骸の処理も終わり晩御飯へ。

最近魔物の死骸見た後とか凄惨なもの見たあとでもご飯普通に食べれるようになったな。

成長なのか、順応なのか、まぁ褒められることではないかもだが。


ダンボが出してくれるご飯を食べ始めるが、リコリスがいないことに気がつく。


「あれ、リコリスは?」

「リコリスはテントの方で食べてるよ。事情があるんだ」


事情があるなら聞かないとこう。

むやみに詮索するものではないし、今は特に知りたいとは思いはしない。

ちなみにご飯は美味しかった。

俺の料理の腕前は料理大会から一切成長していない。

悲しい。

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