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42.ワガママお嬢様

久しぶりにぐっすり寝た気がする。

そう思う理由として空を見れば日が真上まで来ている。

もう昼過ぎじゃん。


宿屋を出て、とりあえず昼ごはんを食べに行く。

どこに行くか迷ったが、ルビアと行ったところにすることに。


店に入ると1人客がいるようだった。


「あ、ユージさん。こんにちは」

「ルビアもここで昼飯?」

「そうですよ。良かったら相席しませんか?」


ということで相席することに。


昨日の今日で少し気まずい気もするが、それは俺だけなのかもしれない。

普通にご飯を頼んで普通に食べ始める。

お節介過ぎたかなと反省していたが、気にしすぎだったかな。


「…あの、私の顔に何かついてます?」

「へ?」

「ずっと見られてるとさすがに恥ずかしいと言いますか…」


そりゃそうだ。

俺変なやつみたいになってるじゃん。


「もしかしてひと口欲しいとかですか?」

「あ、あぁ。美味しそうだなぁって」

「そうですね…交換ならひと口あげますよ?」

「じゃあ交換しようかな」


その後も普通にご飯を食べる。


何となく、わかってきた気がする。


ご飯を食べ終え、店を出る。

まだ午後はこれからといった時間帯だ。


「ユージさんはこの後どうするんですか?」

「明日次の街に出発しようと思ってるから、その準備かな。ルビアは?」

「私はギルドで依頼を請けようかなって思ってたんですけど止められてて…やることがなかったので、ユージさんさえ良ければ着いてってもいいですか?」

「もちろん」


前にルビアに案内されたところを回りながら旅の準備をする。

明日からの旅はヒーラーもいないし念の為ポーションも買う。

結界魔法の入った魔道具はリアーシのおかげで節約できていたからかなりありがたい。

非常食もいくつか買いためておく。


そして、次に行く街を決めるために資料館に再び来ていた。


ちなみに入場料がかなり高かった。

前回チケットで入れたのまじでありがたかったな…。


資料館に行き、この大陸の地図を見る。


「ここが私たちのいるアフトランスで、そこから南西の方にあるのがツービス、南東にあるのがこの前スラムで見た火山のところです。南に行くことも可能ですが、大きな渓谷があるので西か東のどちらかから行くのがおすすめですね」

「ツービスと火山だったらどっちがおすすめとかあるか?」

「そうですね…個人的にはツービスがおすすめなんですが、あっち方面は聖騎士団の管轄外で道が荒れてたり魔物が強かったりするんですよね」


なるほどな。

そうなったらひとりだし火山方面に行くか。

ツービスに行ったらミントもいるかもだし、パーティを組めないか聞いてみるか。


次に行くところも決まり、資料館を出る。

日が沈むまでもう少し時間があるな。


そう思っているとルビアが話しかけてくる。


「時間があるなら、行きたいところがあるので一緒に行きませんか?」

「特にやることもないし、着いてくよ」


ルビアに着いていくこと約30分、城っぽい建物に登っていく。

どう考えても俺場違いすぎる。


「着きました、ここです」


ルビアに言われ、そこから街を見下ろす。

夕日も相まってかなり綺麗に見える。


「いい景色だな」

「ここは私がこの街で一番好きな場所です」


夕日に照らされた街は暖かく、美しい。

街全体が見える分、この世界に来て初めて見た夕日よりも全体が大きく見える。

やっぱり、綺麗だ。


「ユージさんは旅をしてて、こういう景色を見たりしました?」

「見たりしたな。元の世界でも、景色を見るのが楽しみだったりしたからな」

「そうなんですね…ユージさん、私、やっぱり旅をしたいんです」


昨日の答えか。


「でも、アキシア家も継ぎたいです」


旅もしたい。

けど、両親の期待にも応えたい。

昨日から考えた結果この結論にたどり着いたのか。


「難しいと思うぞ。貴族の当主として冒険者を続けて旅をするのは」

「それでもです。私、どうやらワガママみたいなんです。期待に応えて、やりたいこともやって、後悔したくないんです」


俺の言葉が思ったより響いてそう。

めちゃくちゃワガママお嬢様誕生させちゃったか?

まぁでも、本人がそうしたいって言ってるんだ。

応援するべきか。


「とりあえず、魔法学校を卒業するところからですね」


そうじゃんルビア魔法学校通ってたじゃん。

今18歳ですごいこと掲げてるな。


「卒業したらお父様から当主も受け継いで、フロスト兄さんとも旅がしたいですし…やりたいことばっかりですね」

「応援するさ。力になれることがあるなら協力もする。魔法を教えてもらった恩もあるしな」

「じゃあ、私がフロスト兄さんと旅に出る時前衛としてパーティメンバーになってくれませんか?」

「もちろん」


…フロストは確定なのか。

スチールリリーの2人もいるとなると5人パーティとかになるな。

それはそれで楽しそうだ。


「じゃあ、約束ですね!」

「あぁ、約束だ」


手を前に出し、小指を出す。


「えっと…これは?」

「元の世界の約束をする時にする儀式みたいなの。小指出して」


指切りげんまんだっけ。

あれって言ってる事ヤバいよな。


「指切りげんまん嘘着いたら針千本のーます、指切った」

「…針千本ってやばくないですか?」

「…やばいね」


楽しそうにしてくれて良かった。


ルビアが魔法学校を卒業するのは来年らしい。

なら、来年はフロストを連れてここに戻ってくるか。

と思ったが、フロストとは文通してるって話だったから俺が来年戻ってくるだけだな。

忘れないようにしなければ。


日が沈んできたので解散することに。

途中まで一緒の道なため雑談しながら宿屋に戻ることに。


「明日はいつ頃出発するんですか?」

「朝起きたらかな。遅くなりすぎるとあんまり進まなくて変なところで野宿みたいになりそうだし」

「なら、見送りのために私も早起きしないとですね」


フンスッといった顔をしている。

見送りがあるのはいいな。


「じゃあまた明日!おやすみなさい!」

「あぁ、おやすみ」


宿屋に戻り、晩御飯を食べる。

その後部屋に戻って荷物をまとめる。

久しぶりの旅だな。

魔法剣も無事帰ってきたし、頼もしい限りだ。

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