24.回復魔法と新たな仲間
長い船旅を終え、海を渡り終える。
トラブルだらけでもう二度と乗りたくないと思った。
まぁまたグロリアスに戻る時に乗らないとなんだけど…。
「ふー、やっと着いたー。船ってなんか狭い感じがしてあんまり好きじゃないんだよねー」
まぁ大きい船とはいえそこにまる2日は閉じ込められてるもんだしな。
とはいえ俺よりはマシだろ。
俺めっちゃ吐いたし…。
「ユージはこれからどうするんだっけ?」
「俺はゼファーノスに向かうよ。ミントは?」
「私はブラブラしつつ、一旦故郷に戻ろうかな。アフトランスの奥にある国、ツービスっていう場所ね」
アフトランス?と思ったが、ゼファーノスのある今いるこの国がアフトランスらしい。
ゼファーノスに行ったあとツービスにも行ってみようかな。
何がともあれ、ということは…。
「ここでお別れだな」
「そうだね、少しの間だったけど旅できて楽しかったよ。じゃ、またねー!」
そういうとミントは行ってしまった。
お別れと言っても一生のお別れでは無いし、そんなもんか。
さて、これからゼファーノスに行くにあたってやるべきことがある。
それが、回復魔法の習得だ。
ポーションは高いし、軽症で教会に行くなんてこともしたくない。
だから覚えちゃおうということだ。
初級回復魔法に関しては無料で教えてくれるらしいしな。
港から少し歩いたところにある教会を訪れる。
アフトランスはかなりの大国であるため教会も結構あるらしい。
教会の傍に行くと1人のシスター姿の女性が教会へと入っていくのが見えた。
その後に続き教会に入っていく。
「すみません、初級回復魔法を教わりに来たのですが…」
そこには司祭っぽい人とシスター姿の人、そして参拝に来ている人が複数名居た。
声の呼び掛けに反応したのは司祭の人で、こちらに歩み寄ってくる。
「はじめまして、初級回復魔法ですね。少々お待ちください」
すると司祭と思わしき人がシスター姿の女性に話しかける。
女性は話を聞いたあと、こちらに来る。
「では、ついてきてください」
シスターについて行くと少し開けた場所に出た。
シスターはこちらに向き直ると手を出してくる。
「基本は普通の魔法と同じです。魔力の循環を感じ、傷に集中する。体を構成する物質を魔力が補うことで傷が癒えるという原理です」
なんかめちゃくちゃ近代的な気がするな。
神の御加護が〜とか言われると思っていたが。
少しやってみたが意外と簡単。
切り傷程度なら俺でも治せそうな気がする。
「はい、出来ましたね。ではこれで」
そういうとシスターは来た道を戻って行った。
あんまり親切じゃないんだな…。
出入口付近まで戻るとシスターが司祭に話しかけられていた。
盗み聞きするつもりはなかったが、ドア付近で話していたから嫌でも耳に入った。
「すみませんね、シスターリアーシ」
「それが私の役目ですから、司祭様が謝ることではありません」
「とはいえゼファーノスへの道のりはかなり険しいものとなっています。ひとりで向かわせるのは…」
話を聞いていた感じ、どうやらシスターはゼファーノスへと向かうらしい。
ひとりで行かせるのを心配してるからあまり強くないのかな。
ちょっと鑑定してみるか。
リアーシ(25) 種族:人間
HP:157 MP:613 攻撃力:114 防御力:142 素早さ:89
なるほど、MPは俺より高いが、他はかなり低いな。
ヒーラーって考えればそんなものか。
…てかよく考えたら俺もひとりでゼファーノスに向かうのは危険か?
となると…。
「すみません、話を盗み聞きするつもりはなかったのですが…」
旅をするなら仲間がいた方がいい。
それにヒーラーがいるなら心強い。
そう思い、一緒にゼファーノスまで行きませんか?と提案した。
一瞬シスターがめちゃくちゃ嫌そうな顔をしていたが気のせいだろう。
「ありがたい提案ありがとうございます。シスターリアーシ、それでよろしいですよね?」
「…はい、司祭様。旅の方、是非よろしくお願いします」
なんか一瞬ためがあった気がするが、気のせいだろう。
ということで仲間が加わった。
「ユージです。よろしくお願いします」
「リアーシです。ゼファーノスまでよろしくお願いします」
リアーシ、シスターをしつつ、色んな教会を点々と回っているらしい。
回復魔法は上級まで使えるとのことだが、その場合魔力が足りないため誰かに分けてもらいながらでないと厳しいとのこと。
話してみて普通に礼儀正しい人だったから多分嫌そうな顔だったりは勘違いだろう。
ということで路銀を稼ぎつつ行きたいんだが、ちょうどいい護衛依頼はなく、普通に歩いていくことに。
リアーシがそこそこお金を持ってるみたいなので最悪たかるか…。
港からゼファーノスへの途中に2つほど街があるらしく、それを経由して行くことに。
1つ目の街までは徒歩で3日ほどかかるとの事。
必要なものを買い揃え、出発する。
ちなみに残りの所持金は銀貨4枚になりました。
マジでやばい、次の街で稼ぐか…。
道中ある1つ目の街はスアトフ。
アフトランスはグロリアスよりも魔物が強いらしく、道中いた魔物もそこそこ強かった…気がする。
「ファイアボール!」
基本的には俺が前衛をしつつ、リアーシがヒーラー。
攻撃係が俺しかいないのは少し不満だが、まぁそこまで固い敵も出てこないし大丈夫だな。
日が傾き、夜が近づく。
「そろそろ野営の用意を始めませんか?結界魔法は私がやっておくのでテント2つ用意をお願いします」
「了解です」
結界魔法も使えるのか。
となると魔道具を節約できるしありがたいな。
俺も覚えたいけど、教えてもらうのはさすがに図々しいか。
交代で見張り番をすることに。
色々助けられてるし、自分が見てますよと言ったが
「明日それで疲れが溜まったら大変ですよね?交代でやりましょう」
と言われてしまった。
ごもっともです…。
ちなみに交代の時間になってテントに近寄ったら呼びかける前に起きてきて怖かった。
なんかそういう魔法もあるのか?
翌朝、特に何事もなく目が覚める。
見張り番であったリアーシが朝ごはんを作ってくれていたらしく、それを食べて出発することに。
「そういえば気になってたんですけど、その魔法剣ってどこで手に入れたんですか?」
「どこでって…貰い受けたんですよ。ここに来る前のスィートピィっていう街で」
「そうなんですね」
リアーシ曰く、やはりかなりの高価な武器らしい。
ちゃんとしたところで売れば最低でも金額30枚にはなるとのこと。
マジで金欠になったら売るのもありか…?
いや、さすがにイリスから貰ったものだしそれは無いな。
「…!ユージさん、気をつけてください。かなり強い魔力が近づいてきてます」
そう思いつつ指さされた方を警戒する。
すると、その方から人型の魔物が現れた。




