45.追われ人
2人はベルノ・ジュシームとその付き人ハーデンらしい。
ジュシーム家は俺の言った通り没落した貴族との事。
没落した理由は深くは聞かなかった。
ハーデンの圧が怖すぎる。
「で、あなたは?」
「俺はユージです。Dランク冒険者でイシュリア出身です」
「…後半、出身地が嘘だな」
え、なんでバレたの。
いや出身地は嘘だけどさ。
どうやら嘘探知というスキルがあるらしい。
なるほどな、つまり嘘がつけないってことだ。
まぁそこまで隠す事でもないし、言うか。
ということで転生してきたことなどを話した。
「ハーデン、これ本当の話なの?」
「本当ですね…」
嘘探知なかったら信じてもらえて無さそうだったな。
てかこれが普通の反応か。
「にわかには信じがたい話ではあるが、スキルは嘘をつかない。話したくない理由もわかった。無理に聞いてしまってすまなかった」
「いや、大丈夫ですよ」
ハーデンの方は思っていたよりいい人っぽい。
とりあえずこっちの自己紹介はちゃんとしたし、追われている理由でも聞くか。
「追っ手って言ってましたけど、何に追われてるんですか?」
「殺し屋」
絶対嘘だろ。
嘘探知ない俺でもわかるぞ。
「そうねぇ…まぁ殺し屋でだいたいあってるわ。これ以上聞きたいなら教えるけど、聞いたらあなたも狙われるわよ?」
「よし、じゃあ行きましょうか!」
絶対聞きたくない。
最悪の場合命狙われるの嫌すぎる。
てか素材売りに行きてぇんだけどなぁ…。
「とりあえず、私は買い出しに行こうと思ってるのでもう少し待っててください」
「え〜それこそユージに任せて私たちは待機がいちばんじゃない?」
パシリ確定かぁ。
売るだけならまぁいいか。
「ということで、頼むわね。逃げたら…わかってるわよね?」
「行ってきます…」
本当にこの先大丈夫だろうか。
ということでギルドまで来て素材を売りに来た。
俺の分の素材をとりあえず売って、受け取った素材を取り出す。
…なんか重いなって思ってたが、魔石の数がやばい。
少なく見積っても50はあるし、なんか魔石も多い気がする。
めちゃくちゃ金を貰ってさっきの場所に戻る。
ぶっちゃけこれを盗んで逃げても良かったが、最後の脅しが怖すぎる。
あの魔石の量も怖さを加速させるし。
「あ、戻ってきた。おーい、ユージー」
「換金してきましたよ。これが受け取った分です」
「ありがと。あら、思ってたより多いわね。もしかして銅貨1枚も盗んでないの?」
「盗んだら殺されそうだし…」
ということで火山地帯に行くことに。
「そういえば、ちゃんと協力してくれるみたいだし、私たちのステータス見とく?」
「いいんですか?」
「仲間になったんだから知るべきでしょ?それに、敬語もいらないわよ」
かなり雰囲気が柔らかくなった気がする。
後ろの黒い鬼は全くと言っていいほど警戒心が無くならないが。
2人は黒いローブを脱ぐ。
どうやらあれが鑑定を阻害する魔法以外にも様々な魔力が組み込まれてるらしい。
かなり高い代物で、一般的には知られていないのだとか。
それは一旦置いといて、とりあえず鑑定することに。
ベルノ・ジュシーム(18) 種族:人間
HP:318 MP:1927 攻撃力:381 防御力:275 素早さ:427
ハーデン(32) 種族:人間
HP:815 MP:457 攻撃力:1057 防御力:1016 素早さ:373
2人ともめちゃくちゃ強いな。
Bランクのザンダーと比べてもかなり高いし、Aランクくらいあるんじゃないか?
「俺のステータスも言った方がいいか?」
「私鑑定あるから言わなくてもいいわよ。戦闘は期待してないから、安心してちょうだい」
一言余計なんよ。
2人に比べたらそりゃ弱いけどさぁ。
「とりあえず火山地帯に向かって、ダンジョンを探しつつ素材集めですね」
ダンジョンを探す?
詳しく聞くと、火山地帯にはそこそこのダンジョンが生成される確率が高いらしい。
また、ダンジョンコアはかなり高価なものらしく、それを求めているらしい。
発見されていないダンジョンを探すこと自体難しそうだが、まとまったお金が欲しいらいし。
そして、闇市ではダンジョンコアでのみ追加で買えるものがあるとか。
それ以外にも色々なものが売っているらしく、お金が貯まったら飛ぶとの事。
ということで火山地帯へと向かう。
本来ある整備された道から外れているようにも思うが…。
「あの、そっち獣道ですよ?」
「正規の道で言ったら検閲に引っかかるだろ。遠回りしてほかの冒険者に会わないようにするんだよ」
不法侵入みたいなことしてるってことか。
…これ見つかったら俺も怒られるのかな。
「まぁバレやしないわ。ちょっと魔物が強くなるけど、特に問題もないし」
この人らの言うことはちょっと信用できねぇ…。
とまぁ文句を言っても変わらないのでついて行くことに。
基本的には戦闘はハーデンがやってくれるらしい。
色々話しているうちに火山地帯に入ったらしい。
草木などはなく、岩肌が地表に出ている。
心做しか暑い気がする。
しばらく歩いているとベルノが話しかけてきた。
「ユージの元いた世界ってどんな感じの世界なの?」
「お嬢様、話したがっていなかったことを聞くのは…」
「いいじゃない減るものじゃないんだし」
こいつズカズカ踏み込んでくるな。
まぁ別に話してもいいけど。
「魔物がいない世界で、もっと発展してるって感じかな。あと、種族が人間しかいないって感じ、ら動物とかはいるけどね」
「もっと発展してるってどんな感じに?」
そんな感じで色々聞かれた。
今までで1番元の世界のことをかなり細かく説明した気がする。
ちなみにその横では魔物を一撃で両断して魔石を素早く回収するハーデンが目に入る。
パシられてる感が半端ない。
途中チラッと魔物の方を鑑定したらこんな感じだった。
ラバーピード
HP:407 MP:118 攻撃力:371 防御力:396 素早さ:375
強すぎぃ!
俺だったら絶対負けてるって。
こいつらCランクレベルあるんじゃないか?
ムカデみたいな見た目でクソキモかったし。
整備された方の道はもうちょい弱いのかな。
そうじゃなかったら拾われてギリ感謝かもしれない。
「そろそろ暗くなってきましたし野営の準備をしましょうか。ユージ、手伝ってくれ」
「了解、結界魔法張る魔道具あるけど使うか?」
「お嬢様が使えるから魔道具は使わなくていいぞ。お嬢様、お願いします」
「あれ疲れるからあんまりしたくないのだけど、まぁ仕方ないわね」
ということでここでも節約できることに。
お財布に優しいのは嬉しいぜ。
ハーデンは料理もできるらしく、俺の分まで用意してくれた。
というか、テント2つしか建ててないけどいいのかな。
「じゃあハーデン、よろしくね。おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
そういうとベルノはテントへと行ってしまった。
見張りはいいのか?
ハーデンがご飯の片付けをしている間、とりあえず待っておくことに。
あんまり話せなかったから話したいってのもあるが。
ということで片付けが終わったみたいなので話に行くか。




