表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/89

10. 今後にまつわるお話

 ダンジョン攻略を終えた俺達は晩飯を食べに料理屋へ向かっている。


 ちょうどギルドを出ようとした頃だった。

後ろから声が聞こえた。


「倒してきたよ、ボス。大したことなかった。」


 イリスの声であった。

相変わらず、小さい体から放たれるものとは思えないほどの気迫だ。

ダンジョンのボスを倒したというのに、傷一つ付いていない綺麗な姿にどこか引き込まれそうになるが、俺はロリコンではないので踏みとどまった。


「Bランクくらいって言ってませんでしたか?」

「ん、覚えてない。弱かったから。」


 覚えてない…とはね。

これが強者ってやつか。

なんか、ダンジョンマスターが可哀想に思えてきた。

もうどんな姿なのかも知ることはできないが。


 イリスはそのままギルドの中へ入っていった。

俺は、料理屋に行こうとしたらスチールリリーのみんなに一緒に行こうと誘われ、せっかくなので一緒に行くことにした。


 料理屋は、さっき見かけた冒険者たちで賑わっていた。

というか、席がない…


 まあどうすることもできないので待つことにした。


 数十分後、俺達は席に案内された。

この間はガッツリ肉を頼んだが、今日は嗜好を変えてロールキャベツにしようと思う。

てか、なんであるんだよ!


 リリアはサーペントの塩焼き、クレイブはバカデカい肉、フロント…もといフロストは俺と同じロールキャベツを頼んできた。


 ってか、サーペントの塩焼きって食べれるのか?

と思ったが、どうやら魔物の肉でもきちんとした料理人であれば食べれるように調理できるらしい。

料理スキルを覚えれば冒険者でも可能だ、とのこと。


 ナイフとフォークで優雅にロールキャベツを食べる俺は、そのまま4人で適当な雑談でもしながら食事を楽しんだ。

主にダンジョンでのことだな、俺はほとんど何もしてないような気がするが、「良い活躍だったぞ!」と褒められているので、そう思うことにした。


 そんなこんなで食事を楽しんだ俺達は店を後にした。

ちなみにロールキャベツは少し高かったらしく、銅貨二枚だった。

まあ今の俺には大したことのない出費だ。


 もう外も暗くなってきた。

俺達は昨日と同じ宿屋で夜を過ごすことにした。


 そして朝になった。

俺はとりあえずギルドに行くと、受付に

「イリス様がユージさんをお探しでしたよ」

と言われたので、奥の部屋に案内された。


 そこにいたのは勿論、圧倒的な存在感を放つイリスの姿があった。


「ユージ。話がある」

「な、なんですか?」

「ダンジョンの奥で落ちてた。この剣」


 と、イリスは随分とカッコよさそうな剣を見せてくれた。


「その剣は?」

「これは、魔法剣、たぶん。私にはいらないけど、ユージはいる?」

「もっと他にも冒険者いますけど、どうして俺なんですか?」

「オジサンの弟子らしいから…」


 うーん、俺の他にも色んな冒険者がいるが…関わりがあまりないのだろう。


「ただし、条件がある」

「条件?」

「大したことじゃない。値段をつけるだけ。特別に売ってあげる。金貨1枚」


 金貨一枚か…さっきのダンジョンの報酬でゲットした銀貨の殆どを使うことになる。

でも魔法剣は欲しい…


「どう?買うの?」

「…買います!」

「まいど」


 買った。

俺は銀貨10枚をイリスに差し出した。

これで残りは7枚になってしまった。


「その剣、詳しくないけど、使い方特殊だから教える。魔法教えるついでに」

「教えるって?」

「訓練場に来てもらう。けど、今は仕事があるから、2時間後くらい。訓練場で待つ」

「わかりました」


 どうやら使い方を教えてくれるらしい。

といっても、どこで二時間程時間を潰そうか…


 そう考えながら戻って受付の方に戻ると、受付嬢が話しかけてきた。


「ユージさん! 旅をするんですよね? それなら一度、資料館の方へ行ってみては? そこなら地図とか色んな資料を見せてもらえると思いますよ! 旅の目的を作るのに丁度いいかと…」


 なるほど…アリだな。


 俺は受付嬢に「ありがとう」と伝え、資料館へ向かった。


 道も聞かずに出発したので少し迷ったが、いかにもなところを見つけたので中に入ってみた。

当たりだった。


「らっしゃい、何の用だい?」

「地図を見に来たんですけど…」


 店主のおじいさんは少し怖そうな雰囲気を出しながら、俺に話しかけた。


「あんた、旅人かい?」

「はい…」

「ふーむ、じゃあ一緒に見てやろう」


 と、おじいさんは地図を広げた。

この世界の地図は初めて見たが、かなり広そうだ。


「今いるのがここ、スィートピィだ」


 おじいさんは現在地を指差してそう言った。そこから東に進むとイシュリアに戻ることになる。


「お前さんはイシュリアから来たっぽいな。それならいい感じの街が二つほどある。どっちに行きたいかはお前さんが決めればいい」


 おじいさんが提案した街は2つ。


 1つはここから北に進み、山を超えたところにある『フローディア』という名前の国。

辺り一面雪景色が広がっており、幻想的なんだとか。

名の知れた冒険者も多数いるらしく、立地の割にはかなり発展した都市部の街らしい。

山を越えることを考えると1〜2週間かかる計算で、道中にも山にも魔物はいるため、ある程度の実力が欲しいとのこと。




 もう1つはここから南に進んだところにある港町『ヴェルマリーナ』という場所。

1〜2日ほど歩けば行ける結構近い場所だ。

色んな国との貿易が盛んで、主に食料品などが揃っているらしい。

こちらもそこそこ発展している。

ただ、それくらいで他にめぼしいものはない。


 しかし、船に乗り海を越えたところに王都『ゼファーノス』がある。

そこは色んな人が集まるまさにこの世界の中心地と言えるような場所で、立派な王城もあって、貴族もたくさんいるらしい。

優秀な冒険者も結構いるらしく、海を超える苦労をしてでも行く価値はあるとのこと。


 そういえば、今知った話だが、俺が今いる国は『グロリアス』というらしい。

街の名前しか聞いてなかったね。


 正直、結構迷うが…

俺は山奥に行ったら死にそうな気がしたので、港町に行くことにした。


 店主のおじいさんに挨拶をして俺は店を後にした。


 色々考えていたら、結構良い時間になったな。

1時間くらいは経ったかな?


 そんなことを考えながら訓練場に向かうが、イリスの姿はまだなかった。


 仕方ないので、昨日行った料理屋で適当にサンドウィッチを頼んで食べることにした。

普通に美味しいね。シャキシャキの食感が良い。


 今度こそ、いい感じの時間だと思ったのでギルドに寄ってみたが、まだイリスの姿は見えなかった。

これ以上時間を潰そうとすると約束の時間を過ぎそうなのでそのまま待つことにした。


 数分くらいたった頃だろう。

小さいシルエットが奥の部屋から出てくるのが見えた。


「ユージ、はやいね」


 そこには仕事を終えたであろうイリスの姿がある。


「じゃあ、行こっか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ