100.腕試しと最後の温泉
寝相の悪い2人に叩き起され目が覚める。
リコリスが同じ布団で寝たいと言うから寝たが、この2人を同じ布団で寝させるべきではないとわかった。
綺麗に俺の場所だけを侵略してるのやばいって。
ここフローディア近くてめちゃくちゃ寒かったし。
ということでギルドに来た。
今日は最近魔物とちゃんと戦ってなかったし、腕がなまらないようにちゃんとした魔物と戦っておきたい。
はぐれスワムアントの討伐依頼があるのでそれを請けることにする。
1匹だけなら行けるだろう。
依頼場所に行ってみると畑が荒らされているのがわかる。
どうやら群れからはぐれたスワムアントに荒らされたらしい。
強さ的にはDランクくらいなのだろうが、地面を潜ったりしてかなり厄介らしい。
いちばん厄介な群れるという性質は考慮しなくていいが、結構厄介だな。
とりあえず探すか。
しばらくスワムアントを探していると後ろから頭を引っぱたかれる。
「いでっ」
「また何も言わないで依頼請けたんですか?」
「あっ、いやっ、その…」
やべっ、そういえばパーティメンバーに連絡行くんだっけ。
何も伝えずに来ちゃった。
「ほんまごめんなさい」
「まぁいいですけど…リコリスさんは部屋で待ってますので、さっさと討伐して戻りますよ」
「あぁ、そうしよう。とはいえ、見つからないんだよな」
畑の荒らされ方的にはスワムアントであってるらしい。
とはいえ姿が見えないから討伐する以前の問題なんだよな。
地面に潜ってるとするなら土属性の魔法を俺もリアーシも使えないしかなり困ったことになる。
「そんな時はこれです」
「それは?」
「スワムアントが嫌がる音を出す魔道具です」
そんな便利なものがあるのか。
「金貨2枚で買ったので後で半分返してください」
「あ、はい。申し訳ございません…」
魔道具を使って地面を探していくとボコボコと土が膨らんでいく。
どうやらここに潜んでいるようだ。
音によって飛び出してきたところを串刺しにするか。
「危ないですよそこ」
その声とともに土の塊が飛んでくる。
声をかけられてなかったら直撃してた。
まじで危ない。
どうやらスワムアントの魔法らしい。
土属性の魔法を使ってくるから注意か。
一旦情報整理するか。
スワムアント
HP:375 MP:151 攻撃力:461 防御力:324 素早さ:167
まず、スワムアントのステータスは俺と拮抗してる。
なんなら俺よりちょっと強い。
そして魔法も使ってくる。
で、火に耐性も持っている。
一旦俺が勝てる要素ないか。
「攻略方法ある?」
「一点を攻撃し続けて外殻に穴を開けることですね。中に直接火をぶち込めば倒せるはずです」
うーむ、それだとなぁ。
多分同じところに攻撃を当てるのが難しいんだよな。
「他に弱点は?」
「関節ですかね。とはいえ狙うのは難しいですよ」
「いや…そっちの方が行けそうな気がする。それで行こう」
ってことで戦闘開始。
俺が魔法剣と水属性の魔法で牽制しつつ、リアーシがライトアローで隙をつく。
ヒーラーがいるから多少無理できるのがいいね。
「ウォーターブロー!」
畑に使われている水を使う。
許可取ってないから後で怒られたら謝ろう。
水辺の水属性の魔法は強いな。
洞窟での土属性の魔法みたいなところがある。
そんなことを考えているとスワムアントは魔法を避け、こちらに土の塊を飛ばしてくる。
「ライトウォール!」
リアーシの作った光の盾がそれを防ぐ。
魔法での押し合いなら総合的な魔力でこちらが有利。
それを察したであろうスワムアントは突っ込んでくる。
そこそこ賢い魔物のようで俺ではなくリアーシの方に突撃していく。
まぁ俺でもそうする。
だからその動きは読んでた。
そんなわけで剣を振り下ろす。
斬れ味があがった魔法剣はスワムアントの足を1本奪う。
バランスを崩したそれの外殻に思いっきり剣を突き刺すが、貫通することはなかった。
ステータス以上に堅いな。
なにかスキルがあるんだろう。
とはいえこれなら何とかなりそうだな。
「ウォーターブロー」
今回は叩き潰す目的ではなく、掴んで拘束する目的で使用。
とはいえ長くは持たないだろうから弱い所を狙っていく。
最初にリアーシに聞いた通り、こいつの弱点は関節だろう。
ということで残りの足5本を斬り落とす。
「うわぁ…鬼ですね」
「酷くない?そういう作戦で行こうって言ったじゃん…動けなくなったし、首斬り落として討伐完了だな」
ドン引かれながら討伐完了。
ちなみにスワムアントの持つスキルに剛化というものがあるらしい。
元々硬い外殻をさらに硬くしているのだとか。
まぁ腕は訛ってないな。
元々鈍る腕があるかどうかは別として。
ギルドに討伐完了を報告して報酬を受け取る。
ちなみに水を勝手に使った件は大丈夫らしい。
討伐優先だったとの事。
ということで旅館に帰ってきた。
「…おかえり」
「ただいま。ご飯買ってきたし食べるか」
ご飯を食べてから温泉に行くということで先にご飯を食べる。
スワムアントの外殻がかなり高く売れたためちょっと豪華なのを買ってきた。
まぁ宿代が高すぎて財布は泣いてるが。
そんなこんなでご飯を食べ終え、温泉に入る。
改めて考えると個別の温泉でこの大きさってすごいよな。
「背中洗ってくださーい」
「…私も」
なんでやねん。
まぁいいけども。
ということで2人の髪を洗った後に背中を洗う。
なんか使用人みたいになってない俺。
その後今日はリコリスが背中を流してくれた。
娘に背中を流してもらうのはこんな感じの気持ちなのだろうか。
最初にこの旅館に来た時より温泉が気持ち良い気がする。
「いい湯ですね〜」
「…いい湯だね」
「いい湯だな〜」
温泉から上がったあと、昨日と同じように髪を乾かさせられる。
…リアーシの髪ってサラサラだけど、なにかしてるのかな。
「…髪が好きなんですか?」
「え?あ、いや、綺麗だなーって」
「そういうの、あんまり女性に言わない方がいいですよ」
「言う人いないから…」
「まぁそうだと思いました」
なんだこいつ失礼だな。
そんなこんなで温泉を堪能し、明日は出発。
この後の旅路では1個街を経由できるらしいが、しっかり買い出しはしておこう。
とはいえ今日はもうガッチリ掴まれてるから寝るとするか。
明日起きたら買い出しだな。
「命の花が咲く世界で」もついに100話を迎えました。
1話約2500字と短い中でも毎日継続できたのは結構誇りに思っています。
まぁROY-Rは失踪してしまいましたが…。
この物語はまだ続きます。
いつか終わりがあるものの、まだ続くこの世界の物語をお楽しみください。




