表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/89

59.大切な友達

野営の準備の殆どはセニーがしてくれた。


「ミントのためで、別にあんたのためじゃない」


2度目のこのセリフだが、やはりツンデレ娘かといった感じだな。

デレてくれる気配はゼロだけど。


ということで再び出発。

早く行ければフェンリルのところに着くし、遅くてももう明日には着くくらいになるだろう。


「お供え物って何を持ってきたんだ?」

「えーっと、ご飯だったり魔石だったり…色々!」


色々かぁ。

Sランクの魔物が満足するのってなんだろう。

俺の持ってるデーモンロードの魔石とか食べるのかな。


しばらく歩いていると、道がかなり険しくなってきた。

ここら辺は人工的な手は一切つけられていないらしい。


「ミント、おぶるよ」

「え?いいよいいよ、まだ歩けるから」

「道も険しくなってきたし、いいんじゃない?…変なとこ触ったら私が殺すから」


セニーが怖すぎる。

殺されたくないので普通に運ぶ。

てかそもそもそんなことするつもり無かったし…。

…なかったもん!


「そろそろ休憩にしましょう。ユージさんも疲れただろうし」


ということで休憩をすることに。


「私水取ってくるね!」

「ミントは休んでて、私が行ってくるよ」

「いいの、私はずっと休んでたし、セニーとユージは休んでて!」


ミントはそういうと川の方へと行ってしまった。

てか川の水って煮沸とかしなくていいのかな。


「ミントと船旅したって言ってましたけど、どんな感じの旅だったんですか?」


まじか、セニーの方から話しかけてくるとは。


「助けて貰ってばっかりでしたよ。オークに襲われてた時とか、セイレーンの歌に魅了されてた時とか…とにかく、沢山助けられました」


思い返せばミントがいなかったら2回は最低でも死んでるしな。

そう考えるとまじで助けられてばっかりだ。


「そうでしょうね。あの子は優しい子なので」

「セニーさんってミントとどんな関係なんですか?」

「私はただの友達ですよ。ずっと幼い頃からいた友達…」


幼い頃からいた友達…幼なじみか。

いいな、幼なじみ。

俺はそもそも幼なじみなんて居なかったけど。


「友達とは、話せる時に話した方がいいですよ」

「…そりゃ、私だってそう思いますよ」

「一緒に旅しようとかにならなかったんですか?」


しばらくの沈黙。

地雷をぶち抜いたか?

と思ったが、そういう訳ではなさそうだ。


「本当は一緒に行くつもりでした。けど、私は行けなかった。実家を継がないとだったので」


この世界なら仕事は親から継ぐみたいな感じであってもおかしくはない。


「だから、本当はミントに旅に行かないで、ずっとここに残ってて欲しかった。私のわがままですけどね。でも、彼女は飛び立って、帰ってきて、飛べなくなっていた。私が止めてればって後悔と、私がついていってたら変わってたかもしれないという2つの後悔が、今でも脳裏によぎります」


たらればの話は俺もよくする。

あの時、あの場所に配達に行かなかったら。

もっと親孝行をしていれば。

違う仕事をしていれば。


まぁ転生しても新しい出会いと旅の楽しさで俺はまだプラスではあると思う。

でも、ミント…セニーは違うだろう。

帰ってきた友達が左足を失っているのだから。


「大事なのは、今だと思いますよ」

「…そんなことわかってますよ」

「後悔するくらいなら、もっと友達を大切にした方がいい、です」


お節介だったかな。

なんか最近じじいみたいなこと言ってる気がする。

ルビアにも説教みたいな感じのじじいムーブしたし…。


「…私の方が2歳年上ですよね?本当に22歳ですか?」

「え?いや、22歳ですよ?」

「…そうですか。…まぁ、ミントのことはもっと大事にしますよ。あと、敬語別にいいですからね」

「なら、セニーさんも敬語いらないですからね」


と言った感じで仲良くなれた気がする。

大切にできる時に大切にするべき。

転生して痛いほど理解してる。

その点では俺は達観してるのかな。

まぁ500歳超えてる化け物とかもいるしあんま変わらんか。


「おーい2人ともー。水持ってきたよー」


遠くからミントの声がする。

セニーは立ち上がってミントを迎えに行き、こっちに戻ってくる。


「これ水筒に直接入れたの?」

「そうだよ、ダメだった?」

「1回熱を通さないと飲めないから、ダメだったかも。てか、水だったらウォーターで良かったかも」


そうじゃん。

なんでわざわざ川まで水を汲みに行ったんだ…。


「ありゃりゃ、やってしまいましたなぁ」

「ありゃりゃじゃなくてねぇ…まぁいいわ。もう十分休めたし、先に進みましょ?」


ということで再び出発。

なんかさっきまでよりミントとセニーの距離が近くなってる気がする。


またおぶっていこうかと思い、背中を向けたが。


「次は私がおぶってくから、ユージは荷物お願い」


と言われた。

荷物を持って思ったが、ミントの方が軽いな。

しばらく獣道を歩いていると、ある程度広い草原のような場所に出た。


「この真ん中にちっちゃな森があって、その中に祠があるからそこにお供え物を置くんだよ」

「結構距離あるな」

「森のあるところまで行って、明日森に入りましょう」


草原を歩くこと数時間、木々が生い茂る場所が目に入る。

どうやらこの森の中に祠があるらしい。

てかフェンリル俺見れるのかな。

結構楽しみなんだけど。


「今日はここで野営しましょう。ユージさんはテントとかお願い」

「結界魔法っていらないんだっけ?」

「そもそもここら辺は結界張ってあるからなくて大丈夫よ」


そういえば昨日も結界魔法の魔道具使ってなかったな。

結構歩いた気がするけど、こんなにバカでかい範囲に結界張ってるのすごいな。

…世界全体に張ってるんだっけ?

バケモンだな。

ということで明日はフェンリルにお供え物に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ