105.邪人化を促す者達
雪が強いな。
ゼノンがいなかったらしばらく野営を強制されてた。
そう考えるとゼノンがいてくれて良かったな。
「まだ着かないんですか」
「もうちょっとだと思うんだけど…正確な場所忘れちゃった」
「マジで何してるんですか」
そう言われても忘れちゃったものは忘れちゃったんだもん。
「1人、強い魔力を感じる。仲間か?」
「あ、イリスのかも。となるとそっち方面に行ってみるか」
ゼノンが感じ取った魔力の方へ進んでいくこと数十分。
家っぽいのがいくつか見えてきた。
「良かったぁ…ここだ」
「しっかりしてくださいよ…ゼノンさんがいなかったら遭難で終わりでしたよ」
本当にごめんなさい。
まぁ見つかったしいいやろの精神で元ギルドの建物に行く。
中に入るとイビキが聞こえてくる。
「エルダ、もう昼だぞ」
「んあ?おぉ、ユージじゃねぇか…なんか人多くね?」
「とりあえず紹介するから、イリスどこにいる?」
「今墓んとこいるよ」
ということで迎えに行く。
「おーい、イリス」
「ユージ、戻ってきてたんだ。おかえり」
「ただいま。とりあえず仲間が色々増えたりしてるからギルドのとこ来れる?」
イリスを連れてギルドに戻る。
こう見ると仲間多くね?
俺、イリス、エルダ、リコリス、リアーシ、ゼノン。
6人って結構多いな。
「とりあえず、エルダとゼノンとは話があるから、イリスとリコリスとリアーシは女子会でもしててくれ」
「なにか聞かれたらまずいことでもあるんですか?」
「あーまずいといえばまずいかな…」
「…まぁいいですよ。じゃあ行きましょうか」
めっちゃ色々言いたそうな顔してる。
まぁそういうのはわかってくれる大人で助かった。
そんなわけで3人は別の場所に行ってもらった。
「で、話ってなんだ?」
「魔物化についてだ」
再開していきなりする話題ではなかったか?
とはいえ、今のフローディアはかなり怪しい感じがするし早めに話しておきたい。
「とりあえず、俺がセラエムと話してわかったことを話すわ」
「…まさか、あの男の名前をここでも聞くとはな」
「俺が会ったのは女だったぞ?」
「肉体をいじってるからな。性別なんて奴の前ではないようなものだろ」
え、性転換とかもできるの?
なんか俺のいた世界より高度な技術持ってるな。
あの人だけ住んでる世界違くない?
「で、何がわかったんだ?」
「俺らが会った元人間の魔物。あれらは邪人って言って邪人化、魔物に近いなにかになったもののことを指すらしい」
ここら辺は推測してたのと同じだな。
エルダの弟子も邪人化したってのであってる。
「それだけなら、あんまり進歩がない気がするが…」
「そこで俺の夢だ。俺が見た夢はタフトって人の追憶だろ?それをセラエムに聞いたらそれは魂の記憶だって」
俺がこの世界に来た時には既にエルダの弟子、タフトはもう死んでいた。
なら何もおかしいことはない。
こちらに転生する際に神がタフトの魂を再利用したと考えるのが妥当だ。
「その夢に何があったんだ」
「タフトに花を食べるように促した奴がいる」
「…そういやそんなこと言ってたな。昔過ぎて忘れてたわ」
なんで忘れてんだよこいつ。
「不審者がいるってのは聞いてたが、それと同時期に魔物が溢れかえってたからな。ダンジョンが生成されそうになってたんだよ」
それって今回と似たような状況になってない?
前にダンジョンっぽくなってるところをイリスが崩壊させてたし。
怪しくなってきたな。
「そいつの見た目は?」
「あー…女の人だったってのは覚えてる。あとはフードとか深く被ってたからあんまわからなかった」
「…次は、俺の話だな」
ゼノンの恋人は邪人化した。
それはおそらく確定情報だろう。
そして今回邪人化を促す奴がいることが判明した。
あの女が関係している、そう思った。
「俺が会った時、別の魔物がいた。人の言葉を放つ、人の形をした魔物だ」
「どういうことだ?」
ゼノンの恋人の横にいたのはおそらく邪人だったのだろう。
そう考えたら俺の見たあの女とは違うのか。
…人の言葉を放つ?
「待て、俺らの見た魔物は人間の言葉は喋ってなかったぜ?リコリスの使ってる言葉と同じ言葉だったんだろ?」
「そのリコリスが魔王だったんだ」
何言ってんだこいつといった目で見られる。
まぁ俺でも同じ反応する。
とはいえリコリスが魔王だったことであることが導き出される。
「あの言葉は魔物に通じる言語ってことだ」
「…なんか色々分からんくなってきたな」
「要するに、魔物の見た目をしてて人の言葉を使う奴がいてもおかしくないってことだろ。そうなると、邪人化させようとしてる奴が最低でも2人いることになる」
思ってた以上にやばい事になりそうだな。
てかゼノンが会ったヤツはどうなったんだ。
「あの時は俺は弱かったからな。捕まえることができなかった」
まぁ闇属性使えるようになる前だしな。
一応邪人化した恋人は捕獲できたらしい。
その後とある天才魔法使いに保護してもらっているらしい。
「それってもしかしてあの人?」
「ユージの想像通りだ」
「大丈夫なのか?それ。改造されたりしない?」
「されたら世界滅ぼす」
怖すぎる。
マジでやめて欲しい。
ちなみに最近はSランク同士で会うことが禁止されているため近寄れていないらしい。
それでも気配でわかるのだとか。
ゼノンの努力が報われる事を祈ってる。
で、話は戻るんだけどもこれらを踏まえたらひとつの答えが出せるな。
「最近のフローディアの様子を見るに、何かが動いているんだろうな」
「ゼノンの目的ってこれだろ?」
「あぁ、そのためにここにいる」
「なら、一緒に旅しつつって感じで行くか。この後聖国マーハウまで行くつもりだったし」
それに、仲間は沢山いた方がいいしな。
「巻き込まない保証はないぞ」
「こっちにはAランク冒険者が2人もいるんだぞ?」
「自信に俺とイリスを使うんじゃねぇよ…まぁそういうことなら協力するぜ」
ということで一緒に旅することはそのまま、邪人関連のことも気にかけることにする。
とはいえ一旦3人の間での話ということになる。
「話終わりました?」
「終わったよ」
3人と合流してひとまず今日は休むことに。
明日から聖国マーハウに向けて出発だ。
…イリスとリコリスに許可とってないけど、まぁ大丈夫だろう。




