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31.スラムとネズミ

依頼を見るが、個人依頼のクエストがかなり多い気がする。

魔物討伐自体はかなり聖騎士団がやっているらしく、こういった雑務がこっちに来ているらしい。

しかもギルドマスターはほとんど働かないときた。


「うーん…魔物討伐がいいんですが…あ、これとかどうですか?」


スラムのネズミ退治?

スラムあるのか。

てかあれか、日本生まれで感覚バグってたけど海外とかスラムあるもんな。


「これだとファイアアローとか使えなくない?」

「場所によりますね。ネズミ退治って書いてありますけど、おそらくこれだけじゃないと思うので」


なるほど?

どういう意味かは分からないが、とりあえずこれにするか。


依頼を請け、依頼場所に行く際になぜネズミ討伐が依頼として出ているのか聞いてみた。


「そうですね…スラムにネズミが湧く、という認識は大丈夫ですか?」

「あぁ、それは問題ない。けど依頼人を見たが苗字があるし貴族っぽかったからなんでかなぁって」

「確かにユージさんが言う通り依頼人の方は貴族でした。なぜ貴族がスラムのネズミ退治を?と思うかもですが、一定数繁殖したネズミは食べ物を探しにスラムからこちらに来るんです。商人の家系はそうなった際多額の損失を生んでしまうので、先に片付けておきたいってことです」


なるほど、別にスラムを気にかけてるって訳では無いのか。

確かにスラムで抑えておきたいもんな。


雑談をしながら歩いていると明らかに雰囲気が変わっている道がでてきた。

スラムとの境目、かなりわかりやすいな。


「行きましょうか」


ルビアはそう言うと手馴れた手つきで柵をはずし、スラムの方へと向かっていく。

普段からスラム関連の依頼でもやってるのだろうか。


「ルビアはスラムにかなり来てるのか?」

「え?どうしてですか?」

「いや、柵をかなり手馴れた感じで外してたから。それに地図とか無しで依頼場所まで一直線だし」

「そうですね…それについてはまた後でお話します。それより、そろそろ着きますよ」


依頼場所と思われる場所に来たが…かなり臭いがキツイな。

ハエみたいな虫もめちゃくちゃいるし、ネズミがどうこう言ってる場合じゃないだろこれ。

横に流れるドブみたいなのもやばい。

こっちが臭いの原因っぽいな。


「まずは火属性の魔法でここら辺を燃やし尽くして貰ってもいいですか?最悪どこかに引火しても私の魔法で消せますので」

「了解」


燃やすだけならファイアボールだな。

ファイアアローで壁に穴とか開けたら大変だし。


「ファイアボール!」


火の弾を作り、周辺を燃やす。


元々火力が低いからいい感じに抑えられたな。

自分で言ってて悲しくなるが。


「ウィンドエリア!」


ルビアがそう唱えると、空気が動き始める。

風が火によって作り出された煙を配管などに送り込む。


「ユージさん!ネズミたちが出てくるのでウォーターボールで出口を塞ぐか、捕らえて溺死させるかしてください!」


なるほど、一酸化炭素で殺すか、外に出るのが間に合ったネズミは水で殺すか。

かなり合理的な判断だ。

とはいえすごいこと言ってるなこの子。


「ウォーターボール!」


先程ルビアが煙を入れたところにウォーターボールを放つ。

計5箇所に水の弾を放ち、出口を塞ぐ。

逃げてきたであろうネズミが水で出口を見失い、倒れていくようにも見える。


…ネズミデカくね?

あのレベルが大量に沸いたら確かに終わりだな。


しばらくしてルビアが声をかけてくる。


「もうウォーターボールを維持しなくてもいいですよ。あとは放置で大丈夫です」

「死骸を回収しなきゃダメじゃないのか?」

「少し待っていればわかります」


ふむ、なら待つか。

待っている間に先程のスラムにかなり来ていそうだということを聞いてみた。


「御存知の通り私はアキシア家の者で、貴族でもあります。それを踏まえてなぜ貴族がスラムに来ているのか、ということですね?」

「あぁ、あまりこういうのはあれだと思うが、貴族目線のスラムなんて場所は薄汚いものでしかないと思うんだ。それを気に掛けるイメージもないしな」


少し悩んだ末にルビアは口を開く。


「これを討伐したら私がいつも寄る場所に行きましょうか」

「これを討伐?」


すると、ドブの方からゴボゴボという音が聞こえ始める。

ドブが形を成していき、どこかで見た事のある魔物が現れる。


「スライム…!」

「ユージさん、やりますよ!」


ドブを纏ったスライムはこちらに狙いを定め、魔法を放ってくる。

通常の水属性の魔法と違い、ドブが混ざっていてより凶悪な魔法になっている。


「ウィンドウォール!」


ルビアが風の壁を生成し魔法を遮断する。


「魔石に向けてファイアアローを放ってください!」


魔石…核のことか。


弓を引くように構える。

しかしここで問題に気がつく。

スライムの体がドブによって濁り、魔石の場所がわからない。


え、これどうすればいいの?

魔力探知…いや、ダメだ。

全身に魔力があるから探知もほぼ無理だ。


…詰みじゃね?


「私が援護します!そのまま放って!」


何か策があるのか?

いや、今は信じればいい。


「ファイアアロー!」

「ウィンドエリア!」


弓を引き、火の矢を放つ。

それに合わせ、ルビアは風を操る。

ドブに守られる魔石は突風により顕になり、火の矢がそれを貫いた。

ドブは形を保つことができなくなり、崩壊する。

それと同時に中からネズミの死骸も出てきた。


スライムがネズミを食べて外に出てくるから待ってればよかったってことか。

というか風なかなかに強いな。

ドブで火が減衰して届かない可能性があるかと思ったがさすがだな。


「さ、行きましょうか」

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