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54.到着、獣人の国ツービス

ベルノたちとわかれてしばらくたった。

ダンジョンがなくなり、本来紅竜の生息域だったここら辺には魔物がほとんどいない。

振り返ることはせず、前に進む。


久しぶりの一人旅か。

あの2人に会う前が最後だっけ。

やっぱり、旅は誰かとするのに限るな。


日が傾いてきたため野営の準備をする。

最近はほとんどハーデンが準備してくれてたから久しぶりに自分でやるな。


ご飯の味がしない。

自分で作ったからなのか、仲間の死が頭に残っているからか、もしくはその両方か。

怖かったのもある。


自分が死ぬのが怖かった。

でも、それ以上に他人の死が怖い。

俺って冒険者ってか、異世界向いてないのかな。


そんなことを考えながら布団に横になる。

ベルノの顔が忘れられない。

何となくわかっていた。

あそこでわかれれば、彼女はハーデンを追うということが。

それでも、止められない。


弱いな、俺は。


夜が明け、目が覚める。

結界の外にはシザービートルが群がっていた。

これもハーデンが処理してくれてたのかな。

それとも、火山地帯の深部はシザービートルが生息できるレベルではないのか。


とりあえず結界の外からファイアボールで焼却処分。

一応魔石も回収して再び旅路につく。


しばらく歩いていると、整備された道に出た。

あと少し歩けば火山地帯を抜けるらしい。


そうして波乱万丈だった火山の旅路が幕を下ろす。


整備された道を歩いていれば木々が生い茂る場所が見えてくる。

最初に火山地帯に入ったところよりかなり森といった感じだ。


森に入り、道を進む。

歩いていくと段々と道が荒くなっていき、最終的には獣道となっていく。

魔力探知にはいくつか引っかがってはいるが、あまり強い反応ではない。

木の上にでも虫が群がっているのだろう。


そこそこ歩いたところで日が傾いてきた。

そして、検閲のようなものをやっているのが見える。

あそこの真横で野営しちゃおうかな。


「次、そこのお前」


もう日が沈んできて周囲が赤くなってきた頃、俺の番が来る。

検閲、というか門番のようなものをしているのは獣人の男性だった。


「荷物を出せ」

「これです」

「ツービスには何しに来た」

「旅をしてて、強いて言うなら観光ですかね」

「人間1人でか」

「そうです」


荷物の確認が終わったのか、返される。


「悪いが、人間1人を旅という名目で通すのは不可能だ。引き返せ」


まじかよ。

というか、ツービスって獣人の国か。


奴隷には獣人が多い。

そしてそれらを所持するほとんどは人間だ。

だから止められたのだろう。


「いや、悪さとかしないですよ」

「するかしないかではない。俺がダメと判断した」


終わった。

ミントに会いに行こうと思ってたけどこれじゃ無理じゃん。

これ以上駄々をこねると殺されそうな気がする。

じゃあ戻るしかないか...。


そう考えていると、獣人が何かと話し始める。


「...いいのですか?...いえ、文句があるというわけでは...はっ、わかりました」


すると獣人はこちらに向き直り、こちらに話しかけてくる。


「おい人間、モミジ様から許可が降りた。ここを通ることを許可する」

「え、いいんですか?」

「理由はわからんがな。通る代わりに、リンソウまで来いとも伝えられた。いいな、必ずリンソウまで行くのだぞ」


リンソウ?と聞き返すと、ツービスの主要都市であると説明される。

リンソウにはSランク冒険者、モミジがいるとの事。


そんなすげぇ人が俺になんか用があるのか?

ギリ恐怖が勝つな。

ジオラスみたいに優しそうな人ならいいが…。


ということで通ることに成功。

どうやら少し進んだ先に街があるらしく、ここで野営するくらいならそっちに行けと言われてしまった。


少し歩くと明かりが見えてくる。

どうやら街のようだった。


もうだいぶ夜になってきたので宿屋を探し、とりあえず寝てから考えようと思い、宿屋を探す。

そこそこの大きさの宿屋を見つけ、中に入る。


「すみません、空き部屋ありますか?」

「空き部屋?あるよ…って人間かい」


明らかに声色が変わったな。

今まで会った獣人だと、ミントとカナリア家の4人かな?

それ以外にも会ったには会ったが、ほぼ話すことはなかった。

そう考えると、本来は人間が嫌われてるのかな。


一応部屋は借りることができ、適正価格で泊まれることに。

あまり心地の良いものでは無いが、まぁ宿屋で寝れるだけありがたいか。


夜が明け、朝になる。

今までの宿屋は朝ごはんがついていたためあるものだと思っていたが、別料金だったらしく頼まずに出ることに。

あんまり長居して欲しく無さそうな顔をされたので食料だけ買って出発することにした。


道はあまり整備されてはいないが、魔物があまり襲ってこないのが印象的な道のり。


と思っていた矢先、何かがこちらに近づいてくる。


ベノムスネーク

HP:77 MP:87 攻撃力:61 防御力:83 素早さ:198


かなり早い蛇だな。

ってか、ベノムスネークって名前だった?

いや毒持ち確定じゃねぇか。

噛まれたら死ぬぞ俺。


剣を構える。

ぶっちゃけ当たる気がしないから、剣である程度移動先を絞らせて範囲の広いファイアボールで焼こう。


火を纏わせた剣を振り下ろす。

当然避けられるが、避けた先にファイアボールを放つ。


「やったか!」


…フリだよなこれ。

言ってから思ったけど絶対フリだよね。


と思っていたが、焼けこげたベビが出てきたため討伐には成功したらしい。

良かった。


そう思いながら魔石を取り出す。


「イテッ」


突然、足元に痛みが走る。

見れば蛇に噛まれていた。


急いで蛇に剣を刺し引き離す。

鑑定して名前を確認すればベノムスネーク、確実に毒がある名前で草。


いや笑ってる場合じゃない。

まずい、さっさと毒を抜いて教会に行かないと。


傷口から中に入った毒を吸い出し、吐き出す。

しかし、意識が朦朧としてきた。


まじか、俺の旅、蛇の毒で終わるのか…。

意識が薄れてきた…。

まじで、最悪だ…。

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