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119.弱き者たち

「シャドウランス」

「ライトアロー!」


影の槍と光の矢がぶつかり合う。

おそらくシャドウランスは上級魔法。

そうなるとこのぶつかり合いは勝てない。


「ファイアバレット!」


火の弾で光の矢を後押しする。

これでようやく相殺できるレベルっぽいな。

いずれにしろ魔力のぶつかり合いだと多分勝てない。

外付けの魔力ってのも気になる。


「距離を詰める。援護を頼む」

「重くなるやつに注意してくださいね」


魔法剣に魔力を込める。

それと同時に走り出し、距離を詰める。


「グラビティシステム、起動」


そう来ると思った。


剣を地面に刺し、範囲内に入らないように止まる。


「ファイアバレット!」


ギリギリ範囲内に入らない状態で火の弾を撃つ。

しかし、その火の弾は地面に落ちる。

どうやら魔法にも作用するらしい。


「君にはもう飽きた。出来れば帰って欲しいんだが…」

「やるべき事があるんだ」


5秒、持続時間は5秒だ。

クールタイムはわからないが、5秒なら多分カバーしてもらえる。

それに、隙を作れるかもしれない。


距離を離すな、喰らいつけ。


魔法剣に魔力を込める。

光を出す必要はない。

なら水を纏わせた方がいい。


「シャドウランス」

「ライトウォール!」


光の盾が影の槍を防ぐ。

ヒデラのめんどくさそうな顔が目に映る。


水の回転を利用して地面から魔法剣を抜く。

その勢いのままヒデラを斬りつける。

しかし、それは闇に止められる。


火を纏わせたままの方が良かったじゃん。


「ユージさん!」


闇が変形し、俺を刺そうと伸びてくる。


「ライトアロー!」


光の矢が寸前で闇を撃ち落とす。

助かった。

リアーシがいなかったら心臓を貫かれてた。


「シャドウゴーレム」


まじか、何回も作れるのかよ。


ヒデラがそれを言うと共に3つの影が浮かび上がり、動き始める。

そしてそれらはリアーシの方へと向かっていく。


「ファイアバレット!」


俺の影から出たシャドウゴーレムは火の弾で足を貫いた。

ヒデラの影から出たシャドウゴーレムは魔法剣で斬る。

あと1体、間に合わない。


「シャドウランス」


くそっ、そりゃそうだ。

このタイミングで追撃しないバカはいない。

影を止めるより、こっちの槍を止めるべきだ。


魔法剣に魔法を込め、影の槍を斬る。


後ろで小さい悲鳴が聞こえる。

ちらっと見たが、腹部を斬り裂かれている。

とは言え影の頭が弾けている。

なら大丈夫だ。

リアーシのカバーはもうないと思って行動すればいい。


「終わりだ」


リアーシの方を気にした隙をヒデラは見逃さなかった。

手には闇の剣が持たれている。

いや、大丈夫。

体勢を立て直せる。


魔法剣で受け止める。


「くっ…」

「あっちのシスターは動けない。それに、押し合いなら僕が勝つ。詰みだね」


詰み、か。

それは、お前の方じゃないか?


「…サンダーランス」


入口の方から雷が飛んでくる。

それはヒデラの横腹に直撃した。


外付けの魔力で魔法を使えることは知っている。

それを、リコリスがやるのもできるだろ。

イリスの魔力を転用したから使えるサンダーランス。

決定打になってくれ、頼む。


「やはりまだいたか」

「直撃したろ…」

「念には念を、ね?」


ヒデラは闇の剣を振り下ろす。

それと同時に横腹に闇が纏われているのが見えた。


「あ゛っ…」


何とか心臓は避けた…が、刺さっちゃダメなところに刺さったな。


「今度こそ、終わりだな」

「…やっと…」

「なにか言い残すことはあるかい?」

「やっと捕まえた」


ヒデラの腕をがっちり掴む。

これでグラビティシステムは使えないだろ。

そうしたらお前ごと巻き込んじゃうもんな。


「それで?何ができる」

「お前を斬れる」


魔力を込めろ、魔法剣に。

全てだ、全部出し切っていい。


手に力が入らない。

纏わせた水の回転を使え。

剣を、こいつに当てろ。


水の回転を使い、剣を振る。

それはヒデラにあたる。


「ぐっ…まだ、抗うかい」

「全部、出し切るまでな」

「いいだろう、全部出し切らせた上で、殺してやる」


魔力を燃やせ、命を燃やせ、魔法剣を、こいつごと燃やせ。

水が引き、火が燃え盛る。


「くそっ…」


魔力が切れた。

俺の出番は、これで終わりか。


「僕の勝ち、だね」

「ライトアロー!」


勝利を確信した隙を、リアーシが突く。

これも、作戦のうちだ。


しかし、それをヒデラは後ろに飛ぶことで避ける。


「まだ動けたのか。さすがシスター、しぶといね」


俺の出血も酷いな。

リアーシの方も酷そうだ。

傷を直さないで魔力を溜めたのだろう。


…あとは、頼むぞ。

2人とも。


「《■■■》」

「っ!言霊か!」


グラビティシステムを封じ、リアーシの光の矢が闇を生成させない。

そして、リコリスの命令で一瞬だけ動けなくなった。

この一瞬のために命をかけたんだ。

外したら、絶対怒るからな。


「アイシクルランス」


氷の槍が壁を突き破り、ヒデラを貫く。


「なっ…」


穴の空いた壁の先にはフロストが立っていた。


最初の土属性の魔法は不意打ちをどこからでもできるようにするためと、ストーンゴーレムで注意を撒き散らすため。

本来フロストはそんな上級魔法は使えない。

だが、その付けの魔力ならこっちにも2つある。

1つ目はリコリスにあげたやつ。

そして2つ目はイリスにあげたやつだ。

それを、フロストが使った。


「っ…まだ!僕の目的は!」


魔力はもうない。

でも、動ける。

なら、やるしかないだろ。


剣を握る。

最後の力を振り絞ってそれを振る。

これで、終わりだ。


剣をヒデラの脇腹から肩にかけて斜めに斬りあげる。

そして、ヒデラの体は2つにわかれた。


「…俺たちの、勝ちだな」

「そん…な…僕の、計画は…完璧だった…」


なんでこいつ喋れてるの?

怖いんだけど。

人として死んどけよ。


「僕は!魔王様のために!この世界を!」

「魔王様はそれを望んでないってさ。な、リコリス」

「…うん、いらない」


フードを外しながら歩いてくるリコリス。

その顔を見て、ヒデラは深く絶望した。

そして、体は塵となって崩れていく。

その場に残ったのは1つの魔石だった。


…勝てた、のか?


「ゴホッ…」

「リコリス!大丈夫…か…」


視界が霞んできた。

血を流しすぎた。

やばいな、死にそう。


「今、回復しますね」

「リア、シ…」

「大丈夫、大丈夫ですよ」


めっちゃ女神に見える。


その後、リアーシが回復してくれた後、リアムがイリスを抱えてこの部屋へと来た。

どうやらイリスはロメリアに勝利し、ヒデラがいなくなったことで邪人も塵となって消えたとの事。

魔王でないものが魔物を操るための制約だろう、知らんけど。


何はともあれ、勝ったのか。


「よっしゃあぁ!」

「うわっ、いきなり大声やめてくださいよ」

「ごめんごめん、勝ったって思ったら気が抜けて…」

「はいはい、とりあえず村に戻りますよ」

「私はこの場所を破壊してから戻ろう。ギルドへ持ち帰るものもあるしな」


そんなわけでリアム以外のみんなで村に戻る。

頑張ったな、俺たち。

今日はゆっくり休もう。

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