43.友との別れ、ひとり旅
チュンチュン
チュンチュン
いつも通り謎の小鳥のさえずりで目を覚ます。
そろそろこの小鳥の正体も明かしたいところ。
とりあえず顔を洗い、着替える。
そして最後のこの宿屋での朝飯を食べる。
ルヒターがここを取ってくれて1週間くらい泊まったが、かなりいいところだったな。
次来る時もここに泊まろう。
感謝を伝え、宿屋を出る。
すると、出入口の横に1人の女性が立っていた。
「おはようございます!」
「おはよう」
元気たっぷりに挨拶するルビア。
まじで見送りに来てくれたのか。
ということでルビアに火山方面に繋がる門へと案内してもらう。
道中仕事中のホタルを見かけた。
手を振ったら振り返してくれたし、結構友好的な関係を築けた気がする。
門に到着した。
「案内とか色々、ありがとな。ルビアがいてくれて楽しかった」
「いいんですよ。私も楽しかったですし。色々話もできて良かったです」
何となくわかってたものが、形としてわかった気がする。
「それと、次会う時は兄の代わりじゃなくて、友達として話そうな」
「!…えへへ、バレちゃってました?」
ルビアはずっと、俺とフロストを重ねて見てた。
少し頼りにならないところも、ルビアより劣っているところも、ルビアには重なって見えたんだと思う。
次に会う時は友達として。
「また会おうな」
「はい!また会いましょう!」
手を振りながら門を出る。
空が青い。
改めて見る空は澄み渡っており、鮮やかな青色をしていた。
ということで1人の旅路。
なんやかんやぼっち旅は久しぶりだな。
最初はスチールリリーのみんながいたし、そのあともミントやリアーシがいたし。
てか改めて考えると異世界に来てからあんま日数経ってないんだな。
異世界に来てからのことを思い出しながら歩いていく。
てかよくよく考えると俺単独で討伐できた魔物ゴブリンとガンマッカレルとかいう魚だけじゃね?
というか俺めちゃくちゃ負けてるな。
オークの時はミントが来てくれなきゃ死んでたし、ワイバーンに関しても聖騎士団が来てくれなければ消し炭にされてたし、ファンレンとの戦闘に至ってはガチでボコボコにされただけだったしな。
そう考えるとめちゃくちゃ色んな人に助けられてるな。
と考えていると、魔力探知になにかが反応した。
おそらく魔物だろう。
魔法剣を構えながら警戒する。
出てきたのは角の生えたうさぎだった。
なんだうさぎか。
角の生えたうさぎ…ジャッカロープだっけ?
なんか殺すのも可哀想だし、そっとしておくか。
そう思い、この場を去ろうとする。
すると後ろから鈍い衝撃が走る。
「イッッッタ!はぁ!?」
振り返ると角をこちらに向けて臨戦態勢を取っているうさぎがいた。
そっちがその気なら全力でぶっ殺してやるよ…。
魔法剣に魔力を込める。
水属性付与もできるようになったが、絶対にしばきたいから火属性を付与。
「喰らえ!」
大きく振りかぶり、ジャッカロープ目掛けて振り下ろす。
しかし、当たる前に避けられてしまった。
結構素早いな…。
鑑定しておくか。
ジャッカロープ
HP:64 MP:78 攻撃力:61 防御力:43 素早さ:271
弱いけど、素早さにおいては俺より早いな。
いや、1発当てれば勝てるんだ。
ちゃっちゃと倒して先に行こう。
〜数十分後〜
「動くなこのクソうさぎ!!!」
再び振り下ろした剣は地面に突き刺さる。
魔法剣を使っても当たらなければ意味がないため片手剣に変えているが、それでも当たらない。
当たったと思っても角で弾かれるのもあってかなり切れそう。
心做しか煽ってきてる感じがする。
…剣で倒そうとしてたけど、これファイアボールで良くね?
「…ファイアボール!」
ジャッカロープは避け切ることができず、被弾する。
その隙を狙って剣を刺す。
熱くなりすぎて判断ミスったな。
ということで皮を剝いだり角を取ったり素材を集める。
かなり苦戦したけど、あんまり金にならないのが本当に悔しい。
その後も度々いるジャッカロープを見つけ次第狩っていく。
俺の嫌いな動物はうさぎです。
そこそこ歩いたところで森に突入。
この森を抜けたところに街があって、そこから火山地帯に入るらしい。
森に入ると木々がざわめいており、葉の間から覗く光がたまに目を刺す。
つまりかなり眩しいということ。
森にも虫の魔物がいるみたいだが、マジで会いたくないのでエンカウントしないことを願いつつ先へと進む。
特に何かとエンカウントすることもなく、日がかなり傾いてきたためここら辺で野営をすることに。
そういえば野営をひとりでするのって初めてか?
毎回誰かがいてくれたから交代で見張りとかできたけど、ひとりだとできないのは大変だな。
魔道具をセットして起動する。
テントも張り、晩御飯を食べる。
今回の晩御飯はジャッカロープの丸焼き。
本当は肉も素材として売れるのだが、その日のうちに出せるならって感じなので今回は食べてしまうことに。
既に皮は剥いであるので調味料を振ってこんがり焼くだけ。
まぁ表面は焦げてもいいだろ。
そう思いながら塩を振り、適当な大きさに切る。
血抜きがしっかりできていなかったのか赤いところが結構ある。
そこは切り落とし、大丈夫そうなところだけ焼く。
ファイアで集めた小枝に火をつけ、肉を焼く。
結構焦げてしまったが、まぁ焦げ目を落とせば何とかなるだろ。
振った塩も切り落としてしまったため再び塩を振りかけていざ実食。
…美味しくないな。
パサパサの鶏肉に塩のしょっぱさがついてるだけの味気ない料理。
普通に買い貯めたご飯食べればよかった。
ということで料理の才能のなさを再確認しつつ、今日は寝ることに。
これで起きたら結界周りに虫だらけとかだったら発狂しながら泣きます。




